2009年2月1日日曜日

早稲田大学グローバルCOEプログラム 原丈人

早稲田の<企業法制と法創造>総合研究所主催の緊急シンポジウム、アメリカ発金融危機の総点検―日本からのメッセージに参加させて頂いた。

JPモルガンの管野さんの世界景気の現状説明から始まり、格付け機関総点検(Examinations of Select Credit Rating Agencies)、金融危機をもたらした法的基盤、に続きデフタ・パートナーズ会長の原丈人の講演があった。
原丈人さんはそう簡単に把握出来る人では無いだろうが、経歴はwikiで、人となりは糸井重里さんとの対談が分かり易い。21世紀の国富論を出版している。

景気全般に関して彼の考えでは米国は証券化商品の不良債権化後に、一般債務の不良債権も積みあがるので、不況は深刻である事と、欧州も英国を中心にさらに悪化すると言うものだ。
またオバマ政権における主要経済閣僚は前政権と同様、投資銀行出身者が大半を占めるので、対処療法実施後また別のバブルが(例えば排出権取引等)発生すると案じている。

彼の人生と同じように色々な課題を短い時間に詰め込んでおられたので、全部を紹介出来ないが、「これからの米国では技術イノベーションは起こりにくい」と言う点に絞って紹介したい。


(配布資料雑誌のコピーよりスキャン)
 
第1の理由はベンチャー・キャピタルの気風が損なわれた事で、ウォール街のファンドや株主至上主義の考え方が、短期利益志向の為に、上図のテクノロジー・リスクの期間の投資に耐えられなくなってきた。以前のVCは事業家が主体であった。
第2に時価会計、減損会計はファンド投資家からみれば保有株価から判断しやすいが、技術イノベーターからすれば、失敗における技術蓄積が全く評価されずに不利益の多い制度だ。
第3に「9.11」以降移民の制限が厳しくなってきて優秀な才能を持った人間が活躍できる場が制限されるようになってきた。
第4にコンピューター産業で成功したがゆえの自縄自縛に陥っている。 MSFTのビジネスモデルはOSの改訂であり、ポストコンピューターの時代になる事を望んでいない為、ポストコンピューター産業勃興の妨害の方向に力が働く。

彼にしてみればWeb2.0は、短期志向のマネーが作ったもので、技術革新を必要としない応用技術で簡単に作り上げ、上場によって現金化されていった。 彼は本質的にマネーがマネーを作るウォール街的なビジネスのやり方には敵意すらもっており、内部留保より株主配当を重視するようなアクティビスト・ファンドなどもイノベーションの敵だと考えているようだ。

また短期志向の経営者ばかり作るストックオプションも上場会社には向かないともコメントされていた。

実際のビジネスの中で経験されてきた事ばかりなので、説得力のあるお話ばかりだった。
このシンポジウム非常に有益でありました。

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