2009年2月28日土曜日

国有化 言葉の遊び


米国の銀行が国有化する、しないで一喜一憂するのはもう止めたほうが良い。
もともとシティの株価を見れば一目瞭然だけど、米国政府のバックアップ無しでは、シティの信用は成り立たない。

昨日のNY市場で、シティに対する政府の優先株による出資分450億ドルのうち、250億ドルが普通株に転換され、既存株式の希薄化が発生した為、シティは大きく下げた。正確に言うと優先株・トラスト型優先証券最大275億ドルで転換価格は3.25ドルだ。

これによるシティのメリットは有形株主資本が4Qの297億ドルから810億ドルに増える。

左のグラフは英エコノミストからだが、Tier1の中のEquity tier-one ratioが増加する。

優先株の配当は停止しても、停止した分の配当金は累積して計算され後程、支払う必要があるが、普通株ならば別に無配って事で済んでしまう。

実質的に新たな資本注入を行なう必要が無い。

従って実際には資本が増えた訳では無い。

バーナンキ連銀、オバマ政権とも銀行の国有化には否定的だが、実質は国有化と同じ状態に近づいているから「国有化議論」にはもう意味は無い。

一番上の金融各社の株価比較を見ても株価水準は綺麗に2分化されている。

後はストレステストの結果待ちだ。 金融部門では時価総額が既に低い為、指数自体の暴落の要因にはなりにくい。

2009年2月25日水曜日

銀行国有化 ミステリアス・プラン


昨日のNY市場のコメントを見ると、バーナンキ連銀総裁の銀行国有化否定が大きな材料となっている。


これとは別に議長発言はニュースになっているが、上記の国有化の件は日本語化されていない。

2009年 02月 25日 01:49 JST 

国有化否定に関する実際のニュースは、英文ではあるが、日本語では出ていない。(少なくとも私のリーダーの中には無いだけで見落としているのかも知れない。)

Last Updated: February 24, 2009 17:06 EST

別に日本語のニュースが無い事に文句を言っているのでは無い。
バーナンキ議長の国有化否定発言の中身のほうの問題だ。

もしストレステスト(今週から始めた)からキャピタルが必要ならば、財務省は19の大銀行の転換権付き優先株(以下優先株)を購入し、異常な損失が出るようなら、それらを普通株に転換する。 と語っている。

これは直感でも変だ。現在は資産価値が下落し、債務がこれを上回っている状態だ。 だから市場はこれを読み、シティやバンカメの株価は数ドルの価格しか与えられていない。 第一、優先株が普通株に転換したとしても、債務超過には関係ない。 従って国有化はイヤだ。と発言したに過ぎない。 今のところ。

クルーグマンもNYTのOpinionで同様の事を書いている。calculated riskもこれを扱っている。

連銀総裁の発言でもミステリアスな物はミステリアスだ。 これは銀行のゾンビ化だ。

追記:

2009年2月24日火曜日

090223 NY市場


米国市場は12年ぶりの安値。
AIGは商業用不動産をはじめとする評価損で600億ドル近い損失(CNBC)政府とはDESの話もあるが、弁護士事務所は破綻準備。
昨日は政府によるシティ株取得で一旦強気に転じたものの、解決には不十分との認識。もともとシティ筋では今日明日の発表(CNBC)との話だったが、政府がストレステストに入ろうと言う段階だと私は理解している。ホワイトハウスは昨日も「政府が監督し民間が運営する銀行システムが依然として最良」と発表しているが。


日本よりアカデミズムが世論に近い米国経済では。経済学者はこれ以上の財政刺激策は効果が無いばかりか後に悪影響を及ぼすとの考え方が主流。  対処療法に市場が良い反応を示さなくなってきた。 オバマ擁護の色彩強かったクルーグマンも主流に同調。 市場では方策が尽き始めたと見始めた。オバマ大統領は昨日財政責任サミットで「財政赤字の急増に取り組む必要があり、さもなければ将来的に再び経済危機に見舞われる事になる」との認識を示している。

今の株式市場に参加する必要は無いと思うが、財政出動への認識等が整いつつあるので、銀行問題も部分国有化、名前の違う国有化で落ち着けば反転に入ると思う。  ただストラテジスト達の一旦3月高値的な見方はやはり逆に動いており「楽観へのバイアス」まだ強い。


次の弱気のテーマは米国債だろう。

4大弱気相場  CR

アカデミー賞 松竹


「おくりびと」が目出度く第81回アカデミー賞外国映画賞を日本映画で初めて受賞した。いきおいで松竹の株は15%も上昇したが明るいニュースだ。 この映画は公開初日に見たけれど、涙腺が止まらない素晴らしい映画だった。 ここで使われている納棺師の事務所の建物は僕の好きなブログ「古今東西風俗散歩」で取り上げられていたので、このブロガーはロケハンの人かなと実は疑っている。

しかしながらインド(ボリウッド)とハリウッドの合作「スラムドッグ」が最優秀作品賞以下8部門を獲得したのは、これは凄い快挙だ。 元々映画好きなインドの方々、現地は大騒ぎらしい。 ボリウッドはムンバイの旧称ボンベイ+ハリウッドの造語だが、年間1000本の映画を製作しているそうで、何しろ人口が11億人もおり、貧困から脱出しつつあるので、今後の成長には大きな期待がかかっている。 フォーブスの試算では年率15%の成長が見込めるそうだ。 

インド映画は休憩を間にはさんで3時間と長いものが多く、かつての「たぬき御殿」や裕次郎映画よろしく途中で歌や踊りがはいる決まりがあるようで、言語もヒンディー語がほとんどだが、元々英語が使われているので、世界市場向けに、こういった傾向も今後は変わっていくのだろう。  最近読んだ「アメリカ後の世界」のファリード・ザガリアも本文で熱く語っていた。

今回のアカデミー賞は「アメリカ後の世界」を暗示しているのかもしれないね。

2009年2月23日月曜日

読書タイム

以前はブルーンバーグとクィックとネットではロイターや日経のHPは見ていると言うよりも殆ど張り付いていたが、ブログに注目するようになって随分情報収集の方法が変わった。勿論注目書籍等には目を通していたつもりだったが、何かと抜けが多かった事に気付かされた。 これはコミュニティーの狭さもあるが、ある意味同じような環境で同じような経験をしてきた人間にとって、似たような人間との付き合いが増えてしまう事が一番大きい。

