2009年4月9日木曜日

顧客名簿流出事件


「Catch me if you can」 と言うデカプリオとトムハンクスの詐欺師の映画が2002年に公開された。 アメリカでは結構なヒットであったが、日本ではさほどでは無かったと思う。

これはコメディ風に脚色されているが、デカプリオ演ずる詐欺師のモデルは実在の人物でフランク・W・アバネイルと言う。

彼は天才詐欺師で、16歳から21歳の5年程活躍するのだが、その間に26カ国でパイロット(実際には操縦した事は無いから大丈夫だそうだ。)、小児科医(実務はインターンにやらせてた)、地方検事補(高校中退なのに実際に司法試験に合格した)、教授、株ブローカー等を演じ、最も成功した詐欺師として有名になった。

有名になったがゆえに最後は逮捕され、フランスとスゥエーデンでそれぞれ6ヶ月、アメリカで3年間服役する事になったけれど。

出所後は詐欺対策のコンサルタントとして活躍し、モルガン・スタンレー、シティ、バンカメそして勿論FBI等を主要顧客としている。

そして上記映画公開にあわせて、「The Art of Steal:邦題:華麗なる騙しのテクニック」を書きベストセラーになっている。 本の推薦文はトムハンクスが書いてくれたそうだ。

その本によると、アメリカノビジネス界は詐欺によって1年間に4000億ドル(40兆円:執筆時2003年)の損失を被っていると言う推計があり。これには武装強盗や麻薬取引は勿論入っていない。 そしてこの40兆円の内、約3分の1は従業員が雇用主から盗むものだそうだ。 因みに米国の国防予算は国防総省のHPによると2008年度で4,815億ドルだ。 またアメリカでの偽造品の被害も3,500億ドルと推計されるとある。 TARPも真っ青だ。 スティグリッツはP-PIPを「泥棒」と呼んでいるけれど。

日本でもオレオレ詐欺の被害額だけで、2008年1~3月の3ヶ月間で5,618件、78億円、単純に年換算4倍すると約300億円。

3月31日のCNNのニュースによると、アメリカでの2008年のインターネット詐欺の被害額は2億6000万ドル、しかしこれはインターネット犯罪苦情センターに寄せられたデータだけで、実際には被害にはあったが届けないか、あるいはサラミと言って小額を数多くの口座から抜き取る手法で一人ひとりが気付かないケースも多いそうだから実際の推計値はもっと多くなるのだろう。

話はそれたが、フランク・W・アバネイルも危惧するのは、テクノロジーの発達による個人情報の危機だ。

昔の詐欺師は個人のプロファィルを集める(盗む)のに大変な努力をしたそうだが、今ではバルクで簡単に入手できてしまう。 詐欺師は手に入れたわずかの情報を手がかりに次のステップに入って行くそうで、今回のこの事件はこれで終了したとは言えないだろう。 詳しく書くと詐欺を助長することにもなりかねないので、興味のある方は本書を読まれると良いだろう。

簡単な詐欺として切手を貼らずに郵便を出す方法と言うのがあった。 宛名欄を適当に書き、差出人を送りたい住所にして切手を貼らずに投函すると、料金不足で差出人に戻るそうだ。良い子はマネしないようにして下さい。



追記:アマゾンの後で恐縮だが、著者はネットで物なんか絶対に買わないそうだ。 念のため。

0 件のコメント: