2009年4月14日火曜日

銀行株


世界の銀行株は切り返しているのに、日本の銀行は何だ!
みたいな話も耳にするので、それではあまりに気の毒と言う事で、
単純な比較グラフを。
ADRだからUS$建て。
三菱UFJとシティ、今朝決算発表とファイナンスのGS、インドのICIC銀行。
昨年、年末から、GSが圧倒、シティも切り返し。

SPX ピークの07年10月からだと、三菱頑張ってる。

2003年3月  日本株有利に開始日設定。
ICIC銀行、新興国はやはり凄いですね。


GSの好決算はボンドのbid-askが拡がったのが好奏とあるが、AIG始めとする資産処分で、価格の分かり難い商品のbid-askが相当広かったのだろうなと想像する。

Seeking α にもし資産を処分する銀行が他社の資産を購入するならP-PIPはエンロンと同じじゃやないか?と言うコメントが出て人気が出てる。





2009年4月12日日曜日

米クレジット・ユニオンのポート


CalculatedRiskにアメリカのクレジット・ユニオン(信用組合)の内、閉鎖された2つの組合、U.S. Central ($340億ドル)、WestCorp($230億ドル)のポートフォリオのレーティング変化が取り上げられていた。
 
クレジット・ユニオンはアメリカ独特の制度で、NCUA(National Union Asministration)によって監督されており、収益を追及する組織では無く互助会的な地域金融機関であるため免税の法人だ。 上記2つの規模は約2~3兆円規模なので、ちょうど日本の上位地銀のレベルだ。 またNCUA全体で4,480億ドル:約50兆円、第2地銀が61兆円規模なので比較対象としては適当ではないがイメージとして同じサイズだ。

僕もクレジット・ユニオンについては明確な知識が無かったので調べてみると、農林金融に分かり易いレポートがあった。

これが直接的に大手銀行のポートフォリオに当てはまるとかそう言った訳ではないが、一例として何が起こっているのかを感覚的に受け止めるのは参考になると思う。


U.S Central
左が購入時のレーティングで、右が2月23日時点でのレーティング、保守的に格付け機関の内一番低いレーティングを使用。 右の円グラフのNon-Investtment Grade(投資不適格)の内訳が下の円グラフ。



WestCorp



NCUAレポートから。

クレジット・ユニオンを運営上の性格から購入時のポートフォリオを見ても、非常に保守的な運用をしているのが分かる。

WestCorpの場合AAAのかなりの部分がサブプライムよりちょっとましなAlt-AとOption ARMsをバックにしたメザニン債だったそうだ。 CRによるとこれらのポートの購入時期は2006年から2007年、既に住宅バブル崩壊の兆しのあった頃だそうだ。

週明けの相場は中長期ならシーゲル教授の言う通り、割安かもしれないが、短期的にはやはりチキンレースだと思う。

2009年4月11日土曜日

SP500のPER ジェレミー・シーゲル


マンキュー教授のブログにペンシルバニア大・ジェレミーシーゲル教授がWSJに出したコラムの話が出ていた。

マンキューは最初ピンとこなかったそうだが、4月10日のYahoo Financeに掲載されたフォローアップ記事で「なるほど」と来たそうだ。

確かに株式市場全体を評価する上では大変に重要なテーマだ。

2月25日のコラム要約。

「The S&P Gets Its Earnings Wrong」 クリックするとジャンプします 
2008年第4QのSP500インデックスのEPSは計算開始の1936年以来初のマイナスになる予想だ。 また2008年通期でも予想EPS$40となり、PERは20倍になる。

教授は時価総額ベースでのEPSの計算。 つまり実際の損益に時価総額のウェイトを掛ける計算方法を提案している。

現状のSPの計算方法では、500銘柄を全て加算したものを1つの企業として配当や利益その他財務諸表項目を取り扱っている。 勿論時価総額の合計がSP500指数となっている訳だが、2008年では時価総額ベースで6.4%しかない80社が$2,400億ドルのロスを出しており、これがSP500のEPSベースで(-)$27の寄与となっている。

これを時価総額ウェイトで再計算すると、2008年のEPSは$71.70となり、PERは11倍前後迄低下してしまう。 つまりSP500が安値を彷徨っていようが、20倍のPEは高いと言う議論が11倍であれば全く違ったものになってしまうと言う事だ。

つまりSP500の計算方法は歪められている。

4月10日のコラム要約


最終的なSP500、2008年のEPSは金融株の極端なロスから結局$14.97となった。3月31日のSP500、798ポイントで計算するとPERは53.3倍となった。

SPのHPでは「AIGがQ4に$617億ドルと言う記録的なロスを計上し、指数のEPSから$7.10取り去った」とある。 時価総額$3500億ドルのエクソンが稼いだ2008年の収益は$450億、一方で時価総額がエクソンの5%に満たない$150億(1ヶ月前は50億ドルであった)のAIGのロスは通年で$990億もあった。

時価総額に従ってエクソンをポートフォリオの95%、AIGを5%保有したと仮定すると、このポートフォリオのEPSはSP方式だとマイナスだが、時価ウェイトで計算すると、
$45bil x 95% + (-)$99bil x 5% = $39bil となり、PERは9倍になる。

同様にSP500の2008年EPS$14.97も時価ウェイトで計算しなおすと$71.50となり、PERは53.3倍では無く11倍に迄低下してしまう。

割高だと思っていたら割安だったと言う全く反対の話だ。
特損を考慮しない営業利益ベースでも$49.49が$79.40となり、16倍が10倍になる。

2月25日のコラムは話題を呼んだので、SP社にも問い合わせが相次いだそうだが、SPの回答としては現状で結構と言う事で、変更には難色を示している。

不動産価格指数で有名なシラー教授は単純な時価総額方式が正しいとは思わないとしながらも実際のEPSはシーゲル教授の計算よりは高くなるだろうとしている。
債権者などの権利部分を除いた企業のエクィティの価値をオプションとして捉えるならば、オプション理論から500社総体の価値よりも、個々のオプションの和のほうが高くなる。特にAIGや金融株のように少数の株式が極端なロスを出した場合には顕著であるとしている。

通常はSP方式とシーゲル教授の計算方法でも両者に極端な乖離は出ないが、今回のように少数の時価総額の小さい企業が大きな損を出した場合にはその乖離は大きくなるとの事だ。

結論として時価総額ウェイトで保有されたポートフォリオは歴史的に割安な水準にあり、教授個人的にも3月9日はボトムであったと考えるそうである。

簡単に新聞のPERを信じない事でしょうかね。 日経平均は価格加重だからまた違う議論。 日本は自動車とか相変わらず時価総額が大きいですがね。




2009年4月10日金曜日

India Auto industry 


子供の頃に叔父のマツダキャロル360cc(初期モデル)に乗せてもらったときの事を今でもよく憶えている。
その時はエアコンが無いだとか、オーディオが無いだとか、そんな不満は微塵も無く、ただ単に車に乗れる事が嬉しかったとしか記憶に無い。

高校生の時に、兄のVWビートルの乗せて貰って東京から名古屋迄行った事があったが、この頃には真夏だったせいもあるだろうがエアコンが無いのがうらめしく、三角窓から入る生暖かい風と窓を開放しているせいで防ぎようも無い騒音でかなり疲れたのを思いだす。 この頃にはタクシーでも近所の車でもエアコンが付いていたのだ。人間は環境によって要求するものが異なる。

話題の25万円の車、インドのタタ・モータースの「ナノ」が予約を開始したが、9日で7万5000の予約が入ったそうだ。 予約は25日までで、抽選で10万台を限定販売すると言う。
予想外の大人気。 正に需要創出でした。

現状は年間生産能力5,6万台との事だが、来年には西部グジャラート州に年間生産能力35万台の工場が出来るそうだ。

Tata Motors ADR 日本から買えます。

最高級モデルのナノLXはスズキのマルチ800より5%安く、バンガロールでの価格は22万3,115ルピーで約45万円。 スズキが売り出し中のマルチA-starで35万ルピー。

インド自動車工業会(SIAM)によれば、2006年度(2006年4月~2007年3月)の国内生産は前年度比21.4%増の206万4,850台で、うち乗用車は同18.0%増の154万4,850台、商用車は同33%増の52万台、普及率は3%に満たないと言ったところ?

では「ナノ」の評判は?

この車は専門家の評判がどうも悪い。「危険である」「バックミラーが運転手側にしかない」「ワイパーも一つしかない」など。しかし、この車のターゲット顧客は現在の二輪車ユーザーである。バイクに夫婦・子供が一緒に乗っている層、あるいは農村である。バイクに比べると安全であろう。バックミラーが1個しかないといっても、それはインドでは普通のことである。生産体制が確立されれば、一気に販売は伸びるであろう。 竹田 孝治(たけだ こうじ)

欧州からの試乗



朝日新聞電子版の日本人による試乗。


2009年4月9日木曜日

顧客名簿流出事件


「Catch me if you can」 と言うデカプリオとトムハンクスの詐欺師の映画が2002年に公開された。 アメリカでは結構なヒットであったが、日本ではさほどでは無かったと思う。

