2008年11月30日日曜日

谷根千

今では、ネット証券も皆やっているが、昔、未だPTS(proprietary, trading system)が日本語になっていない頃、米国から提携したいと言う連中がやってきて、ひと会議終り、私が窓口だった事もあり、「土産買うなら手伝うぞ」と言ってしまった為に、大変な事になった話。

彼ら(3人)は生粋のヤンキーなのだが、煎餅が欲しいと仰る。 では、と日本橋の名門百貨店にお連れしたのだが、こういうのでは無いと。

 「TEYAKI」!!
一体どう言う日本人の知り合いがいたのだろ。

実はこれは私の得意ジャンルで、今でもルートを覚えているが、門前仲町の「其角」、水天宮の「中村屋」、人形町の「草加屋」、「花見煎餅」、浅草「入山」、彼らは、1枚ずつ注文し、食べる、気に入ると買うを繰り返し、「入山」辺りで、打ち止めにすれば良かったのだが、知ったかぶりの癖を外人にまで披露してしまい、谷根千に行くか!と悪乗り。 「OH! Yanesen」と言ったかどうかは、定かでないが、兎に角言問い通りを本郷方面に、谷根千とは、谷中、根岸、千駄木の略称だ。

狭い社用車の中の後部座席で、買ったばかりの煎餅を3人がかりでバリバリ食うもんだから、車中の醤油臭い事ったらありゃしない。 

「ヨー ガイズ スメル」、

「Anata mo tabenasai」

てな感じで、大黒屋に到着した訳だ。 今はもう置いてやしないが、当時黒塗りの大きめの缶に金色で、「大黒屋」と筆記体で縦に書いてあり、煎餅も気に入ったが、入れ物に連中感動したらしく、価格高めの大黒屋手焼きを缶に一杯詰め込んで太平洋、アメリカ大陸を横断してはるばるNYまで持って帰る決意をしたらしい。

「アイ ノウ アナザー ナイス センベイ イン ヤナカ」
「Moh kekkou desu]

連中は良いツボを押さえていたのだが、大事な一品、「菊見煎餅」をミスってしまった。

煎餅を食べ過ぎて、夜は「kekkou desu」で交際費は節約できた訳だ。

煎餅勝手ミシュランで行くと、
☆☆☆
其角は、強火が自慢だから、色々品揃えがあるが、大丸に限る。げんこつも美味しいけれど。ぬれ煎なんか買うな。 煎餅道にもとる。 美味しいけど。

☆☆
これは千葉の煎餅だが、銀座店で手焼きをしている。

因みにこの覆面調査員はどの店でも顔を覚えられている。

こうした美味しい煎餅は包装がぞんざいだ。
スーパーで販売されている煎餅も製造元で食べると美味しいものだが、パンと一緒で焼きたてが美味い。製造後何日も経つと風味は失われる。 従って美味い店はデパートには出していない。 入山なんぞは、ビニールに輪ゴムで止めてある。 まるで直ぐに食べろと催促しているようだ。 仮に日にちが経って、しけってしまっても、あんたが悪いと言う按配だ。 まあ直ぐに食べてしまうけれど。

暇な週末、草加に煎餅の旅をするのも良し。 生地の売っている店もあるが、焼いてMy煎餅も結構なものだ。

PS あれ以来飛行機で煎餅を食べるのは遠慮している。 醤油臭くて同乗している日本人に申し訳ないからね。



週末雑感 GM,失業統計,円ユーロ


先週は余裕が無く、ブログの更新も週末雑感が2週連続する事となってしまった。

来週はお題の通り、GM救済案が2日、4日に主要小売業者売上、週末に雇用統計だ。
これは米国の話で、2日に豪州、4日に欧州中央銀行とイングランド銀行が、政策金利を発表する。

GMは2日に再建策、公聴会を経て、8日の週に結論。BIG3に取って良い話ににはならないだろうが、関連企業等の問題もあり、リーマンで懲りて極端な結論にはならないと思う。 第一株式市場ではもはや倒産企業並の扱いを受けている。 別にプライベート・ジェットで公聴会に出た経営陣だけでなく、労働者自体も同情はあまりかっていない

東京は4日に法人企業統計、欧州中央銀行の利下げが円ユーロに波及する可能性もある。市場は景気悪化はかなり織り込んできている。

週末発表されたGPIF(7-9月)忠実に基本ポートのアロケーション(11%)を守っており、上昇時に買いに出る事はなさそうだが、急落時には入る。 一方で、かんぽ生命の有価証券時価情報(9月)では4911億円と2004年3月のピーク5兆9746億円から-92%の減少となった。2007年6月でも4兆円あったので、この1年で相当売却した事になる。 ここも買わないが、一方で大きな売りの主体もここまでだ。

買い手は個人と年末までに少し稼ぎたいヘッジ・ファンド?  これが薄商いの内容だろう。

日経日曜版、帝人社長大八木さん、「長期不況見据え構造改革」、クラリオン「タイ新工場建設延期」、皆が「不況を見据え」企業は予防的な行動に出るので、需要は落ち、不況スパイラルとなる。

アーバン
アーバンコーポの増資の時、普通なら引き受け無いCBを何故パリバが?、当たり前だが、何か無いと引き受ける訳が無いのに、スワップ契約等は無いと言う。(あれば必ず発表するでしょ。と思ってた。) 何か凄い事を考えたのか? と期待してたら単純なスワップ。 決め技はダマリ。 がっかりでした。 まああまり気にしてませんでしたが。



2008年11月24日月曜日

週末雑感 Citi救済


明日の朝刊はCitiだ。
シティの資産保証は最長10年 米政府救済策の詳細明らかに

 米政府が発表した大手銀シティグループ救済策の詳細は以下の通り。
(1)住宅ローン関連資産の保証期間は10年、それ以外の資産は5年。
(2)3060億ドルの不良資産から発生する損失のうち、最初の290億ドルをシティが負担。それを超える分は1割をシティ、9割を政府が負う。最大で財務省が50億ドル、連邦預金保険公社(FDIC)が100億ドルを負担する。米連邦準備理事会(FRB)もローンを貸し出す。
(3)保証料としてシティは財務省に40億ドル、FDICに30億ドルの優先株を発行する。
(4)200億ドルの資本注入は財務省が優先株を購入して行う。シティは年8%の金利を支払う。 Nikkei net(16:01)

このブログ読む人はこんなニュース必ず見てましたね。

昨日、今日と朝早く起きて行ってきました。

早朝の代々木公園に朝日が当り始めた

紅葉には未だ少し早いが、銀杏は黄色いカーペットのようになっている。


週末文春ペーパーバックスで、町山智浩氏の「アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない」を読んだ。週刊現代に「アメリカで味噌汁」と言うコラムを連載していたそうだが私は知らなかった。  何しろ面白いので一気に読んでしまった。

時期も2006年からなので、サブ・プライムあり、大統領選挙あり、GMありで飽きさせない。

その中で「実用化された電気自動車は何故消えた?」と言うのがあり、これはGMが作ったEM1と言う車で、トム・ハンクスやメル・ギブソンも愛用していたそうだが、石油業界の圧力で消し去られた。みたいな記事が満載だ。  どうも彼、もしくは彼の属するコミュニティーではブッシュが嫌いで、マケインの肩ばかり持っている。 この本を読むとブッシュはとんでも無い奴だ。 現地の気分はそうなのだろう。ブシュの支持率の低さから見ても、国民は「失敗した。」と感じており、オバマ氏に対する期待感は大きいようだ。 お勧めです。



2008年11月22日土曜日

失業統計とSP500

週末GSが米国GDP予想を下方修正した。
第4Qの-3.5%を-5%に(年率)、失業率は2009年第4Qには9%に達するだろうと言う。
それに応じて今11月の失業率は6.8%の予想。