今は池田信夫ブログのお勧めになるままに読んできたが、ここに来てやっ
と最近ご紹介の本までたどり着いた。

私の場合本自体にはメモを取らず付箋にキーワードを書いて貼り付けるやり方だが、読後に付箋の分量で新しく得た情報量が分かる。
なぜ世界は不況に陥ったのか 集中講義・金融危機と経済学は付箋もおおく、池田ブログを読む為のガイドブック的な色彩があるが、考え方の整理には効果がある。 副次的に東大の林文夫教授のコモディティのレポート等にもアクセスできて有りがたかった。 商品と株式の相関関係が乱れた今でも実務上とても参考になる。

市場の変相は付箋の数が物凄く多かった(物を知らないことを告白しているようで恥ずかしいが)。またPIMCOのHPは日本語サイトも含めて質の高い情報を提供してくれている。 副次的にDVD「アマデウス」を購入する事になってしまった。

ネット上ではともかく不評な資本主義はなぜ自壊したのか 「日本」再生への提言は付箋は少なく年寄り染みてはいるが、終盤で「ベーシック・インカム」を提唱するなど、やはり読んでおいて損は無いと思う。 「ベーシック・インカム」やフリードマンの「負の所得税」あたりが本格的に議論されなければ日本人は幸福になれないと思う。

2009年2月22日日曜日

Merrell



メレルと言ってもメリル・リンチでは無い。
トレッキング・シューズの話。

登山靴は相性が良いのでずっとドイツ製のLOWAを使ってきた。 登山靴は担ぐ荷物の重量に併せて靴底が堅くなるのだが、私の場合トレッキングからブーツ、防水の雪用までLOWAにしている。 尤も最近はトレッキングシューズをタウン用に履くだけでその他はお蔵入りになってるけど。


7年前に買ったのが初代で、3年程でダメになって、そのとき同じ物を2代目として神保町のさかいやスポーツの在庫処分セールで買ったのだが、LOWAが日本の高湿度に合わないのか指の付け根あたりの縫い目がほどけでパックリと開いてしまった。初代と同じ壊れ方。

今日好日山荘に行ってやっぱりLOWAと思ったのだけど3万円するし、躊躇していたら、店員さんがメレル・フリークで強烈に勧めるのでメレルを購入した。

左に並んでいるトレード・マーク達はこの靴に使用されて
いる素材達なんだけれど、vibramって言う黄色いマークは靴底の素材では無く靴底そのもので、イタリアで作られている。

実はLOWAもそうだし、一定の価格を上回る殆どの登山靴はドイツ製だろうが、フランス、アメリカ製(?)だろうが日本のトップ・ブランド、キャラバンシューズでもvibramのソールを使用している。あらゆるスポーツ用品を作っているミズノだけは、vibramを使用してないが、高額(高機能)商品は販売していない。 だからほぼ独占になっている。 従ってソールは皆同じで上物だけが違うと言う事だ。車で言えばタイヤは世界中全てイタリア製と言う事になる。

今日買ったメレルは米国はユタ州だが、もちろんmade in China。

米ソ冷戦終結以降、旧ソ連海軍の原子力潜水艦に使用されていたチタンが大量に出回り、ゴルフのドライバーなんかも格安のチタン製が登場して、良く冗談で、ガイガーカウンターを近づけると反応するなんて言っていたけれど、登山用品も軽量化でなんでもチタンが素材に使われるようになってきた。

食料と水だけは軽量化できないので、その他は出来るだけ軽くするに限る。 ピッケルもチタン製で軽くなったが、重さが無いとなんだか頼りない。情けない感じがする。 ゴアテックスと言う繊維も軍用ハイテクのたまものだ。 従って登山の装備はかなりハイテクなものなのだ。

ちなみにビジネス・シューズはasics(アシックス)のランウォーク。ジョッキングシューズ並みの速さで走れる。 走って何をするのかと言うのは勿論別議論だ。

CRにTARPを題材にした面白い写真が載っていた。TARP(CR)

2009年2月20日金曜日

Sayonara

今更と言う感じもあるが、今回の中川元財務大臣に関してどういう記事がEconomistに載るかと思っていたら、思っていたような記事だった。英国にばかにされるのもどうかと思うが、政治に関しては辛辣だ。

Japan's crashing economy
Both politics and the economy flounder

flounderは平目だが、動詞では「もがく」とか「あがく」とかの意味だ。因みに舌ひらめはドーバー産ならDover sole.

中身は日本での報道と同じで小泉元首相の「笑っちゃう」も取り上げている。現在12.6兆円の経済刺激策を推進しようとして
いる訳だが、これでは不足で30兆円の追加刺激策も予算通過後に策定したいと思っているがほど遠いと告げている。

これに対して選挙で政権交代を果たしそうな民主党も今回の景気不振に取り組むには良い政策を持っているわけでは無いと。  以上。


結局、与謝野さんが旧大蔵3部門を兼務、財務省に力が集結。 ただ今回の中川さんへのエスコートを見るとどこまで入れ込んでいるかは不明瞭。

自民も麻生首相後任選出は難航しそうな情勢だ。選挙の時だけ改革派について、終了したら全然違うポリシーの老獪な政治家が、結局選挙民の意思と違う政治と言うフラストレーションを起こさせているように思う。 安倍内閣で郵政反対派を復党させたあたりから歯車が噛み合わなくなったのでは? 自民党も割れるならちゃんと政策と言うより理念で割れて貰わないと投票のしようが無い。 これは民主も同じか。

世界に恥をさらしているのは、中川さんの醜態だけでなく、政治全般ではないのか?