これはコメディ風に脚色されているが、デカプリオ演ずる詐欺師のモデルは実在の人物でフランク・W・アバネイルと言う。

彼は天才詐欺師で、16歳から21歳の5年程活躍するのだが、その間に26カ国でパイロット(実際には操縦した事は無いから大丈夫だそうだ。)、小児科医(実務はインターンにやらせてた)、地方検事補(高校中退なのに実際に司法試験に合格した)、教授、株ブローカー等を演じ、最も成功した詐欺師として有名になった。

有名になったがゆえに最後は逮捕され、フランスとスゥエーデンでそれぞれ6ヶ月、アメリカで3年間服役する事になったけれど。

出所後は詐欺対策のコンサルタントとして活躍し、モルガン・スタンレー、シティ、バンカメそして勿論FBI等を主要顧客としている。

そして上記映画公開にあわせて、「The Art of Steal:邦題:華麗なる騙しのテクニック」を書きベストセラーになっている。 本の推薦文はトムハンクスが書いてくれたそうだ。

その本によると、アメリカノビジネス界は詐欺によって1年間に4000億ドル(40兆円:執筆時2003年)の損失を被っていると言う推計があり。これには武装強盗や麻薬取引は勿論入っていない。 そしてこの40兆円の内、約3分の1は従業員が雇用主から盗むものだそうだ。 因みに米国の国防予算は国防総省のHPによると2008年度で4,815億ドルだ。 またアメリカでの偽造品の被害も3,500億ドルと推計されるとある。 TARPも真っ青だ。 スティグリッツはP-PIPを「泥棒」と呼んでいるけれど。

日本でもオレオレ詐欺の被害額だけで、2008年1~3月の3ヶ月間で5,618件、78億円、単純に年換算4倍すると約300億円。

3月31日のCNNのニュースによると、アメリカでの2008年のインターネット詐欺の被害額は2億6000万ドル、しかしこれはインターネット犯罪苦情センターに寄せられたデータだけで、実際には被害にはあったが届けないか、あるいはサラミと言って小額を数多くの口座から抜き取る手法で一人ひとりが気付かないケースも多いそうだから実際の推計値はもっと多くなるのだろう。

話はそれたが、フランク・W・アバネイルも危惧するのは、テクノロジーの発達による個人情報の危機だ。

昔の詐欺師は個人のプロファィルを集める(盗む)のに大変な努力をしたそうだが、今ではバルクで簡単に入手できてしまう。 詐欺師は手に入れたわずかの情報を手がかりに次のステップに入って行くそうで、今回のこの事件はこれで終了したとは言えないだろう。 詳しく書くと詐欺を助長することにもなりかねないので、興味のある方は本書を読まれると良いだろう。

簡単な詐欺として切手を貼らずに郵便を出す方法と言うのがあった。 宛名欄を適当に書き、差出人を送りたい住所にして切手を貼らずに投函すると、料金不足で差出人に戻るそうだ。良い子はマネしないようにして下さい。



追記:アマゾンの後で恐縮だが、著者はネットで物なんか絶対に買わないそうだ。 念のため。

2009年4月8日水曜日

ゴールドマン・サックス



GSのロイド・ブランクフェィンCEOはワシントンでの機関投資家評議会(The Council of Institutional Investors)の講演で、CEO報酬の決定等に関して、ウォールストリートは信頼を失ったと語ったそうだ。

 その講演中に女性2名が乱入し、「我々の金を返せ」と横断幕を広げて抗議したようだが、CEOは抗議した女性と握手し、「演壇から降りて頂ければ最後に対応します」と言って降りて頂いた。

  GSは$100億ドルの公的資金の注入を受けてはいるが、今返還に向けて画策している。 過去の日本と同じようにガイトナー財務長官としては「必要無いのは分かるけれど、他の銀行の立場もあるから出来れば公的資金の返済は待って欲しい」ところだろうが、乱入騒ぎで事態は少々変わるかもしれない。

GSの1Q(Dec08-Feb09)のEPSコンセンサスは$1.70だが、昨日アトランティック・エクィティーズのアナリストが「債券取引による利益拡大と時価会計によ る損失が小規模にとどまるとの見方」から自身の予想$0.80から$2.10に上方修正している。  

ステイト氏の予想ではトレーディング収入は61億ドルと、2007年 第3四半期以来の高水準に拡大する。投資銀業務による収入は9億 2500万ドルへの減少が見込まれる。トレーディング部門および自己勘 定取引部門は時価会計による損失が22億ドルと予想されている。」BLP



