2009年1月13日火曜日

コンパクトシティ


コンパクトシティとは、無秩序に拡大した都市を、暮らし良いようにコンパクトに街作りをし直す都市設計の動きやコンセプトを意味する。 今日はこの講演を聞かせて頂いた。

4,5年前地方金融機関を訪問している時、ドーナッツ化現象とバキューム現象と言う話をよく聞かされた。

ドーナッツ化現象は良く知られている通り、地方都市の郊外に大型店舗が出来、車で住民がアクセスし、従来の駅前商店街等が流行らなくなり、シャッター通り(つぶれてシャッターの降りた店ばかり)になってしまう現象だ。市街地がさびれ周辺がドーナッツのように栄える状態だ。 

またバキューム現象は地方の、例えば東北なら山形市。 高速道路が繋がった事により1時間、900円で仙台市の繁華街にアクセスが可能になり、買い物客が吸い取られ山形市内の百貨店がさびれると言うような現象だ。 別に山形市に限らず人口が10万人を超える地方都市なら昔は必ずあった百貨店がドーナッツとバキュームで閉店に追いやられ市民コミュニティーセンターとかその手の建物に変わったのをご存知だろう。

また長野市では新幹線開通後、東京へのアクセスが簡単になり、(午前中に行って一仕事して昼までに帰ってこれる)事業会社の支店・支所が閉鎖になり、オフィス街は閑散、ビジネスホテルだけが流行ると言うような事が起こっているそうだ。 長崎新幹線も良いが福岡の求心力から考えて安易に事を運ぶと地元の就業機会が大きく減少する事になりかねない。

今日の話は、高齢化がドーナッツ現象を解消すると言う話だ。 車に依存する地方都市では、高齢化、核家族化に伴って75歳も超えると自動車の運転が出来なくなる。 従ってショッピング・モールまで出てお買い物ともいかなくなるので、まちなかに引っ越してくる状況がおこる。 こうした高齢者を受け入れやすくする為に、バスや路面電車(米国では復活している。)などアクセスが容易なように都市設計を考え直すと言うもので、実際にも地方都市で結構進展が見られるようだ。

また2006年に改正のあった「まちづくり三法」では実質的に郊外大型店舗が作られなくなり、中心市街地活性化を狙ったものとなっている。  

2005年時点で農家は2857万戸だが、そのうち農業を主たる所得源とし、65歳未満の専従者のいる農家は37万戸しかいないそうで、日本の農業は零細農家が多く生産性も低いと言われるが、それは多くの農家が農地を純粋に耕作目的で使っているのではなく、転用(商業施設や公共施設・道路などの建設のために買収されること)によりもたらされる利益に期待して農地保有に固執していることに原因があると言われている。  (サントリー学芸賞を受けた 「日本の食と農 危機の本質」 神門善久 NTT出版に詳しい。)

まちづくり三法ではこうした転用期待が薄まる為、また高齢化等により、土地を手放しやすくし、農地を集約できるチャンスとなるのではないかとのお話が今日の講演会でした。

株屋としては、コンパクトシティにまつわるビジネスチャンスもあるだろうが、自動車の長期の国内販売と言うものに思いを馳せない訳にはいかなかった。

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