2009年2月19日木曜日

インキュベーション in NY city


アルコール依存症気味の閣僚の失態から政局は一見大きく動こうとしているようにも見える。緊急対策の必要性は充分に分るとして、日本に必要なのはワールドカップに惨敗したチームを立て直すがごとく世代間格差(チームの若返り)や教育のあり方(若手有望選手の育成)等グランドデザインを策定し直し、今後はこれで行きますと国民に問う事だろう。

その間にも世界は無慈悲に、まるで猛禽類が獲物を狙うが如く冷徹に時を刻んで行く。
IMFは世界経済成長率見通しを再度下方修正する。今年の世界経済成長率は11月には2.2.%の見通しだったが、1月には第2次大戦後最低の0.5%に下方修正、今回は0に近づくとしている。世界の成長が止まる。

レッセフェール(自由放任主義)の信奉者、前FRB長官のグリーンスパン氏は一部銀行の国有化は必要との見解を出した。 現在の市場の混沌の最初の出口は米国銀行システムの行方、国有化がきっかけにならざるを得ないだろう。 たとえそれが一時的な処方箋であっても。

そんな中、ブルムバーグの創始者である、ブルムバーグNY市長は、今回の金融危機で職を失った金融機関の人材をNY市に留める為に、支援プログラムを策定すべく政府に45億ドルの支出を求めている。 他の様々なプランと比較すると金額は驚くほど小さいが、元々人間が資本の産業であるからこの金額で充分とも言える訳だ。 別に資金繰りに困っている中小企業を支援するのでは無く、これはインキュベーションで、オフィス・スペース等も格安なサプライが考慮されている。

いずれこの産業が戻って来た時に中心になるのはNYで無ければならない。日本でも結構様々な中小企業支援プログラムがあるが、区役所に行って業種は金融ですと言うと窓口も用意してくれないだろう。

090219 画面が出ない

ブログに色々と詰め込んだせいか「はっぴいえんど」の投稿の画面が上手く出ない事もあるようです。
左側のブログアーカイブの2009をクリックすると出ます。

この投稿で画面が出るようになりました。

ブルームバーグのコラムニスト セペック氏

2009年2月18日水曜日

はっぴいえんど と CDS



一昨年キリンラガー・ビールのCMでユーミンが卒業写真を歌うってのがあったけど。そのときのバックバンドの素敵なギターが鈴木茂。 荒井由美とオールドフレンズってバンドだった。 少し前までキリンのWEBで公開してたように思うが、今は無い。 57歳になって何で大麻なんかやるんだろう。

それで見つけたのがこれ、高中正義の影で地味にボトルネックを弾いている。
右のギタリストが高中正義で左が鈴木茂。


高中正義と言えば、昔、フライド・エッグと言うバンドでベースを弾いていた。このバンド、ドラムが「つのだひろ」、ギターは「成毛滋」で、はっぴいえんどなんかと並んで「ギター小僧」には神様だった。 そう言えばギター小僧なんて言葉も未だなかったよな。 日比谷の野音には良く見に行ったが、会場はガラガラだった。

ご存知の方も多いとは思うけれどその成毛滋も一昨年に亡くなられた。 昔は髪の毛が肩より長くあって、多分ジミー・ペイジの真似してたんだと思う。 You-Tubeでは彼のギター教室が多数アップされている。


凄い人でしょ。
でも何か悲しいニュースでした。


おお、もう少しで金融ブログじゃ無くなるところでした。

日本の5年物ソブリン債のCDS(120.70)がUSソブリン債のCDS(94.00)を上回ってきたそうだ。
つまりアメリカより日本の方がヤバイと思い始めたと言う意味だ。
GDPと3月期末要因なら良いけど。 もうひとつ気になる大臣がいましたね。


では。

2009年2月17日火曜日

気長な話


米国のバッド・バンク問題も資本主義の総本山として国有化(nationalization)と言うwordが嫌気されているようなので、Pre-privatizationはどうでしょう。とマンキュー教授のブログにもあったが、想定される救済規模の大きさからガイトナーも数字をすぐには提示できなかったようだ。 いずれ形はどうあれ終わりの無い物語はそうそう無いので。国有化と呼ばない国有化で決着すると考えております。

ブルンバーグでバルチック海運指数:年初来で147%上昇-資源国通貨の高騰示唆かと言う記事が出ていました。これは私の市況ブログのほうでもウォッチしていますが、資源価格と資源国通貨上昇の前触れと言う記事です。 バルチック指数は別の要因でも大きくブレますのでまあそれは記事を見て頂いておくとして、下のグラフです。
GSCIの工業金属(銅とかアルミ)の指数と上海、日経、インド、ハンセンと指数を並べてみました。
しかも日本株に一番有利なように2003年の4月をスタートラインにしています。


そして下のグラフは為替を無視した単純な指数のリターンです。
6年複利で年率に直すと工業金属で6.66%、上海で7.5%、インドは20.5%リターンが出ていました。
途中のリターンが高すぎて、皆下がってしまって大変だ。とも思いますが、ピンポイントで無く、ここらあたり、と言う考え方では、成長なくしてリターン無しと言うところでしょう。

目にしているのは長い時間のほんの一コマ。


2009年2月16日月曜日

至近距離から鉄砲玉


古賀氏「至近距離から鉄砲玉」  首相批判の小泉氏発言に反発
自民党の古賀誠選対委員長は16日、小泉純一郎元首相による麻生太郎首相批判について「『真っ正面から鉄砲を撃っている』と言っているが、そうおっしゃる方は至近距離から(麻生首相に)鉄砲玉を撃った。私たちはたまったものではない」と反発した。名古屋市内での古賀派衆院議員のパーティーで語った。
また、実質国内総生産(GDP)の大幅減に関して、党内が結束して2008年度第2次補正予算関連法案と09年度予算案を早期に成立させる必要性を強調した。
2009/02/16 13:58   【共同通信】

すごい発言ですね、共同通信ですからね。まさに派閥抗争。抗争の文字が似つかわしくなってきましたね。誤訳されて海外で実際に発砲し合っていると報道されないと良いですね。

 「以前は後ろから発砲する事はあっても、真正面から鉄砲を撃たなかったろう」と。小泉元首相。 それを受けて「(俺らは遠くから撃っただけだろう。おまえらは)至近距離から鉄砲玉を撃った。私達はたまったものではない」と古賀さん。(   )は想像

昔の東映映画でいくと若いものを煽っているのですかね。 若いものはもう動かんでしょ。小選挙区化によって派閥の求心力が低下し(自民党から1人しか候補者が出ないから派閥の長で無く、党から資金を貰えば良い。)派閥へのご恩、ご奉公の関係が崩れた以上、派閥のガバナンスは低下してしまった。党自体のガバナンスの低下はとうとう内戦状態にまで発展した。ひょとすると財務大臣はこれを憂いで深酒してしまったのかもしれない。