GSのボトム11月20日基点。
SP500, 銀行株指数、GS

株価の動きは昨年11月20日に大底、SP500よりは上海株価指数に近い。



財務省は銀行ストレステストの結果発表は銀行決算終了後、来月にするかどうか検討中との事。 結果発表に関しては、秘密にすると返って疑われるし、堂々と出すのも怖いと言う事で結構もめていたようだ。

機関投資家評 議会(CII)の春季会合の様子。
右下、iphoneで撮影している人がいるのが興味深い。
横断幕と握手は別のシチェーションか、ここには無い。












2009年4月7日火曜日

PPIP 3


Philadelphia Bank Index  29.61  -1.18

2007年10月スタートの$30億ドル規模の私募 Pimco Distressed Mortgage Fund LPがインセプション以来マイナスの33%の運用成績となっているそうだ。 

PEHUBによるとさらにセカンダリーで$30億ドルの追加募集をしたが、$2.24億ドルしか集まらなかったとしている。 PIMCOとしてはPPIPに頑張って欲しいところだろう。尤もPIMCOだけの問題ではないけれど。

ブルンバーグによるとモルガンスタンレーのグレッグ・ピーターズは官民投資プログラム(PPIP)は一般のディストレス社債への需要を弱めかねないと懸念している。

それは再三経済学者達から指摘されているように、PPIPは投資家に有利に設定されているからに他ならない。一種のクラウディング・アウトが想定されるのは当然だろう。
オマケのついていないディストレスなぞ、買えないよと言う訳だ。

そうした中、米財務省は、

1)PPIPの民間資産運用会社の参加申請日を24日までと、2週間延期すると発表した。 運用会社の暫定的な決定を5月15日に通知。

2)運用会社数も3月発表の5社から増える可能性もある。 現在の運用会社の選考基準は運 用資産として100億ドルの商用不動産および住宅ローン担保証券を 保有し、少なくとも5億ドルを民間から調達できる企業に限定されて いるが、小規模な運用会社にもプログラム開放を検討する。

3)PPIPの対象資産は:民間銀行が2009年までに販売し、当初「AAA」の 格付けを付与された住宅および商用不動産ローン担保証券に購入対象 を限定しているが、財務省はほかの資産にまで対象を広げるかどうか 資産運用会社から意見を募ることを明らかにした。

要するに検討期間延長、運用対象拡大。
金融株の戻りをエンジンにした回復もちょっと一服?

2009年4月5日日曜日

インドな週末


週末はインド関係の本をまとめて読みました。
この本の読み方が良いのか、もっと読むべき本があるのかは未だ分かりません。
どなたか教えてくれると有難いと思います。

成功するインド株 高橋正樹
インドの衝撃 + 続 NHKスペシャル取材班
インド経済の実力 門倉貴史

それに、既読分であえて付け加えるならば ファリード・ザカリアの「アメリカ後の世界」の第5章「民主主義という宿命を背負うインド」だろうか。

BRICK'S投資のブーム期が今回危機の直前にあったので、これらの本はそれぞれの書かれた時期によって当然ながらトーンは違うし、投資を目的に書かれた物、あるいは地政学的な観点っから書かれたものでは元々フォーカス自体が違うので、どれがどうでは無く、いずれも大変勉強になりました。

まあ可能性がおおいにあるが大変な国で、大変な国だが将来は広がっているようだ。

またHP関係もまとめておいたけれど、日本語で書かれたものは数が少ないので、インドチャンネル(インド株式オンライン)が良いのだろうと分かり易いが、英語版になるとThe Times of Indeiaなんかが面白そうだったけれどこれがメジャーなのか他にあるのか、なにしろ沢山あるので未だよく分からない。 もう少し情報収集してみたいと思う。

中国と比較すると英語の情報が多いので比較的グリップ感は出易いととは思うけれど、なにしろインドには17の言語と22,000の方言があるそうで、どうもにも奥が深そうだ。

アメリカはイラクからアフガンに兵力を移動させてアフガン制圧にかかるとすれば、パキスタン問題への影響も考慮せねばならずインド情勢は日本から日本の情報ソースだけでは難しいのいかも知れない。 

2005年当時の状況でもインド株式は「いずれ外人にも開放されて」とあるが、2009年の今でも未だ開放されておらず、投信かHK上場のETF、あるいはアメリカ上場のADRに投資手段は限られている。
と言う事は開放された時の恩典に預かれるチャンスは未だあると言う事だ。 今後はもう少し意識していこうかと思う。

僕の知り合いのジム北川さんが、外国株広場で米国市場の解説を実験的に始めた。 そのうち有料になるのではと思うけれど、久しぶりに聞くとやっぱり非常に分かり易い解説だ。 是非見て下さい。