またウォーレン・バッフェトは「5ヶ月後の失業率は物凄く上昇しているだろう。8%を超えるかもしれない。そこで反転するわけでは無く、(反転には)来年中頃までかかるだろう。」

バークシャー株の不振について、「何も変わらない、マージンで(株を)買っていない限り、ビジネスを保有しているだけだ。ビジネスに関心を払っているのは、そこから結果が出るからだ。こんな事は過去3回あった。1974、1987,そして1998から2000には半分になった。もう2~3回味わえる程長生きしたいもんだ。」 その他 US News & World Report

カルフォルニア州では10月の失業率が8.2%と14年ぶりの不振。

などなど、失業率が注目。

失業率とSP500を1950年からグラフ化してみた。


青がSPで対数になっている。赤が失業率。縦の細い線は相場のボトム。
グラフは押せば拡大する。↓は1991年のGMの大リストラだ。今回もシティ、やGMを始めとする自動車産業で大リストラは避けがたいので、失業率は間違い無く上昇する。

しかし、相場がボトムを打った後、失業統計は上昇し続ける事が多い。これはリストラによる収益改善効果に期待が集まる為だ。

(GMとシティと言う)巨大産業で大リストラが成されようとしている。 今回は収益改善と言うよりも、悪夢からの脱出的なものが、自律反発を誘うと考える。 GM問題の決着が基点となるか?

金曜日はオバマ次期政権の財務長官にガイトナーNY連銀総裁のニュースだけで反発できた。
「Change」が期待を持たせる。

しかしファンダメンタルスは悪化を辿り何も良い兆候は見られない、今回は反発があったとしても、再び今の水準に帰ってくる可能性も高く併せ持っていると考えておくべきだ。

日経平均と失業率

株は景気の鏡、失業統計は遅行指標。

2008年11月21日金曜日

マンキュー教授 & Google Trend

New York Times の20日のOpinionでクルーグマン教授が「株でパニックになるな、債券でパニックにな、3ヶ月T-billは0.02% なのに、ジャンク債は20%を超えている。」と言っている。
19日には同じ趣旨で下記のグラフが掲載された。 超一流企業AAA格でもこのレートが必要だ。
インフレ期待がかなり強い状況であるならしょうがないが、デフレの中でファィナンス・コストが上昇している。 株式資本の調達も困難で、デット調達も困難な状態は設備投資意欲の減退に繋がり、この先の景気低迷に深刻な影響を及ぼす。悪いスパイラルに入っている。


話は変わって、下図は19日のマンキュー教授のブログから、米国では俄かにデフレーションの問題が深刻化してきたと言う話だ。ついこの間まで原油や資源価格の上昇にインフレの心配をしていたのだが。

Google Trends
googleのsearch機能を使って"deflation"が検索された数を指数化した物だ。
上段が件数、下段はニュースの数だ。米国ではここのところデフレーションに対する関心が急激に上昇している。



一方日本語で”デフレーション”をやると、
検索ボリュームが不足しているため「デフレーション」のグラフを生成できません” となる。
因みにデフレでも同じだ。

シンプルに「経済」、「危機」でやってみると以下、赤が危機青が経済だ。 危機のニュースは飛躍的に伸びているが、検索件数はさほどでも無い。あまり関心が無いのか、yahooの使用者が多いのか。日本ではあまり関心が無いのかも知れない。


すこし慌しいが、"YAHOO"と"GOOGLE"を比較した。
意味はグーグルを使って両者を検索した数だ。 グーグルにいるのにグーグルを検索するか?と言う疑問もあるが、YAHOOが赤で、GOOGLEが青



以下はトヨタ:青、任天堂:赤、三菱UFJ:黄色。
相場下落でトヨタ注目。日本国民の信頼は厚いのかもしれない。
 


これは二岡:青、モナ:赤
平穏だった二岡の人生のボラが俄かに上昇した様がわかる。
芸能人や政治家等使うと結構遊べそうだ。


Google trendに夢中になって一体何を書いているのか、すっかり脱線してしまった。


FINRA-Blp 米国社債指数。
Investment gradeは投資適格、High Yieldはジャンク債

Investment gradeの利回りは低下気味だが、High YieldはGM,Fordを筆頭に倒産件数増加懸念から上昇している。

社債発行コストが高いのは既知の事。 しかし20%と言うのは本邦の場合、利息制限法があるので、元本が10万円未満に制限される。元本が100万円以上の場合で15%だ。 法律によってお金を借りる資格の無い企業が多く存在してしまうと言う事だ。

生保や年金の予定利率を決める時もそうだが、こう言う無理矢理の金利の決め方は難しい。
銀行融資ならともかく、社債発行コストが20%だからご融資は20%の金利を頂戴しますと言うと”貸し渋り”と言うのだろうか?またこう言う企業に10%で貸し出したらそれも問題だろう。

4大弱気相場 続

昨日書いたと思ったら直ぐに更新してしまった。青い線が今回。
取り敢えず。

SP500 1950-2008 拡大 dshort





2008年11月20日木曜日

4大弱気相場

こんな大幅安の日にくどい話だが、何時もCalculatedRiskに出てくるのが上のチャートだ。
上のチャートからブラックマンデーを取り外し、1929年の大恐慌を加えた物が下のチャートだ。


縦軸が%で横軸は日数だ。
面白い事に概ねピークから50%安迄くると切り替えしている。今回も1929年を辿る旅ならば、そろそろ4ヶ月程度の半値戻しが入りそうなところだ。

実際そう言った意見もちらほら聞かれるようになってきた。
私もオバマ新政権期待でそろそろかなとは考えているが、とにかく出てくる経済指標が半端でなく悪い。躊躇してしまうのも仕方あるまい。

処で、朝のニュースで取り上げたが、BLPによるとメリル・リンチの機関投資家アンケートでは強気の見方が過去10年で最高であったそうで、この結果も素直にロングに転じられない材料となっているのかもしれない。

新宿有隣堂に寄ったら、「こんな安いのに買わなきゃダメ本」みたいなのが並んでいた。中身の株価は古き良き時代のもので、7月頃に書かれた物だろう。 時間の経過が物凄く早い。戦前のGMとフオードの日本でのプレゼンスについて書かれた物を発見したが、件の本の御蔭で買うのを失念した。

その中で、1940年にGMのドイツ子会社Opelがナチによって接収されている。下りがあった。BIG3は安全保障上の問題足りえるか。  答えはYesだと思うが、人件費の問題が解決しないと将来もありえないと考える。

2008年11月19日水曜日

パニック or 理由無き熱狂の粛清?

今日もマンキュー教授のブログから、Johns Hopkinsのクリス・キャロル教授のスタディだ。

今から12年前、1996年、アラン・グリーンスパンFRB長官が”Irrational Exuberance:理由無き熱狂”と表現していた頃、キャンベルとシラー教授が割高を説明する為使用したメッソードで、グラハムの「10年間平均PERは将来のリターンを決める」と言うものだ。

キャロル教授は色々なものの周期が2,4,6年である事から、10年平均では無く、12年平均過去PERと12年間の年収益率を使用している。

Irratiobal Exuberanceから今年で12年経過したので、プロットしたのが下の図だ。横軸が実現PERの12年平均、縦軸がその後の12年間の年率収益率である。 データは1872年からでSP500と各種資料を繋いでいる。

これによると確かに1996年は異常にPERの高い時期であり、結果として12年間の収益率はほぼ0となっている。1996年より高いのは1929年だけである。
10月24日のPEは縦の線で、回帰分析線上のプロットでは今後12年間、年率で5から6%の期待リターンを持てるのだろうか? 今回の下落を「理由無き悲観」やパニックと呼ぶコメンテーターもいるがグラハムのPEでは真ん中なのだ。

どうも現場の人間にはアカデミックと言うかタームが長いかな。1996年からずっとお休みしている訳にも行きませんからね。 今のPEは将来どうにでもなると言う事を表している様にも見える。 しかし長期の資産形成においては、注目に値するでしょう。

2008年11月18日火曜日

大山巌 捨松

今日、神田の古本屋で溜まっていた古本を売却した帰り、九段坂を登っていると靖国神社のお堀側に長州の品川弥二郎と並んで明治陸軍元帥大山巌の像があった。

今から3ヶ月程前だろうか、新聞の書評か何かで大山巌の妻、大山捨松の「鹿鳴館の貴婦人」と言う本を知り読み入ってしまった。久野明子さんと言う曾孫さんの書かれたものだった。

捨松は津田梅子を通して教科書で馴染みがあると思うが、初めての米国女子留学生5名のうちの1人である。

大山巌は西郷隆盛の従兄弟で司馬遼太郎の「坂の上の雲」等でも好意的に扱われ良く知られているが、奥様の事は私も全く知らなかった。

捨松は会津藩国家老山川家の娘で、会津落城の際には幼いながら戦い負傷もし、その後も下北半島、親と離れて函館と過酷な目にに遭いながら、12歳で米国に留学する。

才女メリル・ストリープも卒業した米国東部名門女子大バッサーを明治初頭にトップクラスで卒業し、卒業生代表も勤めており、大学には最近まで彼女を記念した特別室まであったそうだ。写真も残っているが美しい人である。

 これに対して大山巌も、明治維新の戦が終わるとスイスに留学に出かけ3年ほどを過ごしている。大山巌は会津攻城の際の砲兵隊長でアームストロング砲で容赦なく城に砲弾を撃ち込んでいるわけだが、その目標地点で将来の嫁である捨松は消火に勤しんでいたそうだ。捨松の兄(浩)嫁は砲弾によって目の前で戦死している。これほど凄絶な関係の夫婦もないだろう。

大山の最初の妻(吉井友実の娘)が3人の子を残し早世した後、吉井が自分で探し充てた後釜が、朝敵会津の娘だったと言うわけだ。この時「逆臣ですから」と断る兄、山川浩に対して、説得に来た西郷従道は「私も逆臣(西郷隆盛)の弟です。」と言ったそうで、浩も受けざるを得なくなったらしい。やがて2人は恋に落ち仲睦まじい夫婦になるのだが、最初はお互いに会津弁、薩摩弁が解らず英語でやっと話しが通じたそうだ。結婚式は完成したての鹿鳴館。

大山巌像の写真を撮りながらしばしタイムスリップしてしまった。

大山巌は軍人だが、警視総監も兼務していた折、猟の最中に警官に咎められた。凡庸な官僚であれば「無礼者!」と一喝するところであるが、大山は真面目に勤務する警官に対して、自身の身分も明かさず素直に取調べに応じていたような威張らない人間だ。 また本来なら大山神社でも在る程の偉勲だが、本人が固く戒めたそうだ。 ちなみにこの像は軍人には珍しく、刀も銃も無く丸腰である。 「らしいな」と思った次第。 本は是非お勧め。Porco shop (左上)の和書に入れておく。

また捨松のもう一人の兄、山川健次郎は苦労の後、エール大学を出て東京帝国大学の総長になっている。

実はこの会津攻城戦の時、ライフルの名人で城側のスナイパーとして戦っていた女性がおり、後に彼女が同志社大学創始者新島襄の奥方になるのだが、この話はまた今度。

BIG3 と日系自動車メーカー

マンキュー教授のブログに面白いチャートが出ていた。
ソースはミシガン大のマーク・ペリー教授
total compensation=人件費(単なる時給では無く、社会保障費等全て合算した)


日系メーカーは現地工場での人件費。為替は関係無い。
米国民の共感は得られるか?
250億ドルの民主党による支援案は可決不可能との見方が強い。
オバマ新大統領としてはこれを機に人件費問題等に解決策を探して行くのではないだろうか?

追記12月15日:これらの数字にはGM退職者432,000人のコストを従業員の頭数で割ってある為、現在のGMの労働者が現実に受け取っている数字とはかけ離れている。
But GM, which negotiated the four-year deal that serves as a template for UAW deals with Chrysler and Ford, says its total hourly labor costs dropped 6 percent this year from pre-contract levels, from $73.26 in 2006 to around $69 per hour. The new cost includes laborers' wages of $29.78 per hour, plus benefits, pensions and the cost of providing health care to more than 432,000 GM retirees, GM spokesman Tony Sapienza said.

2008年11月17日月曜日

オバマ新大統領と株式の長期展望

G20が終了し、当初予想されたようにシンボリックな意味と、今後継続して開催されると言う以外、インパクトを持たなかった。覇権に翳りが見えたとは言え、今回の経済危機の震源ともなった米国の次期大統領が参加していないのだから当然だ。

イラク撤兵、アフガン増派、あるいは対日戦略等々オバマ新政権の政策が株式市場の長期展望に与える影響は大きい。 しかし中でも税制政策は新政権がどのような米国を作ろうとしているのか分かり易いと思う。

民主党が上下両院でマジョリティーを取った為、大統領と併せて、立法、行政をともにコントロールできる事となった。これまでの米国経済構造が今回の選挙を通じて失敗と認識された以上、大きな改革は必至だ。

1つは税制改革で、所得税、キャピタル・ゲイン税、配当所得税、相続税復活等、富裕層への課税強化、失業保険に対する課税停止等低所得者への優遇が明白。

2つ目は投資銀行が消滅し、その他の高レバレッジ体質な金融業全般に国際的な規制が入る以上、米国そのものが、金融を中心としたサービス業依存の体質を変えて来ると考えられる。
 
例えば自動車産業はGMも現状のままでの救済は可能性が低いと考えられる。 労働力を吸収できる自動車産業はかつて家電が日本に奪われたようには簡単に手放せるものでは無い。しかし競争力を持たせる為にはGM,Ford、クライスラーの高コスト体質改善と、環境対応の付加価値を持たせる為に一旦整理と言う道を選ぶのでは無いかと思う。 

また海外移転収益の認識時期の変更や雇用を海外に移転している企業への課税等でも差をつけ、製造業回帰の姿勢を強めるのだろう。

高額所得者が消費の8割程度を占める米国で課税強化が行われれば、当面の個人消費の急回復と言うシナリオは描き難いだろう。 多分米国は次の選挙までの3年間グッと堪えて体質改善を図ってくる期間なのでは無いだろうか。

これはつまり、今般の決済用ドル資金の不足状態が治まれば、競争力回復の為にドル安を必要とするだろうから、多くが予想する通り、今回の株式市場の調整終了はドル安を見てからと言う事になるのだろう。

3セク処理の為に地方債発行を認めると言うニュースもあった、損失確定の為には必要なステップなのだろうがパブリックセクターの借金構造は改める必要がある。 大きな政府と無駄な政府は違うのだから。 日本も、もう少し解りやすければ良いのだが?