市街地での銃撃戦は市民に迷惑がかかるので、早く選挙して下さい。本日発表のGDPは前期比(-)12.7%。サプライズ無し。 2009年の実質GDPは仮に四半期成長率が1年間横ばいでも3%以上のマイナスになるそうだ。因みに現時点で想定される財政出動規模は12兆円。

追記:
中川財務・金融相は16日午後の衆院財務金融委員会で、主要7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)後の記者会見でもうろうとした状態でかみ合わないやりとりを繰り返した問題について「若干風邪を引いておりまして、風邪薬を普段より多めに飲んだ」と釈明した。飲酒による泥酔との指摘には、中川氏は「飲んだのと、たしなむのは意味が違う。飲んだのを『ごっくん』ということであれば、『ごっくん』はしていない」と飲酒疑惑を否定した。 asahi.com

財務相と一緒に記者会見に出席していた白川方明・日本銀行総裁は「慎重に言葉を選びながらお考えを述べられ、少しお疲れかなという感じも受けた」と述べて財務相をかばった。asahi.com
中央銀行は未だ大丈夫なようだ。

追記2:
中川昭一財務相兼金融担当相が先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)閉幕後、ろれつが回らない状態で記者会見した問題で、自民党幹部から16日、「世界に恥をさらしてくれた」として、中川氏の辞任を求める声が上がった。
 中川氏は16日の衆院財務金融委員会で「ああいう形で映像、発言が世界に報じられ、国会はもとより国民に大変申し訳ない。深く反省している」と謝罪する一方、「深酒」が原因との見方をあらためて否定した。ただ、中川氏の行為は日本の国際的な信用にかかわりかねず、麻生太郎首相が最終判断を迫られる展開も予想される。
 自民党幹部は共同通信の取材に「会見には世界各国の記者がいた。どうしようもない。自ら腹を切るべきだ。1日でも早い方がいい」と述べ、早期に辞任すべきだとの考えを強調した。共同



2009年2月15日日曜日

週末雑感 090215


今朝のテレビは麻生首相に対する小泉発言一色。 それに簡保の宿だ。
オリックスの入札問題で気勢を上げる鳩山総務大臣へのインタビューでは、簡保の宿は稼働率75%もあり、利用者は多い、こんな良い物。。。と仰っていたが、そもそも官業(未だ政府が100%株式を保有)が年間40~50億円も赤字を出しながら安い価格設定でホテル業を運営している事自体、民業圧迫では無いのか? 入札の過程で怪しい事があるならば、それは別件だ。 メリル・リンチへのアドバイス・フィーの6億円が高いのか安いのか正直分からないが、メリルに決定した理由も明確に示せば良い事だ。 問題の本質は何故こんな採算の悪い物を作ったのか? 役所がやっているので相変わらず責任の所在は郵政と言う漠然とした主体ですっきりしない。 今民営化を元に戻す力が働いているように見受けるが、透けて見えるのは利権構造の復活だけだ。 


今週の日経ビジネスはサブタイトルに「中国・インド経済最前線 -2極化する新興市場」がテーマだ。
昨年12月30日からの原指数の戻しでは中国が目立って大きいが、中国は今回の危機以前に国内のバブル退治に入っていたから下げも一方的な分、下げからの戻しの%も高くなりがちだ。
残念ながら日本は一番悪い。


中国株がピークを打った2007年10月からの比較

中国は沿岸部と内陸部の2極。 インドでは欧米金融機関の撤退に伴うローンを基本とする高額商品は不調だが、消費ブームは続いている。 英語圏からのIT系アウトソース(バックオフィス等)ビジネスは米国企業のコスト削減努力から好調を維持できそう。 デカップリング論は影を潜めたが、結局は成長の無い国での株式は上がらない。

人口の減る日本は他の国に同調した同じような施策では相対的な国力が低下するのは必然だ。経済成長を目指さずに幸せ度合いを追い求めるなら、それはそれで目標を明確にすれば良い。 ずるずると落ちて行くのは国民のフラストレーションが溜まるだけだ。

2009年2月14日土曜日

アメリカ後の世界


昨年6月頃からNewsWeek等で特集記事が組まれるなど話題になっていたアメリカ後の世界を読んだ。

著者ファリード・ザカリアは1980年代にインド工科大学を卒業、当時の卒業生の75%がそうするように、米国に移住し、ハーバードで博士号を取得し、ジャーナリストとなり、現在はニューズウィーク誌の国際版の編集長。

国際政治の専門家が正統的な視点から分かり易く解きほぐした米国の国際社会における現状認識と歴史的過程の本で、米国でベストセラーとなった事は容易に理解できる。 本の内容はタイトルが良く整理されているので、そのままだ。



1.「アメリカ以外のすべての国」の台頭
2.地球規模の権力シフトが始まった
3.「非西洋」と「西洋」が混じり合う新しい世界
4.中国は”非対称的な超大国”の道をゆく
5.民主主義という宿命を背負うインド
6.アメリカはこのまま没落するのか
7.アメリカは自らをグローバル化できるか

インド移民の成功者としてのバイアスは通常の物よりコンテンツをインド、英国に割く分量が多い事に感じられるが、読者にとってはインドの現状がコンパクトに纏められこの本の付加価値が高まっていると思える。 またアイ・ポイントが我々日本人にも近い印象を持てるのもこの本の理解を容易にしている。

中でも移民問題では、米国の白人層の出生率は欧州並みに低いが移民が成長を維持できる出生率を担っている事だけでは無く、イノベーションにおけるアメリカの優位性もその産物であると説明する。 米国で勤務する科学研究者の50%は外国人もしくは移民、2006年には科学博士と工学博士の40%、コンピューター科学博士の65%が外国人もしくは移民だったそうだ。さらに2010年にはすべての分野の博士課程で外国人学生が50%を超え、科学の分野では75%に近づくと予想されている。

日本では「環境関連技術に強いから、これからは日本の時代」と言うような意見もあるが、米国のナノテクノロジー、バイオテクノロジーでの優位性や優秀な外国人への開放性等どちらがイノベーションを起こし安い環境にあるかは歴然だろう。 米国の今後はブシュ・ジュニア時代に後退した正統性(正義が感じられるかどうか)の回復とオープンな環境の維持と言う点で今後も繁栄を続けるだろう。 そう言う意味で、米国覇権の終焉では無く、アメリカ以外の国の台頭なのだ。

