2009年4月11日土曜日

SP500のPER ジェレミー・シーゲル


マンキュー教授のブログにペンシルバニア大・ジェレミーシーゲル教授がWSJに出したコラムの話が出ていた。

マンキューは最初ピンとこなかったそうだが、4月10日のYahoo Financeに掲載されたフォローアップ記事で「なるほど」と来たそうだ。

確かに株式市場全体を評価する上では大変に重要なテーマだ。

2月25日のコラム要約。

「The S&P Gets Its Earnings Wrong」 クリックするとジャンプします 
2008年第4QのSP500インデックスのEPSは計算開始の1936年以来初のマイナスになる予想だ。 また2008年通期でも予想EPS$40となり、PERは20倍になる。

教授は時価総額ベースでのEPSの計算。 つまり実際の損益に時価総額のウェイトを掛ける計算方法を提案している。

現状のSPの計算方法では、500銘柄を全て加算したものを1つの企業として配当や利益その他財務諸表項目を取り扱っている。 勿論時価総額の合計がSP500指数となっている訳だが、2008年では時価総額ベースで6.4%しかない80社が$2,400億ドルのロスを出しており、これがSP500のEPSベースで(-)$27の寄与となっている。

これを時価総額ウェイトで再計算すると、2008年のEPSは$71.70となり、PERは11倍前後迄低下してしまう。 つまりSP500が安値を彷徨っていようが、20倍のPEは高いと言う議論が11倍であれば全く違ったものになってしまうと言う事だ。

つまりSP500の計算方法は歪められている。

4月10日のコラム要約


最終的なSP500、2008年のEPSは金融株の極端なロスから結局$14.97となった。3月31日のSP500、798ポイントで計算するとPERは53.3倍となった。

SPのHPでは「AIGがQ4に$617億ドルと言う記録的なロスを計上し、指数のEPSから$7.10取り去った」とある。 時価総額$3500億ドルのエクソンが稼いだ2008年の収益は$450億、一方で時価総額がエクソンの5%に満たない$150億(1ヶ月前は50億ドルであった)のAIGのロスは通年で$990億もあった。

時価総額に従ってエクソンをポートフォリオの95%、AIGを5%保有したと仮定すると、このポートフォリオのEPSはSP方式だとマイナスだが、時価ウェイトで計算すると、
$45bil x 95% + (-)$99bil x 5% = $39bil となり、PERは9倍になる。

同様にSP500の2008年EPS$14.97も時価ウェイトで計算しなおすと$71.50となり、PERは53.3倍では無く11倍に迄低下してしまう。

割高だと思っていたら割安だったと言う全く反対の話だ。
特損を考慮しない営業利益ベースでも$49.49が$79.40となり、16倍が10倍になる。

2月25日のコラムは話題を呼んだので、SP社にも問い合わせが相次いだそうだが、SPの回答としては現状で結構と言う事で、変更には難色を示している。

不動産価格指数で有名なシラー教授は単純な時価総額方式が正しいとは思わないとしながらも実際のEPSはシーゲル教授の計算よりは高くなるだろうとしている。
債権者などの権利部分を除いた企業のエクィティの価値をオプションとして捉えるならば、オプション理論から500社総体の価値よりも、個々のオプションの和のほうが高くなる。特にAIGや金融株のように少数の株式が極端なロスを出した場合には顕著であるとしている。

通常はSP方式とシーゲル教授の計算方法でも両者に極端な乖離は出ないが、今回のように少数の時価総額の小さい企業が大きな損を出した場合にはその乖離は大きくなるとの事だ。

結論として時価総額ウェイトで保有されたポートフォリオは歴史的に割安な水準にあり、教授個人的にも3月9日はボトムであったと考えるそうである。

簡単に新聞のPERを信じない事でしょうかね。 日経平均は価格加重だからまた違う議論。 日本は自動車とか相変わらず時価総額が大きいですがね。




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