2008年11月15日土曜日

サントリー オールド



モルト・ウィスキーは好きだ。特にアイレーはどれでも好きだが、かと言ってキャンベル・タウンのスプリング・バンクも捨て難い。 ついでに正露丸の匂いも嫌いではない。しかしながらブレンデッド・ウィスキーはもっと好きかもしれない。

最近よく行く南青山のバーは、すぐ近くに老舗中の老舗、「Radio」があるにも関わらず下町の風情を程よく残し、ついウッカリとカラオケのリクエストでもしかねない勢いだが、喫茶店に「純喫茶」があるがごとく、「純バー」とでも言おうか、実はちゃんとしたショット・バーなのだそうだ。

こう言ったショット・バーでは、「山崎」はあっても「オールド」は置いていない。

昔オールドは2300円程したのだが、酒税法改正で今は定価でも1680円で買える。そのためキープ・ボトルするような店でも利幅のせいかあまり置いていない。

実は昨年アルコール度数を3度程上げ43度にし、キーモルトのシェリーカスクを強化したバージョンが売り出された。 もともとオールドは43度だったのだが、ライト&スムーズ・ブームで40度に落としていたのだ。 これはオールドだけでは無く、輸入のスコッチも同じだ。 マイルドセブン・ライトやバド・ライトと同じだ。テキーラ・ライトを見掛けなかっただけ良しとしなければいけない。

水温む弥生の頃、たまたまこれを飲む機会があり、なかなか美味な事から、件のバーの主にオールドを置くべくしつこく薦めていたのだが、これが頑固で中々置きやしない。 「うちはスナックではありません。」てな具合だ。

「安い酒飲みやがってこのケチな客が」とは言わないが、こちらも半分はその魂胆、「安くて旨けりゃ尚良し」だし、バーのお酒のバリュエーションとして世界に冠たる山崎蒸留所のブレンデッドも必要だろう。日本のウィスキーの歴史そのものだろう。 いまや日本のモルトもブレンデッドも世界の評価は高いのだ。Japanese Whisk(e)yなのだ。

この20年間、日本の株は下がりっぱなしだ、「バイ・アンド・ホールド」も「買うなら銘柄分散されたインデックス」も結果としてサッパリだ。「優良株が売られすぎ、買ってくれと泣いている」とおしゃってた名人もいたが、結局「投資家がもらい泣き」する事になってしまった。

されどである。なまじ官の援助が手薄な分、日本の文化は世界に花開いた。音楽、映画、芸術、食、そしてウィスキーだ。

まあそう言う事があって、ある日店に行くと件のバーの主、何処かでオールドを奨められて飲む機会があったらしく、すっかり感銘して、よせば良いのに、オールドに飽き足らず「角瓶」まで仕込んであったと言うのが冒頭のこの写真。

「角もなかなかいけますよ。」

何やこの店、ショット・バーのふりして、やっぱりスナックやったんや。

ちゃいますって!!



市況関連の方に、米国長期社債・国債スプレッドおよび小売売り上げのグラフがあります。

中国は世界を救えるか?


G20

今晩からG20が始まる。 具体策は期待できず、むしろ首脳が集まると言うシンボリックな意味と今後の枠組みについての議論になるとの見方が大勢だ。

株式市場では年内解約のヘッジ・ファンドが45日前の先週末で整理がついたとの見方もあるが、日本株に関して言えば出来高があった訳では無いので、これはむしろ希望的な観測だろう。
長い間株式市場に関わったものとしては、これだけの下落の後に当然自律的な反発を期待したい処なので、何か材料を探したいとろだが、10月の株式、金融市場の壊滅的な状況を反映して、出てくる経済指標や10-12月期決算発表予想は悲観的なものばかりである。特に金融機関はなおさらだ。

強気材料

そうした環境で敢えて相場が回復する(自律反発で良い。)と前提をおくと何が考えられるか? 例えば、

  • 米国の場合新大統領に寄せる期待は大きい。年頭教書は1月下旬になるが、期待を膨らませるような施策等がそろそろ話題に上がってくる。
  • ボルボのトラック受注に見られるような警戒的な受注手控えの反動で一時的に各種指標が前月、前期比で改善を見せるかもしれない。
  • バルティック海運指数のように極端に売られ過ぎの市況価格が多い。石油もそうだと思う。50ドルを切ると考える人も多いが、それは行き過ぎだろう。既に生産調整等対策は打たれ始めている。
バルチック不定期船指標 Investment tool


  • ガソリン価格$1.5の下落は、平均的な米国のドライバーにとって年$900の節約になる。日本の景気刺激策より大きい。7月の高値$4.07から直近では$2.12まで下落しており、これは2007年初頭の価格だ。
chart by GasBuddy.com


中国は世界を救えるか?

途上国のスランプから中国でも直近の各種経済指標は悪化、不動産市況は都市部で年収の10x~15xに達し2~3割の調整は必至の情勢だ。これらは不動産売却によって稼いできた地方財政にも影響が出、今回の景気刺激策にも財源の面で影響を及ぼすかもしれない。
4兆円の景気刺激策は真水が3分の1だとか、既存の計画も含んでおり、見かけ倒しとの評価も多いが、借金漬けの欧米から見ればここに期待が集まる。 

  • そもそも中国の経済は消費:資本形成:輸出が4:4:2の比率となっており、先進国の60~70%が消費と言う構造とは異なる。
以下エコノミストから、
  • 貯蓄率も高く借入金依存度はGDPの13%で、米国の100%と比較すると違いは歴然だ。
  • 高級住宅は特定の都市で供給過剰であるが、国のレベルでは供給過剰とは言えない。都市化や収入増加で住宅市場はサポートされるだろう。ここ数年の実質個人所得は都市部で10%、地方で14%の伸びだ。
  • 人民銀行はここ2ヶ月で3回金融緩和を実施、住宅購入の頭金も30%から20%に低下させた。
  • 今回の刺激策に既に実施された付加価値税の改訂は入っていないが、2007年の企業収益の4%相当の効果がある。
  • 10年前、中国の銀行セクターは40%~50%の不良債権を抱えていたが、現在は6%程度であり、デベロッパーへの融資は全融資の7%と健全である。
  • 過去5年間銀行貸し出し伸び率がGDP成長率を下回っている数少ない国のひとつだ。
  • 将来に禍根を残すかどうかは別として、国家が管理する銀行システムは一気に貸し出しを増やす事も可能だ。
今回のG20の課題が金融システム監視の強化であれば、中国は一番コントロールが効いている国なのかもしれない。 今回の中国景気の低迷も過熱からバブルを防止する為の政策であった事も記憶しておく必要がある。 今朝の日経で中国国債発行を拡大、年内実施の1000億元分の内容を公表、即効性の高い事業に優先投資、支出の大部分は今月末に実行するとの事。

弱気材料を数えるときりが無い。 本格回復には全く確信が持てないが、自律反発は充分考えられる。 GMに何かでれば? 

何故いつも日本は期待されないのか。
GDPに対する公共部門の負債 エコノミストから

2008年11月13日木曜日

TARP Troubled Asset Relief Program

TARPは資本注入が好ましい、不良資産の買取りは消極的=米財務長官 [ワシントン 12日 ロイター]

銀行への資本注入が不良資産の直接買い取りよりは効果があるのは、信用創造の機能があるので自明の理だが、TARP成立の際に不良資産買取を激しく主張していた姿とは随分隔たりがある。簡単に言うと予算が足りないのだ。

一度救済したファニーやAIGが追加を求め、さらにGMなど自動車業界のみならずGEまでも救済が必要なようだ。 GMは救うも地獄、救わぬも地獄で一時的な資金をつけてももう元には戻らない事は皆が知っている。市場は救済策を待っている訳では無いだろう。

今朝のニュースヘッドラインはいつもと違う恐怖を感じる。


GEの金融部門GE Capitalの債券1390億ドルに政府が保証をつける。GEのWEBではFDICによるTemporary Liquidity Guarantee Program(TLGP)の対象になったとアナウンスしている。


米下院金融サービス委員会委員長のバーニーフランクは提出中の250億ドルの追加支援策Treasury's financial-rescue planによりGM,Ford,Chryslerに支払われるだろうと述べている。
7000億ドルの一部使用の許可が必要で19日に公聴会があるそうだ。

JPモルガンのダイモンCEOは経済は現状の資本市場危以上に深刻になる、金融危機とは切り離して考えなければビジネスに深刻な影響を与えるだろうと話ている。blp

メリルリンチのジョン・ザイン会長は米国経済の崩壊は非常に早い速度で進んでいる。これは世界的な不況で、1987、1998や2001年のような生易しい不況では無く、1929規模のものだ。 デカップリングなぞは無い。全てに影響するだろう。   FT

元GS会長のホワイトヘッド氏は今回は大恐慌以上の困難に直面しており拡大する財政赤字が経済システムの根幹である米国の信用低下をもたらすだろう。私は常にポジティブでオプティミスティックだが今回は解決策を見つけられない。  ロイター