2009年4月2日木曜日

PPIP ガイトナー・プラン 2


米国ISM指数や、自動車販売等にも景気底打ち感が出始めて、市場は堅調を維持しているが、PPIP(ガイトナー・プラン)に対する経済学者達の批難は勢いを失っていない。
これらの示唆するところは短期的な底打ちに対するものでは無く、中長期的な金融市場の回復に対する疑念だ。

昨日はステイグリッツがNew York Timesに「Obama's Ersats Capitalism」 Ersats=模造品(ドイツ語)、趣旨は僕のブログでも書いたが結局納税者が損を引き受けるスキームである事と、FDICの保証を使用するなど議会の承認を必要としない形で国民に負担を与えている点だろう。 つまり損失の金額と責任の所在の曖昧化。

また31日にはクルーグマン教授が、「ガイトナーさん」と言う日本語を使った題で、日本の「失った10年」を一番良く知っている人としてAdam Posenの「Does Obama Have a plan B?」と言う記事を紹介している。 そこではオバマ大統領は1990年代の日本と同じ間違い、つまり不良債権を価格付けしてきちんと処理する事を避ける、を繰り返そうとしているとある。 他の国の場合はあれこれご指導、忠告できるが、自分の国になると難しい。と言う話だ。

確かに当時、アメリカからのご指導は多かったが、実際その通りになった事も忘れてはならないだろう。

アカデミズムからの警告は、つまり、今回の不良債権処理スキームは結局うまく機能しない可能性が高く、今回の各種経済指標の戻り(戻りと言うほどに戻ってはいないが)は一過性で、やはりベアー・マーケット・ラリーなのだろうという事。 投資家もそんな事は承知のスタンスだが、だからこそ(及び腰だからこそ)フラフラとマーケットは上昇してしまうのかも知れない。 ここから先は少々チキンレース化しそうにも思うけれど。

中国に関するレポートは「在庫積み増しリスクはあるものの、景気対策による内需下支えが確実に進展している事」指摘するものが多く、日本でも投信は売れているようだし、議会もうるさいアカデミズムも無いと言うことで、今のところ世界で一番堅実なように見える。

2009年4月1日水曜日

ケース・シラー住宅指数とその他


米国金融機関が不良債権問題はあるにせよ今四半期黒字化しそうな事と、ズルズル長引きそうであったGM問題にオバマ大統領が毅然とした態度をとっている事等から、ケース・シラー住宅指数の悪化が材料視されなかった。

これは行き過ぎから反転を見せ始めた先行的な指標ではなく1月の数字である事が大きいと思う。

1月のケース・シラー指数はコンポジット10で-2.5%ピークから30.2%、20で-2.8%ピークから29.1%の調整となった。前年比では10で19.4%、20で19.0%だ。(グラフはcalculatedrisk)


CRではサンフランシスコの価格別の動向もグラフ化している。
High Tier>$527,385>, $527,385>Middle Tier>297,909, $297,909>Low Tier の3種に分けてある。

最近のニュースでサンフランシスコで家賃がローン支払いよりも割高になった為に、賃貸を止めて持ち家に換えたというものがあったが、グレード別の価格動向には大きな差が認められる。 サブプライム等低所得者向けローンが問題化したのであれば当然だろう。  2001年までこれらはパラレルに推移してきた事から見れば収束の兆しは未だ見られないとしているが、それは分からないと思う。



米国消費者の購買力に影響の大きいMEWは24日に2008年第4Qのリリースがあったが、勿論突っ込んだままだ。 それにしても過去を見ると、改めて不動産市場回復の個人消費に及ばす影響の大きさがわかり、今後の米国個人消費回復が容易では無い事を示唆している。

一方で短期的な反動としてはレストラン指数がある、これはウォチャー的指数でブレは大きいが先行的だ。


株価反発期の反映されやすい3月調査の日本の景気ウォッチャー指数も4月8日14:00発表予定だが、先行指標を用意した堺屋太一さんには感謝が必要になるかもしれない。

本日の日経経済教室は大阪大学 小蔦典明教授、「労働者派遣法改正案と企業経営」: 「直接雇用、期間3年だけでは義務生じず」は僕も誤解していた。

内閣提出法案の眼目、日雇派遣(日々または30日以内の派遣)の禁止は、総選挙時のスタッフ、日雇い派遣なしでは戦えないと言うのも面白い。 海外流出加速の懸念は当然だ思う。

2009年3月31日火曜日

世界の銀行ランキング


Financial Times のInteractive graphicsに世界の銀行株時価総額トップ20が取り上げられている。
インタラクティブだから可動式になっており、1999年から現在までその変遷を見ていける。
色々と示唆しているので、是非訪問してみると楽しめると思う。
FT Global 500がベースとなっている。