この本は至る所に少し調べてみたい事項等が頻繁に登場するので、ネットにアクセスできる環境で読む事をお勧めする。御蔭でアマゾンで別の本を3冊程購入する事になってしまったが、そちらはまた紹介します。


2009年2月12日木曜日

怒ると言うより笑っちゃう


麻生首相発言の混迷ぶりにとうとう小泉元首相が登場して、「後ろから弾を撃ってくると言うより、こっちを向いて撃ってきている」、「怒ると言うより笑っちゃう」とまで言わしめた。現在の衆院圧倒的有利の状況を郵政民営化で作った人の発言だけに、少なくとも麻生内閣で選挙を戦うとか言う状況では完全に無くなった。

「派遣切り」にかこつけて改革路線の修正とか言っているが、本当にそれが民意なのか?と言う疑問を私は持ってる。 自民の支持率は凋落しているが、他の政党も強いと言う訳でもなく、強いのはオバマ大統領だけだ。 麻生内閣の支持率とオバマ大統領の支持率をたすと100%になるとか言うジョークも出回っているが、笑えたものではない。

では麻生首相の替わりに誰を顔にして選挙を戦うか?となると、派閥首領の顔を見渡しても誰もいない。
策に窮して、小池+石原、どうせ難しい「景気対策」は2番手にして「霞ヶ関改革」あたりを金看板にすれば、結構あっさり自民大勝になるかもしれない。 派閥首領がずるずると付いてはくるだろうけど。なんて想像もしてしまう。

小沢代表は選挙に勝つ事が目的で、首相になる気は無いと言う話は実しやかに言われている。それであればマニュフェストは取り合えず置いて、猟官運動防止の為地下工作になっているとか言う閣僚人事までは要らないから首相は誰にするつもりか知りたい。でもそれでは、民意で選ばれた内閣では無いなどと言われて今の自民党と同じか。つまり小沢さんがやると言う事か。

民主党は若手の売り出しに失敗している。
もしも菅vs小池ならコロッと自民に100ユーロ天。
小沢vs小池ならイーブンかな?
「どちらともいえない」って人が圧勝らしいけど。

米金融安定化策 0902


ガイトナー財務長官が発表した1兆ドルの米金融安定化策に対して具体性が無く、実効性に欠けると言う意見が多いが、元々BAD BANK構想+国有化議論の過程で資産価格の適正な評価と言う問題は直に解決できそうな問題ではなかった。 ガイトナーの発言で資産査定をやりたいと言う至極真っ当な話が挿入されていたのは当然だ。「未だそんな事言ってるの?」は無いだろう。

CNBC等の株式相場番組等を見ていると、もともと市場は今回の金融機関の損失に対して過小評価(損失を甘く見る)していたのでは無いだろうか。 陽気過ぎる。 それが今回の全般的な失望と不安になっているように思う。

住宅価格は未だ下がる予想で、商業不動産がこれから。BIG3はいよいよカウントダウン、格付けの見直しは未だ続いているし、今後も続く。 そもそもこの仮定で資産価格を決めよう、しかも国有化を出来る限り避け、中国当りが国債を外しだしているので、財政負担をミニマイズしてなど殆どMission Impossibleに近い条件下にある事に市場は気付いたのだと思う。

GDPの規模は違うが、米国で国費を費やしたイベント・ベスト・ランキング

第2次世界大戦       36,000億ドル
NASA(1958-2008)   8,512
ベトナム戦争          6,980
湾岸戦争 Ⅱ          5,970
ニューディール                    5,000
朝鮮戦争           4,540
S&L                                 2,560

CNBC インフレ調整推計値

Deflation risk


マンキュー教授のブログでは、2月4日のNYTに掲載されたクルーグマン教授の「デフレ・リスク」に関しての反論で、セントルイス連銀のDBから下のチャートが提示された。インフレ連動債と5年TBの比較だ。

昨年7月以降、両者のスプレッドは縮小し、年末にかけて逆転。コモディティ価格の急激な下落を背景に市場はデフレリスクを大きく意識していたが、ここへ来て両者は再びクロス。デフレリスクは残るものの、もう少し様子を見る必要も出てきた。 青線が5年債、赤線がインフレ連動債。


下のチャートはクルーマンの論拠、2月4日の1980年~2007年のGDP GAPとインフレの一次回帰

因みに昨日はEmployment Cost Indexでデフレ・リスクを説明している。

St Louis FEDはデータと分析用のグラフを無料で提供してくれている非常にありがたい存在。
日銀も頑張っているけれど。もうひと頑張り欲しい。


2009年2月11日水曜日

Roubini + Taleb, Krugman


クルーグマンはNYTで。昨日のルービニとタレブのCNBCのTV。あれは世界経済危機についてではなく、株式投資について尋ねているだけで、モンティ・パイソンのコミュニスト・クイズみたいなもんだとCNBCを皮肉ったVIDEOを紹介。

懐かしいモンティパイソン。

昨日のブルムバーグ
こっちがマトモだ。



でも中身はこれまでと一緒だから、時間の無駄。

結局、この人に聞くのが一番だ。
ABC NEWSが一番わかりやすい。


2009年2月10日火曜日

Rubini + Black Swan Taleb


CNBCでMr.Doomことルービニ教授と「ブラック スワン」の著者タレブ氏の組み合わせインタビュー番組をしていた。 ルービニ教授は自身の資産は全て現金で「Cash is the King」、タレブ氏ももちろん現金だったが、両者とも現在強烈にキャシュを創造中だから、なのかもしれない。

ルービニ教授はリセッション脱出には少なくとも12ヶ月は必要、未だ何も見えていないとのご宣託。正しく事を運ばないとかなりの可能性で、日本みたいになる。発表済みでは1兆ドルの償却だが、未だ別に2.6兆ドルある。 損は積もりリセッションは深化する。