これまで大恐慌との比較は”以来”であったが、ホワイトヘッド氏は”以上”と踏み込んだ。

2008年11月12日水曜日

秋サバに思う


鯖(サバ)は好物である。焼き鯖や鯖味噌定食は庶民的だが、京都「いづう」の鯖寿司は京都駅新幹線改札内で販売するようになって以前に比べて便利で美味しいのだが、とても高価な食べ物だ。

鯖について実は以前から気になっていた事がある。 3年程前の事だろうか、米子駅での事だ、ここは漁港・境港が近いので当然海産物も名物なのである。その名物として鯖の干物が販売されていたので、販売員の女性に「ここは良い鯖が穫れるの?」と聞いたのだ。すると「ノルウェー産です、こちらの方が脂がのっているのですよ」との答えであった。でも境港のお土産でしょう? 加工地は境港なのだろうけれど。

以前のブログにも書いておいたが、先日福井県小浜に行った際にも、名だたる鯖料理の名所であるべき小浜の”鯖の浜焼き”の現場に、あろう事か「国産とは限りません、ノルウェー産の場合もあります」と掲示があった。 また、夜の小浜の小料理屋で鯖の塩焼きを注文した時も、地元の鯖ですかと聞いたら「地物ならこの大きさでこの値段では出せない」との事。一体全体、日本の庶民の味であるべき鯖はどうなっているんだ?日本中どこでも釣れるのじゃなかったのか?

 その時の理解は、あたかもタスマニア産のそば粉のように、日本が旬では無い時、輸入物を使うのではないだろうかとも思ったのだが、よくよく考えてみると、タスマニアは南半球だが、ノルウェーは北半球であって、調べてみるとどちらも鯖の旬は秋ではないか。どうやらこの問題は根が深そうだ。 

関東のスーパーで大きめの鯖の干物を見ると、加工地が小田原で原産地ノルウェーは普通だ。 日本の鯖は"関さば"と"いづう"だけなのか? 超高級なのか?

日本では鯖はもう取れないのだろうか? 実は鯖の漁獲量は変動はあるものの、大体年間30万トンから60万トンで、ノルウェーからの輸入量は5万トン程度だそうだ。

石油など資源の無いノルウェーでは最初から高値で買ってくれる日本国築地市場に焦点を絞り、小型のサバは狙わず、一番高い時期に一番番高く売れる物しか狙わないのだそうだ。  ノルウェーでは鮮魚として販売できる2歳以上の鯖は漁獲量の81%、つまり小さい鯖は乱獲せずに、育てて待つと言う事だ。 一方で日本は2歳以上の鯖は全漁獲量の18%。 残りの80%、2歳以下の鯖は飼料として中国に輸出されたり缶詰用にするそうだ。 漁業関係者にはまたそれなりの理由があるのだろうがこれだけの水産資源を何と勿体ないと思わずにはいられない。

鯖の年齢と固体単価

鯖の年齢別漁獲尾数
ノルウェーと日本の漁獲物の年齢組成
これは行政の問題だと思うが、日本の漁業は補助金等は手厚く、ノルウェー漁業には補助金は殆ど無い。この鯖、誰が見てもやり方があるのではと思うだろう。 この分野で科学的アプローチで挑戦されている方がブログを書いてらっしゃる。読み応えがある。鮨屋で薀蓄する前に読んでおいて損は無い。

因みにノルウェーのサバ漁師の平均年収は約2000万円だそうだ。

勝川俊雄 公式ウェブサイト。グラフ類はこのサイトから勝手に拝借しております。

2008年11月11日火曜日

Value investment バリュー投資

マンキュー教授のブログに [The Silver Lining]としてバリュー投資の権威、コロンビア大学のブルース・グリーンワルド教授の記事の紹介があった。Silver liningは英辞郎では「希望の兆し」と訳される。
意訳。
今年のように株価が下落してくるとバリュー投資家にとって魅力的な機会となるが、これは1974年の状況にとても良く似ている。 優良株が3倍程度のPERで売られているし、普段なら20倍以下では買えない銘柄が10倍で買える。非常にエキサイティングな状況だ。 しかし短期的にみるとマクロの状況は最悪だし、その最悪の状況がいつまで続くのかわからない。

1970年代のNYダウ [Dow Jones]
1974年はベトナム戦争の終結局面だ。


気をつけねばならないのは、PERがベースとする収益は継続可能では無いと言う事だ。鉄鋼株が今のように稼働率の上がる5年前、収益は現在の3分の1か4分の1であった。ピーク時の収益で株価を見ると安く見えても仕方ない。インフレートされた収益では無く、継続可能な収益を推定し、ビジネス・サイクルを通じた平均PEを考慮すべきだ。10から12年遡り、ふさわしいビジネス・マージンを把握すべきなのだ。

バリュー投資家は将来を予測するものでは無い。「過去のクレジット・クランチを見ていると1年以内に収束している」と言うのはベッティング(1年で収束する事に賭けを)している。これは短期の問題で、バリュー投資家が焦点を当てるべき課題では無い。

一方でクレジット・クランチは良い投資機会を与えてくれてはいる、銀行は100のシニア・デットを50,60,70で投売りしている。インプライド・リターンは15%にもなり、他の市場参加者よりも信用市場に卓越している投資家ならばきっと儲かるだろう。バフェットが今投資している処はここだ。このチャンスは未だ残っているが、近々無くなるのだろう。

GSやGEへの単なる投資は過去のソロモンの時もそうであったが、バフェットの真の投資活動では無い。 今回の彼のディールは高リターンで充分に下方にプロテクトされた特別のものだった。実は彼は銘柄を明らかにしていないが、他の2つの金融株を買い進めていると言っている。それは彼が銘柄を明かしたかどうかは知らないがアメリカンエクスプレスかウェルス・ファーゴだろう。 アメックスは収益構造が銀行ほどは複雑ではないから理解しやすいのだ。


考えてみれば、当たり前の事ばかりだが、興奮しているとつい本道から外れてしまう。 バリューの基本は慌て無い事のようだ。 彼はアメックス、Wellpoint, Magna、Comcast,MSFTを挙げている。アメリカンエクスプレスも銀行持ち株会社になると言うニュースが先ほどあった。それでもビジネスモデルは単純なのだろう。5%でファイナンスし、15%で貸す。貸し倒れ率は5%で不況期に貸し倒れ率が増加するだろうが十分なマージンだ。経営者がキチンとしていれば大丈夫そうだ。似た話が過去あったような気もするが?

バリューファクター重視のクォンツはこの1年散々だが、収益予想が安定するまで、当然だがPER自体も安定しない。市場ボラティリティの高い間はリターンを出すのは難しいようだ。

朝の市況

ブログ右上の関連サイト、市況データをクリックして下さい。

2008年11月10日月曜日

中国 景気刺激策

昨年から過熱するバブルの抑制から引き締め政策を取って来た中国が大規模な積極策に出てきた。
中国は輸出業向け税還付や金融緩和など既に緩和的であったし、大規模財政政策は噂されていた。農村戸籍政策の変更等で、都市部へ移動分の労働力を吸収する意味もあるのだろう。

米国の個人消費復活が2,3年は困難な見通しから世界景気復活の鍵は中国が握っていると私も思う。
株式市場の調整も大幅なものであった事から、消去法で世界の中から市場を選べと言うのなら中国だと考えている。 


中国が市場最大の景気刺激策
【北京=高橋哲史】中国政府は9日夜、国営の新華社を通じて2010年末までの総投資額が4兆元(約57兆円)にのぼる大規模な景気刺激策を発表した。年内にまず1000億元(約1兆5000億円)を投資する。金融危機に端を発した世界経済の低迷で、高成長を続けていた中国経済も減速感が強まっている。巨額の公共投資で内需を拡大し、比較的高い経済成長の維持を目指す。