2003年の日経平均の先の大底近辺では、勿論トップはシティで主要銀行は米国国旗で埋められているが、


小泉改革、2005年の郵政選挙後の2006年は、日本の銀行株が復活。


そして直近では、共産主義国家の某国の銀行が席巻。さらにユニオン・ジャックは中国圏と関わりの深い香港上海銀行。ブラジルとカナダも見逃せない。  全体としての規模は勿論縮小しているが、感慨深いものがる。



2009年3月30日月曜日

マジノ・ラインと少子化


第1次大戦後から少子化問題を抱えていたフランスは、大戦中の多くの死傷者の影響もあり、陸軍の動員兵力の問題を恒常的に抱えていた。従って降伏し疲弊したドイツに対する脅威は衰えず、積極的な軍備よりも、むしろドイツとの国境を難攻不落な要塞で固めてしまう道を選んだ。第1次大戦、西部戦線の過酷な塹壕線の膠着状態による大量の戦死者を出す戦術を避けたかった事もあり、1936年から国境沿いにマジノ・ラインと呼ばれる要塞を延々と建設しドイツに備えた。

要塞に注力し防御的な戦略に甘んじた為、当時主力戦力化しつつあった航空機や戦車等の近代的な兵器装備に遅れを取ってしまったと言う分析もある。

第2次世界大戦時ナチスドイツはこの国境沿いの膨大な要塞をあえて迂回、フランス軍はなまじ要塞に戦力が貼り付けられていた為、航空機と機甲師団を中心に電撃戦を採用するナチスドイツはまさに無人の野を行くがごとく進撃し、5月10日のベネルクス侵攻から1ヶ月でパリを放棄させてしまった。

マジノラインは正に無用の長物だった訳だ。 湾岸戦争時固定化した戦車部隊の後方に降下部隊を投入されたイラク軍戦車部隊を思い出せますね。 守りに入ると危ないと言う教訓か。

前置きが長くなってしまったが、今朝の日経朝刊、月曜経済観測は第一生命の森田会長による「日本の弱さ外国人注目」と言う少子化対策の話だ。

僕も東京市場つまり日本経済の抜本的な問題解決には結局この政策が欠かせないだろうと思う。 人口を増やせと言うのではないが、少なくとも国力を維持できる人口構成を設計する必要があるだろう。 政策は遅々として進んでいないようにも見える。 票にならないからね。


株式市場ではお馴染みの、ハリー・デントJrの「46歳が人生において一番お金を使う」と言う、46歳前後の向けて世代別人口が増加する時、住宅や車が売れて株式市場も盛り上がりを見せると言う株価シナリオがある。日本の80年代のバブル時もこのシナリオは説得力を持っている。もっとも最近書かれた彼の本は大はずれだったけど。

2年ほど前にNYのコンファレンスで資金集めの為にこれを無理やりテーマにプレゼンをしたのだが、全く相手にされなかったのを思い出す。 今から思えば競合しているファンドが中国やインドであればそれも仕方の無い事だろう。 もちろんプレゼン下手も大きな要因だとは充分認識しているけど。

日本も実は今、細かく見ると団塊世代Jr,がこの年齢に向けて加齢中であるが、山が小さい事と世代会計上の世代間格差の問題でその影響力にはあまり注目されていない。 さらにその後が絶望的にすら見える。

日本の少子化問題は90年に「1.57ショック」と言う出生率の大幅低下がきっかけで社会問題化したのが始まりであるが、奇しくもバブル崩壊の年であったのも因縁めいている。05年に1.26を付けて07年に1.34に回復とあるが、低い事に変わりは無い。

そんな中で、アメリカは出生率2.1を維持している。もっとも白人に限定すると一般的な欧州並みに少子化問題があるようだが、大統領も白人ではないのだから、白人に限定しなければならない理由は無い。


人と話してて思うのだが、中国への認識。 一人っ子政策の影響で労働人口は2015年にはピークを打ってしまうので、中国株に対する期待は人口動態的なポイントよりも、産業構造の転換、つまり第1次産業から工業化と言うのが中国株のポイントになっている訳だが、結果が伴わない時は意外にこれが原因となるかもしれない。


最後に森田会長も指摘している少子化問題の優等生フランスだ。出生率は2を回復している。



これはウェブで見つけたのだけれど、国立国会図書館調査及び立法考査局社会労働調査室 柳沢房子さんから「フランスにおける少子化と政策対応」と言う非常に参考になったレポートが出ているのでリンクしておきます。

