2009年9月17日木曜日

銀行株ショートの深追いはほどほどに


株式投資家を震撼させている亀井発言をロイターの記事から一部抜粋すると以下のとおりだ。


亀井担当相は就任後の記者会見で、中小零細の企業・商店が日本の経済の基になっており「貸しはがしによって黒字倒産がドンドン起きている」のが実態と指摘。個人も住宅ローンの返済で苦労しているとして「3年ぐらいは借入金の返済を猶予する措置をとるべきだと考えている」と語った。

 ただ、具体的な制度の詳細は「まだきちんと決めているわけではない」としつつ、郵政民営化凍結法案と合わせて、モラトリアムを法案として整備し、10月に召集予定の臨時国会に法案を提出するとの考えを示した。

この話が薄気味悪いのは当たり前だ。

そもそも金融相は、わが国の健全な銀行システムを確立・維持する責務がある。一体何の為に金融庁検査があるのか。
本来であれば、他省庁、地方自治体からの要請で、銀行の健全性を損なう事無く、モラトリアム的な仕組みを構築するのがお仕事だ。立場をわきまえなさいと言いたい。

現実的には昨年秋の第1次補正以降で既に30兆円の緊急保証制度を決めている。 これは無担保で上限8000万円の緊急融資が受けられる仕組みだ。
98年の小渕内閣の時の特別保証制度では劇的に倒産件数が減った経験から同じ形態を踏襲したものだ。今回も昨年秋に融資を受けた企業は手続き更新すれば来年秋まで元金据え置きが出来る仕組みになっている。

そもそもモラトリアムと言う言葉を金融相が使用する事自体が異常だ。 本来株主のものであり私有財産である銀行の資産を国家権力でリスクに晒すのであれば、外人株主でなくとも黙ってはいまい。 まともな国家としての、その為の仕組みが緊急保証制度なのだ。  しかしネット上のブログ等を見ると、銀行が融資を認めても信用保証協会が認め無いなどの記事が散見される。

「税理士森大志のひとりごと」


実態はかなり悪いのだろう。「黒字倒産がドンドン起きている」は検証されるべきだ。

これは現行の信用保証協会に行政としていくら税を投入するのか明確な予算(損失も含め)を与えて税金によって執行されるべき問題であって、私有財産である銀行に寄付をお願いするのは筋違いも良いとこなのだ。 個人の住宅ローンに関しても同じ事だ。

従って亀井金融相のアドバルーンは威勢が良いが現実味は殆ど無いと考えて良いと思う。

今の銀行株への売り圧力はBISⅢにまつわる株式資本充実に伴うファィナンスの問題と円高による貸付先の業績悪化が主因と考えるべきだ。

むしろ円高を利用して海外の銀行株を買う事によって間接に海外エクスポジャーを増やすぐらいの事をポジティブに考えても良いのでは無いだろうか。 世界的金融危機の最中に金融システムまで痛めつけるのは国家存亡の問題でもある。

米国では金融システム全体を守ったが、今でも中小銀行の倒産は止まっていない。 また一方でS&Lの時のように逮捕者はあまり出していない。

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