 14、15日にワシントンで開かれる緊急首脳会合(金融サミット)には胡錦濤国家主席が出席する。サミット直前のタイミングで景気刺激策を発表した背景には、中国が率先して内需拡大策を示すことで、会議での発言力を高める狙いもあるとみられる。景気刺激策は温家宝首相の主宰で5日開いた国務院(政府)常務会議で決めた。 Nikkei

WSJより、

$5860億ドルはGDPの16%で2006年の政府・地方政府支出とほぼ同額におよぶ巨額なものだ。

ルービニ教授は「毎年2400万人が新規の労働者として参加する中国では6%以上の成長がどうしても必要だ。」と考えていたところに7%の予想で、米国と中国を2つの世界経済エンジンとして捉える上でかなり悲観的な見方をしていた。 コメントが少し楽しみなところだ。

今年に入ってバルクキャリアーの建造キャンセルは50隻、今はバルカー市況の不透明さから船主は取り敢えず修理(メインテナンス)にまわしているようで、各造船所は修理ドックが満杯なようだ。
敢えて買うなら船だろうか。乱高下覚悟が必要だ。
また本日日経朝刊が休みだが、トヨタ下方修正で日本株全体の予想PERが上昇している事に注意だ。

米国 不動産投資 住居 商業

モールやホテル、事務所など商業用不動産Commercial real estate(CRE)が低迷し始めているが、ポイントは住居用と比較してどうなのか?である。 

以下は1960年からの対GDP比のそれぞれのグラフである。
拡大
最近の住居用不動産バブルは明確に崩壊しており1982年来の水準にまで落ち込んでいる。
商業用不動産(non-residential)は3QでGDPの4%近く迄あるが、ここ2ヶ月は急速に冷え始めている。4Qのデータはかなり低いものになるだろう。 商業用のブームは90年代よりは大きいものの、S&Lの絡んだ80年代とは比較にならない程度だ。さらにここから近年好調であったエネルギー関連(power & petro)を差し引くと以下のグラフになる。


商業用不動産市場は今後低迷するであろうが、住居用のバブル崩壊程には構える必要は無い。 以上CRから。

確かにこれらのグラフを見ていると住居用と商業用はむしろ逆の相関を持つ様にも見える。
週末、電車に長い時間乗る必要があったので購入したソロスの本、「ソロスは警告する」であったが非常に参考になる事が多かった。特に米国REITバブル等は簡潔にまとまっていて、2年前にこれを読んでいればと言う内容であった。

ブログに対する意見で、NY市況等は必要が無い等ご意見があったので別のブログを立てておいた。右上にリンクを張ってある。 またついでに「Porco Rosso Amazon Store 」を作って参考書籍等並べておいたので、参考にしてほしい。
また最近calcuratedriskのサイトからの引用が多いが、先方とはメールのやり取りし、許可を頂いている。

2008年11月8日土曜日

週末雑感 ドル

週末にかけてのニュースを挙げてみる。
  1. 中国景気、下方修正 CS,UBS,ドィチェ GDP 7.5% 従来9%程度
  2. ブルーンバーグが情報公開法に基づきFEDに銀行融資の担保の開示を求めた。(1.5兆ドル)
  3. FEDのWeekly B/S 1050億ドル増加。2.075兆ドルに。年末には3兆ドルの予想も。グラフ拡大CR
  4. 米国失業統計 6.5% 14年ぶり高水準
  5. ニューヨーク市 商業不動産空室率 17.6%に、これまでの予想は13%。CR
  6. GM 最終赤字2400億円 手元資金は年内枯渇か? 
  7. 欧州金融緩和 ユーロ金利先安感で売り圧力
今週はG20によるサミットが15日から開催される。英、ユーロ、米の間でイニシアティブの取り合いが起きている。今朝の日経新聞では27カ国による首脳会議を終えたEUから規制・監督強化、IMF機能充実等が提案される。

ここ1月程モニターしてきたTED spreadやCP等の流動性を示唆する市場はいまだ正常とは言えぬまでも、極端値からは落ち着きを見せてきた。 そしてその代償が上記ニュースの2.3だ。
4.5.6のニュースはショッキングではあるが、株式市場は結構消化してしまった様にも見える。

そうした中で、本日の日経・大機小機は市場参加者の現在の気分を明確に説明していた。
つまり、ドルの信認低下が声高に言われているが、何故かドルは強いままだ、何故?、替わりとなるべきユーロがECBの中央銀行としての機能の限界を露呈したからだ。 すなわち通貨の供給や金利政策などの機能は持つが、参加国独自の規制下にある金融機関の管理監督権限、預金保護、銀行間市場の補償、公的資金の注入権限等は各国に委ねられている為、調整が困難だ。従って基軸通貨としての準備が出来ていない。7番目のニュースだ。

このブログでは、今回の金融危機を米国を中心にレバレッジにより膨らみ過ぎた信用構造の解消(デレバレッジ)に原因があるとしてきた。せっかくのお休みの日にはもう少し長いスパンで物事を捉えてみたい。 現状はドル流動性の根源である米国金融機関が、資金を出せない。世界中で決済用のドルが不足している。 しかし今回の経験で同じ間違い(ドルを基軸通貨として信頼する事)を他の国が繰り返すだろうか? ましてや、これから手をつけようとしている世界的な金融規制は産業としての金融業の収益力低下をもたらす。1980年代に米国GDPの14%を生み出していた米国金融業は2006年に23%を占めるまで膨らんでいた。 また今回信用創造の基本的な担保となっていたMBSの担保価値は不安定な見通しで、ネガティブ・エクィティの状況は続くだろう。つまり米国経済に世界中から生産物を購入してくれる消費者として、これまで通り依存する事は困難だ。

今回のサミットが非常に興味深いのは、今回実現する云々では無く、各国がドルに対してどう言う考え方をもって新しい通貨秩序を構築しようと模索しているのかと言う点だと考えている。

既知の事項は米国でレバレッジの再現は有り得ず、従って旺盛な消費が昔の水準に戻る事も無い。経常赤字の垂れ流しも暫くは無理。 しかしニュースの1番の中国の低迷を見るように、主役の交替は簡単では無く、事態の進展は意外に時間がかかるのかもしれない。でも私もどこかで米国の長期金利が上昇し、ドル安になると考えている。

2008年11月7日金曜日

081106 NY 欧州政策金利

NY Dow 8,695.79  -443.48 -4.85% 

One month chart

JPY 97.49 vs 97.83
USD Index  86.06  +1.13  +1.33%
Oil 60.72  -4.58  -7.01%
VIX 63.68  +9.12
BDI 839  +13

流動性危機関連指数 改善
これら指数は改善を見せてはいるが、その殆どがFEDの介入の力によるもので、民需の反映では無い。
しかしパニック的な状況は改善された。 景気だ。
3-Month LIBOR 2.3875% vs 2.51%
3-Month T-bill 0.37% vs 0.44%
TED spread 2.01 vs 2.07

欧州政策金利カット
BOE 4.5% to 3%  異例の1.5%、1955年以来の低水準
ECB 3.75% を3.25%   1月以内の再利下げ 0.75%も議論と追加可能性示す。

2008年11月6日木曜日

GS 失業統計予想下方修正+GM

GS
失業統計は景気切り替えしを確認する遅行指標だが、現在の状況下では市況に与える影響は大きい。
GSが10月の失業者数を-25万人から-30万人に下方修正したと昨日。これは過去20年間で最悪で、10月が最低になる補償も無いとの事。

GM
GMの幹部がここ100日が勝負との事。北米GMの社長トニー・クラークがワシントンに対してアピールしたようだ。 GMのが瓦解はOBや関連産業含めて120万人に影響を及ぼす。 GMは金曜日に決算発表予定。

ソースはCR。今日は昼間ずっと外出していたので既知かも知れない。

NY 商業不動産 

カルフォルニアやフロリダの米国住宅市場の話ばかりで、NYの不動産は金融機関の混乱に関わらず、データ的に未だ意外にしっかりしていると考えていたが、そうではなかったようだ。 値下がりは凄いぞと言う話。(11月7日夜訂正)