人口ピラミッドはここで。

2009年3月27日金曜日

G20



日経平均は一目均衡表で雲を上に抜けてきた。

3月初旬からの上昇率は高く、当初想定していたレンジには早くも到達してしまった。
こんな急に上がってしまって大丈夫だろうか? と言ったところだ。

米国PPIP(ガイトナー・プラン)の途中経過が出るのがもう少し先だとすれば、目先の焦点は来週4月2日のG20だろう。

G20では、日本はカヤの外気味だが、各国が調整に入って来ている。
昨晩の海外ニュースではG20絡みが圧倒的に多い。

景気対策は各国積極的に行なっているので、議題は以下になると思う。

1.IMFを中心とした周辺国対策 欧州を意識-反対は無いだろうから規模の問題だ。
2.ヘッジ・ファンド等、影の銀行システム対策

欧州は銀行に類似する形でのヘッジファンド規制を求めているが、米国は行きすぎには警戒的なスタンスを取っている。

ガイトナーは規制案を出しており、システミック・リスクを監督する組織の設置を考えているらしいが、そもそも今回の金融危機においても、バーナンキ始めFRBが予見できなかったものをどうやって予見するのか、シンプルな疑問も出ている。 登録強化と情報開示のレベルの問題になるだろう。

ヘッジファンドのレバレッジは全体で08年に1.7倍から1.4倍に低下、一方で銀行や証券が40~50倍あった事からみれば問題をヘッジ・ファンドに矮小化してしまう可能性もある。 

ソロスは怖い事を言っているが、株式市場としてどう取り上げるかはG20を通じて取りあえず今のところ中立だろう。 可能性は少ないがSDRを通じたドル問題がクローズ・アップされるリスクは注意しておきたい。

日本では、来月、日銀短観、8日には景気ウォーチャー等があり、昨日のトヨタの5月から減産圧縮のニュース等から見るに、下がり過ぎからの回復傾向は暫く続くと思う。

中期でのポイントは「未だ何も解決していない」事だろう。

2009年3月26日木曜日

American Trucking Association


ガイトナー・プランへの応酬も一段落したようだが、コレは未だ誰も具体的な数字を示せない為に例示的な根拠ばかりで具体的な議論にならないからだろう。。 

昨晩のNYTのDeal BookではRochdale Researchの銀行アナリストRichard Boveが「クルーグマン教授の言うように不良債権はそれほど酷いのか?」 と言うレポートを出した事を扱っている。

クルーグマンは経済学者なので、マクロ的な不良債権の把握をするのであろうけど、Bove氏はFDIC(Federal Deposit Insurance Corporation)のデータからバンキングシステムのローンの97%は健全だと示し、銀行の国有化は財政赤字の面からも現実的では無く、レバレッジ・マネーを使うガイトナー・プランは合理的だとしている。

勿論このまま受け取るわけには行かないけれど、ルービニやクルーグマンはCNBC TVとかで売れっ子の芸人状態であった事も確かで、市場参加者もあきてきたかもしれない。 但し、世界的な事例研究では多くのデータを持って語っているわけだから、注意して聞く必要があるのは当然だ。

GSが公的資金の返済を求めているし、Wels Fargo も公然と「頼まれたから、公的資金を受け入れたのに、ガタガタ言われるのはかなわん」と言っているし、BOAは直にかえそうではないが、状況が少しでも変われば返したいとしている。   

BOAは額面どおり受け取れないが、そうすると国有化って大規模バンクではシティの事しか思い浮かばないけれど、そう言う事か。


景気指標が思っていたより良い、とか言う数字が出始めた。 これはこれまでの下落があまりに急だったため、ゼロになるわけでは無いからどこかで下落のペースは落ちると言う類の話だが、今の株式には好材料たりえる。

アメリカトラック協会のトンネージ・インデックス(2000年=100とした輸送量インデックス)が12月の大幅落ち込みの反動を示している。 協会のアナリストは落ち込みの反動で油断はならぬと警戒しているけど、取りあえず底を打ったと見るのも可能だ。 2ヶ月連続の切り替えし前月比1.7%の増加。


新規住宅販売は、グラフで見ると寂しい。 また注意点は中古販売(既存住宅)とのギャップについて認識しておく必要がある。 要は抵当流れの物件が販売され制約しているため中古住宅は数量を維持している。   Calculated riskでも底を打ったとは判断できないとしている。  そりゃそうでしょ。

2009年3月25日水曜日

ガイトナープラン PPIP

官民共同不良債権買取制度とか色々な呼ばれ方をしている今回の不良債権処理制度は「ガイトナープラン」が取りあえず使用法としては多いようだ。

昨晩のニューヨーク・タイムス電子版Opinionでは、基本的に問題銀行の国有化が必要だと考えるノーベル賞学者、クルーグマンが何度も意見を投稿しサマーズや読者の間でやり取りがあった。眠くなったので寝たけれど。