タレブはルービニ教授ほど弱気では無いが、まだまだ難問続出と考えている。今は始まりでしかない。

現在ガイトナー財務長官が模索している景気刺激策の効果については、両者とも何も変わらないとの答えでした。  面白い組み合わせ。  必見。

2009年2月9日月曜日

10の理由の使い方


昨日のブログのジム・クレーマーの番組は人気番組だが、バロンズによると彼の推奨銘柄のパーフォーマンスは下のグラフのようにパッとしないどころかETFを買ってたほうがずっとマシ。  対SPで番組の(-)12日から計測。  つまり赤い線、上昇している銘柄を買い。下落銘柄を売り。その後株価は反対に動いて損してしまうと言うパターンだ。  それでも視聴者はチャンネルを合わせる。


昔から出来る証券セールスは強気だった。 証券会社の役員まで出世したような人達は100%強気。従って役員会なんか陽気なものだった。どちらかと言えば、配ってはいけないようなところにお金を配ってしまう犯罪が主で、市場が悪くなると人の金を自分の財布に仕舞い込む犯罪もどきが主流になる。

それは90年までの長い期間「株は長期投資」が真実の世界で、買い推奨は無敵で株は買って持ち続ければ儲かったからだ。  金融商品の株式と言うアセットクラスを預貯金の代替として販売するのに弱気でセールスに来られても、例えば「トヨタ世界不況と為替でボコボコですよ、ショートしましょ。」と、初対面のセールスに勧められても投資家も困惑するだろうから今でも出来るセールスは強気なんだろう。  ただ20年近くボックス相場やられると、出来るセールスは永続きしなくなっているような気がする。  発想変えて、伸びそうな国に強気を見つけるしかなさそうだ。

2009年2月8日日曜日

あなたが思っているより市場が強い10の理由


失業統計は過去16年間で最悪の7.6%だったが、NY市場は反発した。他にも決算等々ろくな数字は無いがいよいよ取りあえずの底が近いか。
CNBC の人気番組Mad Moneyのジム・クレーマーが示す。
10の訳(理由)

1)FEDがとにかく何とかしようとしてる。
2)政府は景気刺激策の議会通過と格闘している間に他国は既にテコ入れしている。中国。
3)世界景気のバロメーター、バルチック海運指数は底打ちから上昇に転じた。これは昨年酷く下がったが中国需要のおかげで順調だ。ニッケルや銅、石油も底を打った。世界景気回復の兆候だ。

4)中国市場は年初から20%上昇。中国景気はコモディティを消費する。石炭、鉄、銅、アルミ、穀物や消費財等の国際的な在庫減らしに貢献する。
5)見通し真っ暗のニュースのシスコ・システム(CSCO)、減配のステートストリート(STT)等は先週、11.3%と29.7%上昇した。これで下げないのは売られ過ぎだからだ。
6)ウォルマート(WMT)が上昇。消費者はお金を使い始めている。

7)ハウジングセールは価格を下げながらも上昇。$15,000の税優遇と併せれば住宅市場は多分今年中に底を打つ。
8)ヘッジファンドの売りは終了した。少なくとも今は。解約もひと段落、やつらにも息抜きが必要。
9)アップル(AAPL)、リサーチインモーション(RIMM)、グーグル(GOOG)、アマゾン(AMZN)が反発開始。市場リーダーが引っ張る。
10)UPS(UPS)決算発表、輸送ビジネスはウォール街が思っているほど悪くない。FED EX(FDX)や鉄道株は買い。

楽観主義者になる理由も無いが、この局面はポジティブで良いのでは?

2009年2月7日土曜日

Japan’s Big-Works Stimulus Is Lesson


マンキュー教授のブログがNew York Times の日本の公共事業投資による景気刺激策についての記事をピックアップしてあった。

記事の内容は今まさに上院で議論されている、オバマ大統領の景気刺激策に関して、過去20年程低迷している日本刺激策に学ぼうと言う趣旨で、道路や箱物は魅力だが、所詮一時的なものであって、結局、刑務所、大学、水族館は継続的な雇用を創出したと言う結論になっている。

「Buy American条項」とか付加しようとするロビーイングの強力さを見せつけられると米国でも気をつけておかないと箱モノではなくとも利権獲得競争が凄いであろう事は想像が付く。

この記事で取り上げられているのは島根県の浜田市だ。今売れっ子のDAIGOの祖父にあたる竹下登の地元でもあり、「公共工事の予算面では優遇され続けてきた。」 「250億円かけた萩・石見空港は不気味なほど閑散として1日2便しかない。」とあるが私の経験ではコウノトリ但馬空港 は平日1日1便でSAAB340Bだった。

「人口61,000人のこの市に、浜田自動車道が通り、立派な浜田バイパス、大学、刑務所、世界子供美術館アサヒテングストン・スキー場県立しまね海洋館、(浜田市施設紹介)等々があるが浜田市だけが異常なのでは無く、バブル崩壊後の経済対策で日本中に道やダムや大型建造物があふれかえっており1991年から昨年まで$6.3兆ドル(600兆円)が建設・土木関係に使われた」とある。 そしてこのツケが巨額の財政赤字、これが建設業者だらけの国を維持してしまい、今また延命策で「地方は疲弊している」とやっている訳だ。

ここでの箱モノのシンボルは70億円かけたマリーンブリッジだ。地図を見てもらえば分かるが、別に橋は必要なさそうだし実際使う人はいないようで、 NYTのインタビューに答えた地元のシマダさん(70)は「バンジージャンプになら使えるではないの」とお答えになっている。

因みに行政の説明では。
平成11年8月に完成した、漁港施設としては最も長い305メートルの斜張橋(しゃちょうきょう)です。高い主塔(海面上約92メートル)と斜めに張ったケーブルを特徴とするマリン大橋は、海・漁業とのふれあいと水産業の発展をめざした水産都市浜田のシンボルです。
この浜田マリン大橋は、「活力と潤いのある水産都市の形成」を目的とした「浜田地区新マリノベーション拠点交流促進総合整備計画」のひとつです。瀬戸ヶ島地区と原井、笠柄地区を最短距離で行き来することによって、円滑な物流を行うためにできました。

