2009年3月30日月曜日

マジノ・ラインと少子化


第1次大戦後から少子化問題を抱えていたフランスは、大戦中の多くの死傷者の影響もあり、陸軍の動員兵力の問題を恒常的に抱えていた。従って降伏し疲弊したドイツに対する脅威は衰えず、積極的な軍備よりも、むしろドイツとの国境を難攻不落な要塞で固めてしまう道を選んだ。第1次大戦、西部戦線の過酷な塹壕線の膠着状態による大量の戦死者を出す戦術を避けたかった事もあり、1936年から国境沿いにマジノ・ラインと呼ばれる要塞を延々と建設しドイツに備えた。

要塞に注力し防御的な戦略に甘んじた為、当時主力戦力化しつつあった航空機や戦車等の近代的な兵器装備に遅れを取ってしまったと言う分析もある。

第2次世界大戦時ナチスドイツはこの国境沿いの膨大な要塞をあえて迂回、フランス軍はなまじ要塞に戦力が貼り付けられていた為、航空機と機甲師団を中心に電撃戦を採用するナチスドイツはまさに無人の野を行くがごとく進撃し、5月10日のベネルクス侵攻から1ヶ月でパリを放棄させてしまった。

マジノラインは正に無用の長物だった訳だ。 湾岸戦争時固定化した戦車部隊の後方に降下部隊を投入されたイラク軍戦車部隊を思い出せますね。 守りに入ると危ないと言う教訓か。

前置きが長くなってしまったが、今朝の日経朝刊、月曜経済観測は第一生命の森田会長による「日本の弱さ外国人注目」と言う少子化対策の話だ。

僕も東京市場つまり日本経済の抜本的な問題解決には結局この政策が欠かせないだろうと思う。 人口を増やせと言うのではないが、少なくとも国力を維持できる人口構成を設計する必要があるだろう。 政策は遅々として進んでいないようにも見える。 票にならないからね。


株式市場ではお馴染みの、ハリー・デントJrの「46歳が人生において一番お金を使う」と言う、46歳前後の向けて世代別人口が増加する時、住宅や車が売れて株式市場も盛り上がりを見せると言う株価シナリオがある。日本の80年代のバブル時もこのシナリオは説得力を持っている。もっとも最近書かれた彼の本は大はずれだったけど。

2年ほど前にNYのコンファレンスで資金集めの為にこれを無理やりテーマにプレゼンをしたのだが、全く相手にされなかったのを思い出す。 今から思えば競合しているファンドが中国やインドであればそれも仕方の無い事だろう。 もちろんプレゼン下手も大きな要因だとは充分認識しているけど。

日本も実は今、細かく見ると団塊世代Jr,がこの年齢に向けて加齢中であるが、山が小さい事と世代会計上の世代間格差の問題でその影響力にはあまり注目されていない。 さらにその後が絶望的にすら見える。

日本の少子化問題は90年に「1.57ショック」と言う出生率の大幅低下がきっかけで社会問題化したのが始まりであるが、奇しくもバブル崩壊の年であったのも因縁めいている。05年に1.26を付けて07年に1.34に回復とあるが、低い事に変わりは無い。

そんな中で、アメリカは出生率2.1を維持している。もっとも白人に限定すると一般的な欧州並みに少子化問題があるようだが、大統領も白人ではないのだから、白人に限定しなければならない理由は無い。


人と話してて思うのだが、中国への認識。 一人っ子政策の影響で労働人口は2015年にはピークを打ってしまうので、中国株に対する期待は人口動態的なポイントよりも、産業構造の転換、つまり第1次産業から工業化と言うのが中国株のポイントになっている訳だが、結果が伴わない時は意外にこれが原因となるかもしれない。


最後に森田会長も指摘している少子化問題の優等生フランスだ。出生率は2を回復している。



これはウェブで見つけたのだけれど、国立国会図書館調査及び立法考査局社会労働調査室 柳沢房子さんから「フランスにおける少子化と政策対応」と言う非常に参考になったレポートが出ているのでリンクしておきます。

人口ピラミッドはここで。

2 件のコメント:

や さんのコメント...

これはこれは拙文などをありがとうございます。

Porco さんのコメント...

これはこれは駄文にわざわざコメントなどを有難う御座います。