2008年10月19日日曜日

デレバレッジ

レバレッジとデレバレッジ
Leverage and Deleverage

最近デレバレッジと言う言葉がよく出てくる。読んでのとおり、レバレッジの反対、レバレッジの解消と説明される。
また今回のバブルの状況を説明するのに、単に不動産バブルとか言わずに、金融資産バブル、とか証券化バブルとか、レバレッジ・バブルとか説明する方がふさわしい。
ではレバレッジとは何なのか?

100万円程出して株式を購入、1週間で20%上昇、20万円儲かった訳だが、「しまったもう100万円分買っておけばよかった。」と言う経験はあるはず。
自己資金でもう100万円出せば問題は無いが、他の人から借りていれば話は別だ、自己資金100万円+他人資金100万円でレバレッジは2倍だ。
思惑通り20%上昇してくれれば良いが、今回の株式市場のように50%下落すると、借金を返すと残金は0円になってしまう。 金利の安い円で借りて金利の高い通貨で運用する。円キャリートレードも、元手にレバレッジを掛けられる。勿論証拠金取引などレバレッジは身の回りにもある。


不動産のレバレッジ
単純な例え話だが、真実は大差ない。 これが先ず住宅購入で行われた、サブプライムだ。 頭金3%で住宅が買え、しかもノンリコース。これは住宅価格が3%下がると、借り手はさっさと家を出ていけば良い。実際にはギャンブラーが購入している訳では無く、家を持ちたいが頭金が30%も無い人達が買ったので、返済が出来る限り、家を放棄する事は無い。しかしながら景気が悪化し、失業率が上昇すると、こうした限界的な人達の収入に直接響き支払いが滞る。 またここでノンリコースと言うのもポイントとなる。 担保の住居以外に遡及されないと言う意味で、家を放棄すれば、借金の取立てにはあわなく済むと言う意味だ。ここでの個人から見たレバレッジは33倍。 見方を変えれば家が買えるかどうかの一発勝負。不動産が上がり続ける方にベットしたと言う訳だ。 そして全米で負けが嵩み、与信した金融機関がその損を被るのだが、証券化と言う手法 でその損が世界中に拡散された訳だ。 

金融機関のレバレッジ
過去の金融恐慌からの反省や国際取引の進展により、各国の銀行が自己資本の何倍のレバレッジ(資産)を持っているか共通の尺度を持つ為に定めたのが、国際決済銀行の自己資本規制だ。 BIS 規制とか良く聞くと思う。 非常に大雑把に言うとレバレッジの逆数で自己資本比率は8%以上にしましょう。と言う事になっている。自己資本を資産で割る訳だ、レバレッジ12.5倍である。

基本的に一般事業会社への融資は100%がベースであるが、国債(自国)に投資している場合は倒産は無いから0%にしようとか、不動産融資は35%で良いとか、AA格以上の債権は20%でとか細かく決めてあるし、変更も多い。 今はご存知のように、格付けが一夜にして大幅に劣化する。 昨日の20%は明日は100%ではやっていられない。

日本では、殆ど無いが、銀行が収益機会を広げる為に、オフバランスで(銀行の資産やリスクと認識される事無く、)投資できるSIV (ストラクチャード・インベストメント・ビーイクル)を作ったりした。これらは銀行のリスクとしてカウントされない影の経済システム だ。 今は認識されるようになったが、猶予されている物もある。

これを単純に金額ベースで計算すると、50倍や60倍 (ジャンプして下さい。)にもなる。

その他のレバレッジ
金融機関のSIVやヘッジファンド、投資銀行等は上記のBISの規制外であるし、FRBなど銀行を監督する機関からも規制外である、先ほどの影の経済システムだ。ヘッジファンドは約2兆ドル、その内FOF(ファンズ・オブ・ファンズ)は40%と言われているが、数字が良く判明しないのは、規制外だからである。ヘッジ・ファンドの2兆ドルも、レバレッジが10倍あれば20兆ドルにもなりえるがこれも性格には分からない。売りと買いが混じっているから少しはましか?  今週末The Economist で規制に監視、ウェブ上での討論会があったが、規制は必要と考える人が61%。


こう言ったレバレッジの賭けの方向が米国の永続的な経済成長であり、人口動態的にも持ち家のニーズは続く、従って住宅価格は下がらない。といったものがベースになっていた 従って今回も不動産価格が充分に下がればどこかで均衡すると考えている。(もう少しかまだまだかの違いだ。) しかしこの賭けの比率を引っ込める作業デレバレッジは、景気の低迷をもたらし始め、景気低迷→企業収益低迷→個人消費低迷→不動産価格低下→破綻増加→景気低迷と言う下降スパイラルに入ってきた。先週の個人消費のデータ等は明示的である。 デレバレッジの動きは暫く続くが、株への投資はバッフェット氏の仰るとおりだ。 今回の暴落が予想できなかったように、反発も予見できるものでは無い。 余裕のある人は少し買うのだろう。 但し今起こっている事を認識し、タイムスパンを頭に入れておく必要があると思う。

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