浜田市を調べていたら副産物、なかなか凝っていますね。大変気にいりました。


2009年2月6日金曜日

ゴールドマン、モルガン


比較的健全なウェルス・ファーゴ銀行とGS、モルガンを比較したのが下のグラフ。
ついでに野村ADRも入れておいた。



信用危機の中でいち早く銀行化し、FRBの監視下に入り、米金融安定化プログラム(TARP)からそれぞれ100億ドルの公的資金を受けた両社(両行)だが、早期に返済したいと言っている。
11月末からの株価の動きはウェルス・ファーゴと比較して対照的だ。 レベル3の評価額を他社(銀行)に比較し、既に20~25%低めに評価している為、Bad Bank構想が現実化すれば恩恵を受ける可能性がある為だそうだ。勿論投資銀行ビジネス・モデルの転換で、次の収益モデルを模索しなくてはならないわけだが、今まで我々の気付かない何処かから探してくるから高い利益率を継続してたのだろう。原丈人さんが仰るように排出権なのか何なのか。

話は変わって、メリウェザー氏が1999年のLTCM破綻後、新たに始めたJWM Partners LLCの旗艦ファンドthe Relative Value Opportunity Portfolioの2008年の成績は(-)41.6%だそうで、それでもNAVは$495.7百万あるそうだ。 「しか無い」が正しいか?
そこで彼は現在新しいファンドを計画しているそうだが、ストラテジーは未だ決めていないとの事。

今週は中谷巌さんの資本主義はなぜ自壊したのか 「日本」再生への提言とティム・ワイナー氏のCIA秘録上下を読んだ。去年、件のfinancial turbulenceに物の見事にクルクルに巻かれてしまい、ベストセラーの読み方が人に比べて2ヶ月程度遅れているが、最近はgoogle readerにもようやく馴れて返って色々考え方の整理が付けられるので少し遅れて読むのも良いかもしれないと思っている。



2009年2月5日木曜日

チャート音楽


マイクロソフトのソングスミスを使用してチャートを音楽に変換している。
単純に面白い。
ポルノ産業と財政赤字は凄い。



ソングスミスのCMも好感度高く面白い


私はと言うとインストールが未だ上手く行ってない。 

GDPと株式時価総額


今日のFortune Investor Dailyではバフェットに非常に近いジャーナリスト、キャロル・ルーミスが以下のように85年間のチャートを使って「バフェットの尺度での買いタイミング」について記事にしている。
彼女は「投資家への手紙」も手伝っているそうだ。
一方でバフェットは「Snowball」の著者Alice Schroederとの毎年恒例のディナーはキャンセルしたそうで、何か気に入らない事でもあったか?と話題になっている。

株式時価総額の対GDP比。確かに随分安いが、下げ止まった感じでも無い。 長期投資家ならOKと言う風にも見えない。


一方で日本の方だ。 元々GDPはそれほど大きくはブレないので、この振幅は株価の振幅そのものだ。 日本は50%程で、98年や2002年にもこのレベル迄低下した事がある。 このタイミングは悪くは無いようだが、むしろ米国の指標の中途半端さが米国株式市場をもっと押し下げるなら、その影響の方が怖いかもしれない。





2009年2月3日火曜日

米国鉄道事情-オバマで良くなる


ユーロスターは時速343キロを達成し、現在ロンドン-パリ間は2時間15分で結ばれている。フランスのTGVも時速575キロ試験レベルで達成、日本でも新幹線E5系が2013年から320キロ運転を開始するそうで、そうなれば新青森-東京は3時間5分となり、航空会社の青森線にとって脅威となるだろう。

ブシュ前大統領の言う「悪の枢軸」中東イランでさえ最高速度448キロの高速鉄道システムをドイツから購入検討している。中国はご存知の通り。
 
一方で米国で唯一の高速鉄道がワシントン-ニューヨーク間を結ぶアセラ・エクスプレスだ。最高速度は240キロであるが、平均速度は138キロしか出ない。

カルフォルニア州(以下、加州)知事のシュワルツネッガーも「われわれには高速鉄道が必要だ。米国の鉄道は古すぎる。100年前と同じシステムで運用され、100年近くスピードも変わっていない。カルフォルニアも時速数百キロの高速鉄道を導入すべきだ。」として、紆余曲折を経て昨年11月4日に加州の住民投票で高速鉄道建設の為の州債の発行が決まった。

新大統領のオバマ氏も「高速鉄道が無い先進国は、われわれだけだ」とやっと気が付いたようで、今回のインフラ整備も高速鉄道には追い風となっている。 昔、GMがロスアンジェルスの近郊鉄道や路面電車を買収し廃線にする事によって車が売れるようにしたごとく、議会ロビーイングに資金を使いまくってたBIG3、UAWの影響力低下も要因だろう。

加州の鉄道は最高速度350キロで、サンフランシスコとロスアンジェルスを2時間半程で結ぼうと言うものだ。既に立派なサイトも立ち上がっている。 サイトの中でも、High Speed Rail Around the Worldのvideoは日本の新幹線を例示してあり、日本の鉄道技術の凄さを再確認できる。 

一方で番組中加州、日本、フランスと国土を並べ、面積、人口等でいかにカリフォルニアが高速鉄道に適しているかと言う下りがあり、今後の人口動態が各国表示されるが、加州が増加して行くかたわらで日本の想定人口が減少していく様は少々ショックであり、現実として受け止め、対策を講じるべきと改めて思い知らされた。

話は少しそれて、シュワちゃんが100年前と仰るのなら。

手元に明治35年、1902年であるから今から107年前、日露戦争の2年前、東海道線の寝台車に初めて扇風機のついた年の鉄道時刻表の復刻版がある。当時の最速列車である急行の場合、新橋を夕方の6時5分に出て、大阪が翌朝の10時20分。所要時間16時間15分。 まだ官営化されていない日本鉄道、上野-青森間は夜6時丁度に上野を立つと青森着は翌日午後3時50分だから21時間50分かかっていた。しかし鉄道以前は汽船、それ以前は徒歩であるから随分な進歩だった訳だ。

これが東京オリンピック、新幹線の完成した年、昭和39年で、上野発22時45分の奥羽本線経由各駅停車青森行きの列車は翌朝9時27分に山形駅に到着し、終点青森には同日の21時30分に到着。まだまだ東北は最近まで遠かった。 

因みに明治35年の新橋・神戸の汽車賃は4円13銭。 日本郵船、横浜・神戸は下等で3円であるから船の方が安かった。昭和39年の上野・青森の運賃は1420円。 船賃を除くと稚内まで2640円で行く事ができた。

