2009年12月19日土曜日

ボラティリティの話 4


前回は少し横道に入ってしまいましたが、私が言いたかった事はボラティリティが高いと儲けにくくなると言う話です。但し、非常に高い値段になる可能性も存在します。

宝くじのように大儲けする人も出てきますが、普通の人は儲かりませんと言う話でした。

下の図は株価10、000円、期待収益率0、15%と30%のボラティリティの株の10年後の株価の確率分布、1万回シミュレーションの結果です。
見ての通り15%ボラの証券1の中央値(1万回の丁度真ん中の位置)が8,926円、30%ボラの証券2の中央値が6,376円になります。
期待収益率が0。 実はオプション計算の時などは0で確率計算します。



次にボラティリティの話 2のエントリーで使用した月次シミュレーションの手法に間違いがありましたので、修正しておきます。

通常の証券理論のテキストでは混乱を防ぐ為に、証券の収益率は正規分布すると言う前提で話を進めていきますが、期間が短い間やボラティリティが低い時などは近似値が出て問題が無いのですが、少し長いシミュレーションになると誤差が大きくなります。 私は誤差を甘く見てわかりやすいように収益率は正規分布すると考えていましたが、25年分のシュミレーションには全く不適切でした。 ここにお詫びして訂正しておきます。

これが新しい月次のシミュレーターです。
そもそもいくつか実験をするうちにわかった事ですが、1万回は300ヶ月のシミュレーションには回数が足りないし、何を表現したいのか?と言う目的に対して適切ではありませんでした。 そこで、シミュレーションの回数は50回程度とし、個別の動きが何とか見えて最終の価格分布がビジュアルに見えた方が良いと言う意味で20年に絞ってヒストグラムをつけてみました。 統計上の計算値は表の左下につけておきました。

先ず20年月次、期待リターン7%、リスク20%の場合を見ておきます。
std2標準偏差2の値は1440円になりますので、グラフの県外に出ていますが、右の分布図を見てもらえれば頻度の高く無い事がわかるかと思います。
中央値は274円、最頻値は138円になります。



次にリスクを10%に落とすと最頻値も298円に迄上昇する一方上値も制限されます。 分布図から見るとばらつきが落ち着いている事がわかると思います。
長期投資の計画にはボラティリティをいかに抑えるかが重要であることを示唆しています。


私も参考書(古いのばかりですが)を漁りましたが、15年程前にマーク・クリッツマンが書き、故青山護さんが翻訳された「数量分析入門」日経、ぐらいしか手元にありませんでした。 ここでは対数正規性について1章割いていますが、普通では分からないだろうなと思います。非常に不親切です。でもこの本はベスト・セラーで米国ではアナリストは皆持ってたものでしたが、どうやって使ってたのか?と今更ながら思いました。


将来の期待収益について話をする時に使用する数字ですが、これは連続複利収益率では無く、通常の平均収益率を使用するとクリッツマン氏も書いております。

ではまた。



追記
過去データを用いて、将来の期待収益率を推定するにはどの平均収益率を使えばよいのだろうか。過去の値がランダムに分布している場合の将来の収益予測値の最良の推定方法は、算術平均を利用する事である。統計的には、算術平均は任意の年の所有期間収益の最良推定値を与える。過去の経験に基づき、今後何年間かの投資の予想値を推定したい場合にも、算術平均を使うべきである。逆に最終価値の確率分布を推定したい場合には、幾何平均を使うべきである。

The Portable Financial Analyst: Mark Kritzman


このエントリーは12月28日に訂正しました。
訂正前のエントリーはココに格納してあります。  参考まで。

2 件のコメント:

イーノジュンチ さんのコメント...

イーノです。このシミュレーションの結果は完僕が考えてきた長期投資の数式とも一致しているようで、とても安心しました。例えばこの記事ではその数式からグラフを描いたのですが、あってそうですね。
http://www.fund-no-umi.com/blog/2009/06/24-2361.html

クリッツマン氏の本、中古で安かったので取り寄せて読んでみることにしました。

Porco さんのコメント...

コメント有難う御座います。

今回は間違いを減らすため総て対数収益の正規分布の状態で分布、STD等のデータを採取し、最後にexp()で変換するようにしています。

イーノさんのブログも参考にさせて頂きました。