2009年1月5日月曜日

世代間保障の設計


今朝の日経経済教室はスタンフォードの青木昌彦教授で”「多様性の利益」で課題解決”と言うテーマだ。内容は下図(日経、27面)のように世界は国別に多様化・多極化したアジェンダ(課題)に直面しており、相互依存の重要性は一段と高まる。 人間的要素重要視され、競争は量から質の時代に入ると言うもの。 詳しくは読まれれば良い。

ここで日本のアジェンダ(課題)は「世代間保障の設計」とある。 年金問題等で混迷を極めている日本としては当然とアジェンダとして軽くは受け流せない。本文にも「人口、経済社会構造の変化に応じた世代間の関係を、コミュニティーとして再構築しえていないことから生じる「不安」の解決だろう。」そしてこの課題は政治的にアジェンダにすら取り上げられていない事を指摘している。

マスコミではあまり話題にならないが経済ブログではよく取り上げられる、世代会計と言うツールにもう一度注目する必要があるだろう。  簡単に言えば世代別に政府に対していくら支払い、いくら受け取るか(生涯純受益)と言う損得の話である。 ネット以上には調べていないが、これらの単語を検索すると2003年当時の政府試算のデータばかりが目立ち、それ以降の物は何故か目立たない。

2001年の受益水準をベースに試算されたデータ(財務省)によると1942年以前に生まれた世代は+5647万円で、1983年以降に生まれた世代は-3952万円と1億円近い差額が生じている。 少子化問題も経済的な側面からも考察しなければ、生まれながらに住宅ローン並のマイナスを背負った子供を産む事になってしまう。 今は財政タカ派(老人が多い)が消費税の増税によってその場凌ぎで塗糊しようとしているが、問題の核心はそこには無い。そもそもデータの開示が足りない。

また世代間問題はこれだけに留まらない。 この正月「この国を作り変えよう」松本大・富山和彦共著を読んだが、ここでは「若者の所得を収奪するのは団塊世代である」と厳しく指摘がある。
既得権益者の多くが高年齢者であり、選挙もここをターゲットに成される。 損得+のこの世代は投票率が高いが、損得-の若い世代は投票率が低く、都市、地方間の一票の格差も相まって、いつまでたっても現行の選挙制度では解決のめどは立たない。 直近の非正規労働者の問題も正規労働者の既得権益とトレードオフだ。 この本ではかなり過激に発言があるが、当然の事を言っているだけだ。

少なくとも最近のデータを提示し、せめて国民のアジェンダとして取り上げる政治家の集団は現れないものだろうか。 日本の潜在成長率ひいては株式市場のパーフォーマンス、今後の日本の国力全てに大きく影響してくる。

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