VIX指数が30を割り、リーマンショック以前の水準に迄低下してきた。
VIX指数とは、CBOE(シカゴ・オプション取引所)の開発した指数でVolatility Index を省略してVIXと呼ばれる。 30日テナー(期間)のS&P500インデックス・オプションのインプライド・ボラティリティを推計するものだ。 つまり30日間でどれだけSP500がブレるかを市場参加者が取引している訳だ。 今は指数自体のフューチャーもオプションもある。

下のグラフは採取可能な1990年からのデータだ。
VIX指数は1993年にデューク大学のRobert E. Whaley教授によって開発され、2003年には参照指数がそれまでのOEX(SP100)からSP500に変更されている。
最近のVIXの動きが如何に大きなものであったかが分かると思う。
そして30割れは朗報だが、依然として高い状態であるように見える。
計算上のSP500の30日間のヒストリカル・ボラ(HV)とVIX指数の比較+スプレッド(VIX-ヒストリカル)。通常VIX指数はHVに比較して高い値をつけている。目の前にあるHVに少し(5~10)足した感じで、最近のように市場が荒れ気味だとその関係も安定しない。
VIX=30%は年率であるから、30日間のブレに直すと、30%/sqrt(12ヶ月)=30%÷3.46410=8.67%
つまり月間で上にか下にか分からないが、8.67%の変動があると市場参加者は考えている事になる。横軸の目盛りを読む時には注意をして欲しい。 それとボラは下落時に高くなるバイアスがある。
そこで、VIX値が決まってから30日後のリターンの絶対値(上下どちらでも良いから)とVIX指数の関係を取ると、以下のようになる。 つまり市場が予想した変動率がどれくらい適切であったかを事後的(30日後)にテストする訳だ。

上のグラフで行くと縦軸が実際の変動(30日間の%)横軸がVIXの30日分への変換したもの。要はVIX値を√12で割ったものだ。
しかしOptionを売買する者からから見るとジャスト30日目のリターンを目指している訳ではなく、その間の最大変動幅の方が気に掛かる。
そこで下のグラフはVIXを売買してそれ以降30日間に発生した上下動(絶対値)の最大値をプロットして見た。データ数で言うと4883日分のVIXに対してそれぞれ以降30日分の最大値を採取してある。
上のグラフを見るとVIXの30(横軸)は30日間では8.67に相当であるから四角で囲われた部分がVIXで30以上の世界になる。縦軸は指数の実際の30日間の変動であるから、25%以上変動した30日間と言うのは結構あるものだ。 もちろん特定の日に大きくジャンプした場合には数日に渡って影響を及ぼす。
黄色くプロットした点は大きな変動の出る境目のVIXのデータを拾ってある。
下の4.3はVIX値で約15 これよりVIXが低いと以降30日間で最大10%の変動と言うのは1990年以降現れていない。
上の5.6はVIX値で19.4 これを下回ると30%近い変動は過去出ていない。
データから見るとVIX30割れはそれ程意味は無い。
それよりもタレブのようにバーベルでブラックスワンを狙うならオプション価格の落ちついた20から30は美味しいのかも知れない。 これも感覚的な話ではあるし、もう少し検証が必要だが。



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