2008年10月20日月曜日

ネガティブ・エクィティ Negative Equity

今朝電話で、ネガティブ・エクィティに関する質問があった、米国個人消費やLBO関連等で外せない用語なので確認の意味で書いておく。

米国(英国でも)で不動産をローンで買い、不動産の価格が上昇すると、ローンと不動産価格の差額が含み益になる。5000万円の不動産を1000万円頭金、残り4000万円を20年払いで買って、不動産価格が20%上昇すると不動産の価値は6000万円。 6000万円マイナスローンの4000万円で2000万円は含み益となる。 ここで米国の場合、不動産価格の90%つまり5400万円まで与信枠を広げられる。 簡単に言うとあと1400万円は貸してくれると言う事。これがHELOC(Home Equity Line of Credit), ホーム・エクィティ・ローンと言う有名な制度。 しかもHELOCへの金利の支払いは一定額まで税額控除できるので、大型SUVも大型テレビもこれでどんどん買えた訳だ。

ここでネガティブ・エクィティはこの含み益の逆で、含み損の状態。 上の例では、不動産価格が30%下落して3500万円に低下、ローンが4000万円残っているので500万円の含み損、この状態がネガティブ・エクィティ。 この状態で投売りするのをShort sale。

10月に入ってからのニュースでは米国で個人でネガティブ・エクィティ状態の人は約1200万人。[NYT Opinion Oct 9 2008]。 英国でも2010年には200万人がネガティブ・エクィティになると言うニュースが19日にあった。

このHELOCの消費への影響をグラフ化したのが、このグラフ、ネタ元は[Calculatedrisk]
MEW (Morgage Equity Withdrawal) 含み益からいくら引き出して使用したか、そして、可処分所得の何%程度占めていたかと言うグラフ。ピーク近辺では1四半期毎に2000億ドル、20兆円、もちろん全てが消費に回る訳ではないが、年間で80兆円にもなってしまう訳で、TAXの戻しと比較してもその影響は計りしれない。 ITバブルの後、どうも米国だけ調子が良いなと言う秘密はここだった。(別に秘密でもなかったが。)


要は、MEWがゼロになってしまい米国の個人消費は結構深刻な状況にあると言う事、奇跡的に不動産価格がV字型に戻るのであれば話は別だが、ここからさらに下落する予想の持つ意味は大きい。 世界経済的に需要を米国に求めるよりは、少なくとも国内需要の可能性のある中国やブラジルに期待がシフトするのは当然であるし、
株式の物色の上でも考慮が必要だ。

0 件のコメント: