2009年9月28日月曜日

ドルの行くえ?


為替の予想を開陳するのは怖いものではありません。
なにしろ有名人であれ何であれ中々当たらないものだからです。

通常の為替相場の考え方は、均衡に向かっているという事です。
過大評価された為替レートは均衡状態に至るまで輸入を促し輸出を抑えます。また国際競争力が増せば為替レートが上昇するので貿易黒字が減り均衡状態を回復すると考えます。 日本円は大変強いですが、国内では人口の老齢化、低成長、中国と比べても円が強いと言うのは納得の行かない話であります。
ソロスは1973年に変動為替相場に移行して後、現実の世界ではこの考え方が間違っていると断言しています。

今は為替取引の90%が投機的なマネーで構成されていますので、均衡論的な考えを前面に押し出しても仕方の無い事なんでしょう。

そこでいきおいチャートに頼る事になりますが、
下のチャートは円ドル1994年からの月足です。綺麗にペナントを形成しているのかと思えば2006年には円安にダマシ、その後は円高かと思えば切り替えしてと、中々一筋縄でいくものではありません。

ドル・円 月足
また上記の月足も変動為替移行以後を見ると下記のようになります。  95年にドルは一旦底を打ちその後、緩慢にドル安が進行しているとも見れるでしょう。

ドル・円 変動相場制移行

次が週足で、

最後が日足 とにかく総てのトレンドが下向きです。


当然ですが長いチャート見ていると時間の問題はあるでしょうがそのうち80円には行きそうです。行かないと収まりそうもありません。 しかしここまで円が強いのが何故かわからないように理由は投資家心理だと逃げておきます。 投資家がトレンドを強化するのだと考えます。


何かインチキくさいFXの勧誘みたいになってきましたが、もう少し長いストーリーを考えてみましょう。
これは最近僕が相場を考える時に共通している事項です。

1.米国の覇権が終り、多極化の世界が始まる。
2.米国の消費は他国のファィナンスで賄われてきた。そして限界に来ている。

ジャック・アタリが警鐘するように、プレトンウッズで米国ドルを基軸通貨と決めて以降、ドルが基軸通貨としての役割を果たすには、アメリカがドルを使い、他国がドルを受け取り、ドルが充分供給されなければなりません。これは米国の国際収支の赤字を意味し、ドルが世界各国の外貨準備として保有されればされるほど、ドルに対する信認は弱まると言うパラドックスを抱えています。 この長年の積もり積もった状況で、米国の借金体質の維持が困難になったのが、今回の恐慌でした。

恐慌の最中はテクニカルな要因で決裁通貨(基軸通貨)のドルが不足したに一時的にドル高になりましたが、決済用資金が供給され落ち着いてくるとドル安は鮮明になってきました。 今は突然の決裁用ドルの不足は起こりにくい体制になっていますから株式市場が少々崩れることによって多少のドル高はあっても前回のようにはならないと思います。

G20で話合われたのは各国思惑はあれど、米国覇権から多極化(もちろん急なものを想定してません)への以降をどうスムーズにこなすかもテーマであったと思います。
あまり相手にされませんでしたが、フランスのサルコジ大統領によって為替取引に税(トービン税)をかけようと言う提案があった事は覚えておくと良いと思います。

普通の経済学者であれば勿論トービン税のような制約的な制度導入には大反対でしょう。 提案したトービンさえ圧力に負けて今や反対しているそうですから。 しかし政策としては現実的なのかもしれません。 今後はこの類の意見が増えると思われます。

いずれにせよ円は80円までは行ってしまうのだと思います。 12日のエントリーではドル安が米国株の収益予想を押し上げると書いてましたが、このレベルに入ると米国のファィナンスの問題に係わってきます。 トレジャリーの金利を上げるか、それはインフレを意味するのかとにかく均衡が働くと言う訳です。  米国株式は大きな押しも想定しておく必要があります。


しかしドル円の月、週、日足とチャートの形を見るとマンデルブロの長期相関、パターンの記憶を思い起こさせます。 どれも形が良く似ております。

追記:人民元はこの混乱の最中で引き上げに踏み切らざるを得ないでしょう。 ドル以外の他通貨との歪みも大きくなり過ぎです。 今内需へのシフトを通してショックの軟化に努めている最中でしょうが。
どこかで起こる。 今はわかりません。

0 件のコメント: