2009年7月16日木曜日

琥珀色の奇跡


米国市場はGS,インテル効果もあって派手に3連騰したけれど、CITの動向と失業統計周りが気になるところ。 僕としては製造業決算に関してもまだ楽観的にはなりにくい。

話は変わってサントリーとキリンが統合すると、ウィスキーはサントリーとキリンとオーシャンが同じ会社になる。 サントリーは山崎白州の大型蒸留所。 キリンは御殿場に蒸留所。さらにキリンが協和発酵を取り込んだ際一緒に付いてきたかつてのオーシャン・ウィスキー軽井沢蒸留所と新しい会社は合計4つの蒸留所を持つ事になる。

海外を見ると、スコットランドの蒸留所はグレンフィディックなどいくつかを除いて、ディアジオぺルノリカールあるいはバカルディなど大手飲料の傘下に既に集積されている。 サントリーも結構所有している。 日本の蒸留所が4つ同じ会社になっても構わないし、これらのモルトがバッティングされて新しいバッティング・モルトやブレンデッド・ウィスキーなんかが登場すれば楽しみな事ではあるのだ。

その一方で失われて行くもの。 
かつて日本では第1次ウィスキー戦争と言われる戦いが昭和30年代前半にあって、それはサントリー対オーシャン、トリス・バー対オーシャン・バーの戦いだったそうだ。
ちなみに30年代後半に入りニッカが追い上げサントリー対ニッカの第2次ウィスキー戦争に突入していく。 と言っても昭和36年のサントリーのシェアで見ると特級92%、1級87%、2級62%と一人勝ちの圧倒的な存在であった。

サントリーのセールスマンが品不足気味のサントリー・オールドを売ってやるとばかりに横柄な態度をとっている事に危機感を感じたサントリーの経営は、ビール事業に新規参入する事によって実績の無いビールをセールスに売らせ、腰を低くさせようとした事は有名な逸話だ。

そうそう、失われて行くものの話だ。

2年程前までは銀座5丁目西5番街通りに「クライスラー」と言うオーシャン・バーが未だ残っていて、僕もたまに行ったものだ。

ここはお通しが200円で生ビールが500円だったから、待ち合わせなどに喫茶店代わりに使えたのだ。 スコッチやバーボンのオールド・ボトルがバック・バーと言わず壁中に沢山あり、古いジュークボックスも置いてあった。 そしてなにより、オーシャン全盛時代のお酒がハウス・ウィスキーとして君臨していた。

かつてマツダや三菱自動車がトヨタに対抗して小型から大型まで車種を揃えたように、オーシャンもサントリーに対抗するように各級でウィスキーを取り揃えてあり、サントリー・オールドに対抗してスペシャル・オールド〔400円)、12年ものは軽井沢12年〔500円)などがあった。 名物の1000円のピザを頼んでも合計3000円もあれば充分に酔えたものだ。 残念ながら今はビル自体が取り壊されて店は無い。

無い店の話をされても困ると言うのであれば、少々遠いが大阪の十三にトリスバーが今でもいい味を出して人気店になっているので、行かれると良いかと思う。おつまみが美味しい。 わざわざ東京から行く人もいる。 近所でみたらし団子の美味しいのも売ってるし、立ち飲みキャバクラなんてのもあり、辺りはまるで遊園地のようだ。

(追記:そう言えばクライスラーの本店は横浜だったなあと思い出し調べたらありました。オーシャンバー総本店クライスラー 行った事はない。)


実は一昨日昔のオーシャンの事を調べていたら、琥珀色の奇跡 ウイスキーラベルの文化史と言う本をみつけてさっそく読んでしまったので紹介しておきたい。

著者の河合忠さんは、お若い頃アメリカに留学していた臨床病理学の医師の方で自治医科大学の名誉教授退職以降、この著作物を出された。もちろん医学専門書も多数書かれていらっしゃる。  これまでのウィスキー本に比べてさすが科学者だけあって非常に精密に調べておられる。 これまで疑問であった事などが数多く解決できた本で大満足でした。  今日は実はこの本を紹介したかっただけだ。

これは医学雑誌モダン・メディアに連載されていたもので本の後半はwebでも読める。

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