2009年2月2日月曜日

Bad Bank 資産価格

Bad bank構想はやり方で混迷していると言う記事もあるが、根本は資産価格の査定にある。
NYTによると市場価格の取得が困難な場合、モデルによる価格評価のできるレベル3の資産が9月時点で6000億ドル程あるそうだ。

シンプルなMBSでもバリュエーションのバラつきは、金融機関97セント、SPが87セント、もしデフォルト率が倍になれば53セント、実際にトレードされているのは38セントと言う具合に誤差では済まない程の状態だ。 政府にしっかりしろと言ったところで、今後の景気見通しが誤差の角度で出来る訳では無いので、困難である事に変わりは無い。

市場では今回のBad bankプランは1兆ドル程必要ではないかとも言われている。(見通しでしか無いが。) TARPの残りが3500億ドル欠け、オバマ政権の復興策が8000億ドルだからサイズ的には一番大きな目玉になる。 いずれにせよ不透明な形価格査定が行われれば、市場はそれがコンサバティブな価格と考え、リスクプレミアムを乗せてくるとHFのマネージャーは語っている。

アブダビ投資庁のように昨年7月に75億ドル出資した株主は充分に咎めを受けているような気もするが、最近5ドル以下で買った株式ホルダーと同列で良いのだろうか? (勿論合理的には良いのだが)。 もし国有化して株主価値は0となると考えさせられる。 まして今回決定権は支持率のやたら高い民主党の米国政府チーム・オバマが握っている。

2009年2月1日日曜日

090201 週末雑感


日経平均と失業率の関係、米国の各種経済指標を市況関連のサブサイトに入れておいた。

週末のTVは派遣切りの話題が相変わらず、日本テレビでは1時半頃から、出井伸行、湯浅誠、大村秀明、宮崎哲弥、雨宮処凛、河添誠、奥谷禮子ほかの出演だった。

派遣サイドとしては住居等、緊急避難の問題であり、出井さんにとってはシステム全体の問題でタイムフレームは異なるし、誰がどう、何の当事者か定まら無いので、議論がかみ合わない。「全員派遣にする方法もある」とポツリと言っていた。 また大村議員は「製造業への派遣禁止」については明確に否定していた。

資本主義と民主主義の衝突。 生存権に纏わるセーフティネットと、グローバル競争下にある一企業の歩み寄れるポイントは政治の明確な仕切り無しには有り得ない。枡添厚生大臣は「製造業への派遣禁止も。。。」と言っていたが、全体として方向は変化してきているようだ。 

1962年に書かれたフリードマンの資本主義と自由 (日経BPクラシックス)が日経BPクラシックスとして再販されているが、ちょうどロバート・ライシュの暴走する資本主義と入り口と出口の関係になっている。


今週の日経ビジネスでは、中国の12月から今月にかけての意外な自動車販売好調の記事が出ている。春節 (旧正月)前に自動車は売れるのだそうだ。 11,12月の中国の低迷は輸出ウェイトが高いところにグローバルな信用崩壊から、貿易用のL/C(信用状)さえ出なくなり、物の移動が止まった側面が大きかったと考えると、船賃の指標バルチック指数の動きも納得がいく。 勿論春節後を楽観している記事では無い。

土曜日は久しぶりに神保町で飲んだが、喫茶店で有名な「さぼうる」は夜はお酒を出す。日本酒等もお燗で出すが、ウィスキーの水割りが400~500円で知ってた人からみれば他愛ないが、意外な発見だった。

早稲田大学グローバルCOEプログラム 原丈人

早稲田の<企業法制と法創造>総合研究所主催の緊急シンポジウム、アメリカ発金融危機の総点検―日本からのメッセージに参加させて頂いた。

JPモルガンの管野さんの世界景気の現状説明から始まり、格付け機関総点検(Examinations of Select Credit Rating Agencies)、金融危機をもたらした法的基盤、に続きデフタ・パートナーズ会長の原丈人の講演があった。
原丈人さんはそう簡単に把握出来る人では無いだろうが、経歴はwikiで、人となりは糸井重里さんとの対談が分かり易い。21世紀の国富論を出版している。

景気全般に関して彼の考えでは米国は証券化商品の不良債権化後に、一般債務の不良債権も積みあがるので、不況は深刻である事と、欧州も英国を中心にさらに悪化すると言うものだ。
またオバマ政権における主要経済閣僚は前政権と同様、投資銀行出身者が大半を占めるので、対処療法実施後また別のバブルが(例えば排出権取引等)発生すると案じている。

彼の人生と同じように色々な課題を短い時間に詰め込んでおられたので、全部を紹介出来ないが、「これからの米国では技術イノベーションは起こりにくい」と言う点に絞って紹介したい。


(配布資料雑誌のコピーよりスキャン)
 
第1の理由はベンチャー・キャピタルの気風が損なわれた事で、ウォール街のファンドや株主至上主義の考え方が、短期利益志向の為に、上図のテクノロジー・リスクの期間の投資に耐えられなくなってきた。以前のVCは事業家が主体であった。
第2に時価会計、減損会計はファンド投資家からみれば保有株価から判断しやすいが、技術イノベーターからすれば、失敗における技術蓄積が全く評価されずに不利益の多い制度だ。
第3に「9.11」以降移民の制限が厳しくなってきて優秀な才能を持った人間が活躍できる場が制限されるようになってきた。
第4にコンピューター産業で成功したがゆえの自縄自縛に陥っている。 MSFTのビジネスモデルはOSの改訂であり、ポストコンピューターの時代になる事を望んでいない為、ポストコンピューター産業勃興の妨害の方向に力が働く。

彼にしてみればWeb2.0は、短期志向のマネーが作ったもので、技術革新を必要としない応用技術で簡単に作り上げ、上場によって現金化されていった。 彼は本質的にマネーがマネーを作るウォール街的なビジネスのやり方には敵意すらもっており、内部留保より株主配当を重視するようなアクティビスト・ファンドなどもイノベーションの敵だと考えているようだ。

また短期志向の経営者ばかり作るストックオプションも上場会社には向かないともコメントされていた。

実際のビジネスの中で経験されてきた事ばかりなので、説得力のあるお話ばかりだった。
このシンポジウム非常に有益でありました。