左軸が空室率で棒グラフ、右軸が平方フィート当りの家賃で折れ線グラフとなっている。つまり、ここからの失業者の増加が、空室率を押し上げレントの価格を下げるだろうと言うもの。
空室率は7.5%が13%に、レントは20%下がる予想。
当たり前の話だが、予測はNYC OMB 行政管理予算局

拡大

下の図は5億ドル以上の案件の取引高の合計。冷え込みが予想されている。
経済ブログCalculatedriskでは住宅と同じようにトラブルが増加すれば差し押さえによる売買で増えるのでは?と投げかけ。
ここは悲惨さだけ押さえておこう。

A Plan for Japan

Worries about the financial crisis grow in Japan
の副題でThe Economist 電子版の記事になっている。
欧米の日本経済に対する”気分”が表現されている。

日銀の政策金利低下および麻生内閣による財政面での景気刺激策は限られた制約のもとで出されたもので、今後の政策の選択が狭い事を認識する必要がある。金利水準はほとんど0であるし、財政赤字も積もっている。特にzero-interest policy(ZIRP)に関しては2001年から2006年に行われたもので、この0もしくは0に近い金利水準は日本の景気を刺激するには未だ不十分な水準である。 その他の条件が一定であるとすればこの金利、財政政策は0.5%程GDPを押し上げるかもしれないが、強い円と低迷する外需がオフセットするだろう。と言うもので目新しくは無く常識的なものだ。 ここでは2009年-0.1%,2010年0.9%と言う予測をあげている。 

いずれにせよ経済政策には制約が多く、為替と外需に振らされると言う見方で東京市場を見ていると言う事だ。本日は引け後トヨタ自動車が営業益1兆円下方修正、北米市場急減速。

ボルボを思い起こす。

盛り上がる小浜市 マケイン氏(追加)

「本国で直接お祝いを」盛り上がる小浜市    ニッカンスポーツ

 「次は本国でお祝いを」。名前の発音が同じという縁で、米大統領選の民主党オバマ候補への応援で盛り上がる福井県小浜市。5日の開票で同氏が圧勝、次期大統領就任を決めると、市内は祝福ムード一色に染まった。

 祝勝会を開いた市民の有志「オバマ候補を勝手に応援する会」はこの日、来年1月の大統領就任式に“出席”する方針を表明。フラダンスチーム「おばまガールズ」がホワイトハウスの前で踊りを披露する予定という。
以下略

[2008年11月5日23時12分]

うーん、どうだろう。 ホワイトハウスの前でフラダンス
獅子舞とか、鯖焼くとか。 ためしてガッテン「鯖焼き」

小浜市民以外の日本国民としては、フラダンスだけは何とか御勘弁願いたいが?

追記 10月7日朝
6日 平日の飲酒は制限していたのだが、人に勧められるまま飲んでしまった。酩酊状態で夜PCをONにすると、自分の米大統領選挙のコメントである。

これは自分自身で日本人の(自分の)民度の低さを露呈してしまった。 読者も昨今の自民、民主による日本の政界との格差を改めて感じてしまった事だと思う。(日本の政治の前に私の程度が低いのだが)

私はオバマ氏の勝利演説で米国国民の団結して行く姿、そしてコメントの持つ包容力や彼自身のカリスマ性に感動しながらうまく消化出来ないでいた。 

20世紀前半の大恐慌の頃、米国ではアイリッシュ系移民は未だワスプから差別されていた、プロテスタントでなければ政治家になれない(支配民族と言う意味)と言われ、今手元に無いので出典を確認できないが、相場師でも有名な元駐英大使のケネディ大統領の父、ジョセフ・ケネディが、ボストンで成功し、NYに進出、BONYを手に入れた頃、もうそろそろ頃合かとJPモルガンのオフィスを訪ねると「アイルランド人に会う用件は無い」と袖にされ、自分は無理でも息子を大統領にしようと心に決めたと言う本を読んだ事がある。 ケネディ大統領はアイルランド系(カトリック系)で初めての大統領だったのだ。

今回のオバマ氏の初めての黒人大統領誕生はサブプライムや金融危機で揺れる米国がそれでも民主主義を進化させ、多民族、多宗教の国家が経常赤字に悩みながらも、世界中の富と知識を集中させさらに発展して行く姿を想起させる。 そしてそれはマケイン氏の敗北宣言に顕著に示されている。

To congratulate him on being elected the next president of the country that we both love.
私も彼も2人とも愛する国、米国の次期大統領に、彼が選ばれた事を祝福したい。

I've always believed that America offers opportunities to all who have the industry and will to seize it. Senator Obama believes that, too.
私は常々信じている事がある、アメリカは努力する者、そしてそれを信じる者にはチャンスが与えられる。オバマ上院議員もそうであった。

Senator Obama and I have had and argued our differences, and he has prevailed. No doubt many of those differences remain.
オバマ上院議員と私は議論で敵対してきた、そして彼は勝利した。しかし我々の意見の違いはこれからも確実に残るだろう。
それでも、
These are difficult times for our country. And I pledge to him tonight to do all in my power to help him lead us through the many challenges we face.
我々の国は困難に直面している。私は我々の直面する困難に対して彼が国を導いて行く事に全身全霊手伝う事を誓う。

Whatever our differences, we are fellow Americans. And please believe me when I say no association has ever meant more to me than that.
我々の違いはどうあれ、我々はアメリカ人だ。これ以上の繋がりは無い。

この他にも、オバマ氏の祖母への追悼、黒人大統領誕生の意義等、素晴らしい演説であった。
沢山アップされているのでお勧めだ。 マケイン氏今さらながらすっかり尊敬してしまった。

また、マケイン氏が演壇から立ち去る時にかかった曲は映画「クリムソン・タイド」の主題曲であったそうだ。なんともお洒落な。 デンゼル・ワシントンとジーン・ハックマン。

081105 NY

NY Dow  9,139.27 -486.01  -5.05%

JPY  97.83 vs 99.69
USD Index 84.87  +0.32  +0.38%
Oil 64.45 -5.08  -7.20%
VIX  54.56  +6.83  再び上昇
BDI 826 +11    久しぶりのプラス

流動性危機関連指数   改善
3-Month Libor  2.51 vs 2.71
3-Month T-bill  0.44% vs 0.47%
Ted spread  2.07 vs 2.23

流動性危機一段落から、景気悪化懸念の再燃。6日18%上昇の反落。
金融が再び大きく売られた。 シティ -14%
悪材料は探し出すときりが無い。 
失業統計、15日に向けてのヘッジファンドの売り。

一般的には、オバマ氏の勝利は労働組合や自動車会社には有利だが、オイル、ガス、公共株や製薬会社には規制強化、徴税強化で不利、銀行、保険、ヘッジファンド、その他金融には業界規制の見直しが入りそうとの見通しでネガティブ。(AP)
一昨日にも解っていた事だが。

2008年11月5日水曜日

景気のまとめ

米国大統領も決まり、株式市場が反発し、ついつい追いかけ過ぎになりがちだ。 景気見通しについてまとめておく。
日米欧主要先進3地域はリセッションもしくは、ほぼ近い状態になる。 早い見通しでも来年末、IMFでは2010年末迄がイメージされている。 新興国はデカップリングを唱える声はほぼ消滅したが、中国で9%程度の成長率を見込む等、元来の高い成長率から全体の下支えになると想定される。

インフレの脅威は後退したが、新興国の需要の伸びから食料品は大きくは下落せず、原油に関しても一部で50ドルの予想はあるが、供給コストが70~80ドル程度まで上昇している事からここから大きくは下がりにくい。

