2009年8月30日日曜日

ジェシー・リバモア


踏み上げ太郎事、広瀬さんがリバモアに関するセミナーを開くと言う話に触発されてこの本を購入した。

リバモアと言えば、ルフェーブルの書いた小説「欲望と幻想の市場―伝説の投機王リバモア」が有名で、「マーケットの魔術師」に出てくる投資家達もこの本をバイブルとして取り上げているし、米国で株の仕事をしている人間ならば大概読んでいる本だ。 クォンツ志向だった僕でもNY時代に原書を買っている。 日本で言えば獅子文六のギューちゃん事、佐藤和三郎「大番」だろうか? 先日アテネフランセで上映会を行なっていたが日本で今「大番」見る人はかなりの熱心な勉強家だろう。

泥臭いギューちゃんに比べて、リバモアの時代のアメリカは華麗だ。 小説や映画になったフィツジェラルドの「グレート・ギャツビー (村上春樹翻訳ライブラリー)」に地理的にも時代的にも重なる。
また、オードリーとハンフリー・ボガードの「いとしのサブリナ」に登場するロング・アイランドのお屋敷や運転手用の住居などはリバモアの話を読む上で参考になるだろう。

小説の「欲望と幻想の市場」は1923年に初版が発売されており、1940年に劇的な終末を迎えるリバモアの後半生はカバーされていない。一方「世紀の相場師 ジェシー・リバモア」は1999年にリチャードスミッテンによって書かれた本でジャンルで言えばノンフィクションだ。日本では2001年に発売され、これもまた人気のある本でしばらく復刊が待たれていたのだが、先週買った僕の手にしている本は2009年3月の4刷になっている。

リバモアは出来高と市場との関係など様々なテクニックを後世のトレーダーに残しているが、一番大きなものは「休むも相場」だと思う。 トレンドの明確ではない相場では徹底して休んでしまうのだ。 あいまいなトレンドで何となくポジションを持つものには勝利はない。

また人からの余分な情報はシャットアウトし、自分だけの相場観に生きた。 人に聞かれても個別銘柄には絶対に答えず、市場のトレンドが上か、下かだけを答えるのをポリシーとしていた。

コットン・キングことパーシー・トーマスは博士然とした高い教養を持ち、綿花市場に関してはありとあらゆる情報網を駆使し、綿花の事なら何でも知っていた。その名前の通り、こと綿花に関しては全米唯一のトップの人間である事は疑いが無かった。
しかし彼の情報で相場を張るとうまくは行かないのだ。彼はこの件でも破産して高くつく教訓を得る事となってしまった。

リバモアはカモにされやすい連中を3つのタイプに分類している。

1.無知蒙昧の道楽者 下手の横好きと言うタイプで、自分が無知だと言う認識は持っている。

2.初心者レベルを卒業したレベル 準道楽者 自分と似たり寄ったりの”愚か者”から情報を仕入れている連中。 こうした連中は相場の格言、大物相場師の名言などを盛んに口にする。

3.愚か者の中でもマシな連中。 割安株を仕込み反騰を待つタイプ。 底値で株を仕入れると言うやり方は悪くはないが、2度と反騰しない株、さらに値を下げる株をつかむとそれで終わる。   耳に痛い話でもある。

この本は薦めるも何も、上記の小説と共に株をやる人はみんな読んでる本だと紹介しておこう。

リバモアはその人生において財産を築くこと4度、失う事4度であるがいつも周囲に支えられて不死鳥のごとく蘇る。変わった人たちに、計算高い人たち。そして善い人たち、「ボギー、あんたの時代は良かった。」

それでも悲しい結末。

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