2008年11月12日水曜日

秋サバに思う


鯖(サバ)は好物である。焼き鯖や鯖味噌定食は庶民的だが、京都「いづう」の鯖寿司は京都駅新幹線改札内で販売するようになって以前に比べて便利で美味しいのだが、とても高価な食べ物だ。

鯖について実は以前から気になっていた事がある。 3年程前の事だろうか、米子駅での事だ、ここは漁港・境港が近いので当然海産物も名物なのである。その名物として鯖の干物が販売されていたので、販売員の女性に「ここは良い鯖が穫れるの?」と聞いたのだ。すると「ノルウェー産です、こちらの方が脂がのっているのですよ」との答えであった。でも境港のお土産でしょう? 加工地は境港なのだろうけれど。

以前のブログにも書いておいたが、先日福井県小浜に行った際にも、名だたる鯖料理の名所であるべき小浜の”鯖の浜焼き”の現場に、あろう事か「国産とは限りません、ノルウェー産の場合もあります」と掲示があった。 また、夜の小浜の小料理屋で鯖の塩焼きを注文した時も、地元の鯖ですかと聞いたら「地物ならこの大きさでこの値段では出せない」との事。一体全体、日本の庶民の味であるべき鯖はどうなっているんだ?日本中どこでも釣れるのじゃなかったのか?

 その時の理解は、あたかもタスマニア産のそば粉のように、日本が旬では無い時、輸入物を使うのではないだろうかとも思ったのだが、よくよく考えてみると、タスマニアは南半球だが、ノルウェーは北半球であって、調べてみるとどちらも鯖の旬は秋ではないか。どうやらこの問題は根が深そうだ。 

関東のスーパーで大きめの鯖の干物を見ると、加工地が小田原で原産地ノルウェーは普通だ。 日本の鯖は"関さば"と"いづう"だけなのか? 超高級なのか?

日本では鯖はもう取れないのだろうか? 実は鯖の漁獲量は変動はあるものの、大体年間30万トンから60万トンで、ノルウェーからの輸入量は5万トン程度だそうだ。

石油など資源の無いノルウェーでは最初から高値で買ってくれる日本国築地市場に焦点を絞り、小型のサバは狙わず、一番高い時期に一番番高く売れる物しか狙わないのだそうだ。  ノルウェーでは鮮魚として販売できる2歳以上の鯖は漁獲量の81%、つまり小さい鯖は乱獲せずに、育てて待つと言う事だ。 一方で日本は2歳以上の鯖は全漁獲量の18%。 残りの80%、2歳以下の鯖は飼料として中国に輸出されたり缶詰用にするそうだ。 漁業関係者にはまたそれなりの理由があるのだろうがこれだけの水産資源を何と勿体ないと思わずにはいられない。

鯖の年齢と固体単価

鯖の年齢別漁獲尾数
ノルウェーと日本の漁獲物の年齢組成
これは行政の問題だと思うが、日本の漁業は補助金等は手厚く、ノルウェー漁業には補助金は殆ど無い。この鯖、誰が見てもやり方があるのではと思うだろう。 この分野で科学的アプローチで挑戦されている方がブログを書いてらっしゃる。読み応えがある。鮨屋で薀蓄する前に読んでおいて損は無い。

因みにノルウェーのサバ漁師の平均年収は約2000万円だそうだ。

勝川俊雄 公式ウェブサイト。グラフ類はこのサイトから勝手に拝借しております。

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