今回危機の震源地となった米国住宅価格は下落は続いているものの、下落の速度自体は低下傾向に入った。現在はむしろ下落の目立たなかった商業用不動産で、価格下落がニュース化されてくる。
今回は住宅価格から金融危機に進展、金融資産のデレバレッジによる価格下落を通じ、与信機能の低下から産業セクターに波及、特に米国金融機関の機能低下が世界的なドル不足を招き、極端な流動性、決済危機に発展した。今はこれらの対策が採られ絶望的な状況から回復したところだ。

ここからイメージされているリセッションの企業収益への影響を探る展開になる。

VIX指数は株式に対するプレミアムのメーターであり、(VIXが高いとPEは低くなる:多分に気分的であるが)、バルチックドライ指数は景気のメーターとして見ていきたい。 つまり今回の戻しはVIXつまり株式投資の不確実性の低下であり、売られ過ぎの解消であると言う事。 どこまで戻すかは難しいが、VIXの水準は通常より未だかなり高い。 戻りにつくのはそう言うギャンブルと言う事。

081104 NY

NY Dow 9,625.28 +305.45 +3.28%

SP500 1,005.75 +39.45  1,000台回復
JPY 99.69 
USD Index 84.61 -1.77 -2.05%
Oil 69.92  +6.01  +9.40%  大幅上昇
VIX 47.73  -5.95  -11.08%  大幅低下
BDI 815 -12         収まりつつある

流動性危機関連指数    改善
3-Month Libor 2.71 -15  6月9日以来の水準
10月10日の4.81875%がピーク
3-Month T-Bill  0.47% vs 0.44%
FF実行レート0.22%対比で正常

Ted Spread 2.23 vs 2.39  10月10日の4.63がピーク

未だ水準は高いものの、当面の流動性危機は回避されたと考えられる。
LIBORが大きく下落した事から当面神経質に追いかける必要は無いだろう。

米国株式は14日迄にかけて10%程度の戻しか?

2008年11月4日火曜日

利回り、PER、PBR

ファクターリターンの測定方法には様々なやり方があるが、下のグラフは一番シンプルなやり方で過去1年間。
ユニバース(スクリーニングの対象になる銘柄)は東証1部で時価総額の多いトップ1000銘柄から、銀行、公共株、不動産を除外した銘柄群。これらを例えば予想配当利回りの高いものから低いものへ銘柄数だけで5等分する。つまり配当利回りの高い上位5分の1に入る銘柄(青い線)と低い5分の1の銘柄(赤い線)がプロットされている。スクリーニングは毎週末に行う。ここで時価総額に合わせて高い銘柄をロング、低い銘柄をショート同金額行うと黒い線になる。 
つまり全体相場は大幅に下落しているが、配当利回りを重視していれば少しはましであったと言う事。
現実には取引コストや借株コスト等を考慮する必要がある。

配当利回り
PERに関しては低いPERをロングして高PERをショートすると下のグラフになる。 商社や海運等景気敏感な株は低OERであった事を思いおこせば納得できると思う。 PE重視のバリュー投資は去年1年酷い目にあった事になる。10月最終週は利回り、PE共大きく切り返している。

PER
PBRは低PBR投資、ここ半年は煮え切らない動向が続いている。
PBR

ここのところの景気関連、特に中国株も指標の一つと考えれば落ち込みが酷いものであった。
落ち込みの%(勢い)が収まるだけでもこれらの指標の反応は好転しやすい。
言い方を変えれば、売られすぎは戻りやすい。 値幅調整とも言える。
バルチック指数は景気のメーターとして要注目である。

時間経過とVIX

SP500の下落率と時間経過 CR
左から1987年の「プログラム・トレーディング・クラシュ」
2008年の今回「住宅バブル・信用危機」
1973年の「石油危機」
2000年からの「ドット・コム・バブル」


ブルーンバーグの本日のチャートから、
VIX指数の状況、 1987年と今回 Big pic

1987年当時は計算のベースがOEX(SP100)
現在はSP500. 

2008年11月3日月曜日

081103 相場雑感

先週の株式市場の底打ちの要因は大きく3つあると考えている。
1. CPFFの発動が27日から始まり、事業会社の流動性危機が一応の底を打った。
2. ドイツVWのポルシェによるショート・スクイズからショート・ポジションそのものへの警戒強まり、新規のショート・ポジッションが取りづらくなった。
3.  勿論世界的な金融緩和

上記3つの要因は今週も変わらない。 CP市場も機能回復はしたものの、TEDスプレッド等も低下傾向に一服感が出ており、ここからの好転があるのか? に関わっている。
個人消費、年末商戦を前にして、クレジットカードの破綻、与信低下など個人消費を取り巻く環境は依然厳しいものがあり、今後も上方向には自ずと限界があるだろう。

大きな流れの中では、デレバレッジによる米国消費構造の転換はまだ道遠く、仮に改善が見られても、かつてのレバレッジの掛かった消費構造に逆戻りできるとは考えられず、本格反騰は未だ考えにくい。現状は大底圏確定の為のトレーディングレンジ策定の段階だ。

テクニカル等からはもう少し反発があっても良いと言う考え方も成立する水準でもあるが、どうしても神経質なトレードになるだろう。オバマ新大統領(多分)誕生で盛り上がる可能性は否定出来ないが、所詮取り合えずはメンタルな要因でしかない。 11月15日のG20に向けて今後の為替(基軸通貨等)の議論展開も考えられる事から「急いては事を仕損じる」事もある。 ここは臆病に眺めていた方が良い。

今日はLet's noteとEMOBILEのカードの組み合わせを初めて使っているが、GOOGLE MAP以外は快適だ。

081103 クレジット・カード貸し倒れ

米国クレジットカードの貸し倒れが増加している。
31日3Q決算発表した、Citiでも(-)14.4億ドル(昨年:+169百万ドル)のカード関連損失。
個人向け信用供与は悪化しており、与信範囲の制限、クレジットラインの削減等で対策しているが、カード関連の損失は2009年にも増加し、歴史的な金額になるだろうとしている。
下のグラフはクレジット・カードの貸し倒れ比率。1985年からのグラフである。FEDの発表では第2Q  5.47%を記録しており、第3Qはさらに増加しそうだ。2005年の増加は破産法改定の特殊要因。(破産が難しくなる改正前の駆け込み)

2008年11月2日日曜日

米国大統領選挙

期日前投票を済ませた有権者は1600万人、59%がオバマ氏に投票したとされる。(ワシントンポスト+ABC) 現状の予想はオバマ氏で、上下院で民主党優勢。投票は4日、日本時間5日。 経済手腕への期待から指示を広げてきたオバマ氏。 相場には取り敢えず”吉”と出るだろう。
事前調査では優位であるが、心配されるのが「ブラッドリー効果」、1982年のカリフォルニア知事選で事前調査に関わらず、黒人候補が敗れた事例。 直前で白人層が黒人候補を忌避すると言うもの。今回は無いだろうと言われている。
むしろ今回注目は、選挙後の11月15日からのG20.

081031 NY 時価総額 消失

NY Dow 9,325.01 +946.06 +11.29% 5days NYT

US Key Rate FFが1%に。 1年分

為替 円ドル 98.48  92円から99円レベルに。5日分

Light sweet crude 67.59 

流動性危機関連  - やや好転
3-Month T-bill 0.42 vs 0.48
3-Month Libor 3.03 -0.16
Ted Spread 2.60 vs 2.79

VIX 59.89 -3.01
BDI  851 -34

  • 1974年以降最大の週間上げ
  • 10月全体では17%安、1987年以来
  • JPモルガン住宅差し押さえ90日見送り好感
  • LIBOR低下好感
  • マカオ・カジノ好調 ウィン・リゾート30%高
世界の株式市場では10月には9兆5000億ドル(約1000兆円)の時価総額が消失。

081031 TKY

10月最終週 1週間分  NYT
日経225 8,576.98 +927.9 +12.13%

ハンセン 13,968.67 +1,350.29 +10.70%

上海総合 1,728.786 -110.84 -6.02%