ポイントは、おおざっぱに言うと。流動性の問題(皆が一度に売ろうとするから)で資産が実際の価格よりも酷く落ち込んでいる為に銀行が破綻(国有化)の危機にあるので、流動性が回復しさえすれば大丈夫。 なのか。 流動性の問題では無く、実際の価格自体が銀行を破綻させる価格になっているかの違いだ。

国有化を避けたい政府としては新ファンドの投資家として想定されるPIMCOやブラックロック等ともプランの打診をしながら設計したのであろうから、投資家(実務家)サイドは高く評価する形となっている。 何しろ政府と折半出資するエクイティに6倍のレバレッジを掛けて、レバレッジ部分はFDICが保障するスキームだから投資家としては悪い話では無い。 損益は非対称になっている。 

エージェンシーの問題を再び抱え、今回の危機の反省点が無いといえば無いプランだ。 逆用しようとしてると言えば言える。

一方で、FDICは公社なのだけれど、基金は参加銀行が出している。 従ってFDICが保証すると言う事は優良銀行から不良銀行への資金の移転とも言えるが、自分で保証する点はどこか過去の日本での不良債権処理をも臭わす。その時の失敗点は参加者がいなかった事で、反省点は不良債権の厳格な評価であったような気がする。

従って賛成派は政府と、この虫の良いスキームに参加できる投資家。
反対派は経済学者。クルーグマンが目立っているが、スティグリッツも「泥棒」と決め付けている。ブルーンバーグ日本語版で消極的な賛成のようにも報じられているけれども。 

失敗時に想定される被害者はTaxpayerといったところはいつも通り。 でもこれで金融部門が急回復すればTaxpayer達はもちろん恩恵を受ける。経済的に不利なだけだ。

日本の軽蔑されるべき株屋としては、取りあえずこう考える。

民間からの資金は1兆ドル規模のスキームでも8%、800億ドル。計画時に主要プレーヤーが絡んでいる事と投資家有利な事から考えると集まらない金額では無い。

不良資産の価格はスキーム性格から実際の価格より高めに決まるだろうから、売り物が出そうな気もするが定かでは無い。ここが第1のポイントだ。
仮に売り物が充分に出たとして、スキームの成否は景気回復の度合いに大きく依存している。のはいつも通りだ。

従ってこの件での株式市場の評価はここまでで、以降は景気動向をルーチン通り見て行こう。

2009年3月23日月曜日

官民投資プログラム PPIP


オバマ政権が先月詳細の無いプランを発表して市場を冷やしてから1ヶ月、官民投資プログラムの詳細を発表した。

この間来月半ばに発表の予想される銀行のストレステストが同時に進行している事にも注意を払う必要がある。 尤もこちらは出来レースになる可能性が高いと思うが。 其の事が材料として重要視されない可能性を持っている。

総額が5000億円~1兆円と言うことに規模に対する不安が残る。少なすぎる。
価格決定を民間に任せる事で不良債権の市場形成も目論むとあるが、簡単には行かないだろう。

エコノミストやアナリストは弱気バイアスを持っているので、批評は厳しいだろう。

24日朝07:17追記

時価総額はバンカメで$49.93B, シティで$17.14, 1兆7千億円相当。
完全な国営化の可能性が薄まり、既存株主分が守られる可能性が高まったとすれば、米銀が以前程の収益力を取り戻せないと仮定しても時間さえかければ数倍~十数倍の時価総額が適当な銀行になれる可能性は高い。 



2009年3月22日日曜日

週末雑感 090321


麻生首相の「株屋は信用されていない」発言も、土曜遅く帰宅してNEWSを見て衝動的に書いてしまったが、目くじらを立てるような話でもなかったかと思う。

週末に配達された日経ビジネスの今週号は「恐慌のゆくえ」がテーマで米国での万引きの増加、ユーロの国家破綻など、サブテーマの「生保危機、再び」と並んで悪い材料を列挙してくれている。 一方でアジア版ニューディールなどあまり報道されない良い話も含まれている。 

 また旬のキーワードでは文字通りなにかと話題の旬なテーマ「ケインズ経済学」を早稲田の若田部教授が、最近の経済学の流れに沿って解説してくれており、分かりやすくて重宝する。

ドル円が少し不安定になっているが、週初に金融危機対策が出そうなので、米国市場はすこし調整が入っても大崩はないと思う。

上海市場がかなり戻して来ている。

コメント欄での匿名さんのアドバイスもあって週末はカポーティの「冷血」、そしてついでにDVDで映画版の「冷血」と映画「カポーティ」も見た。論評するには未だ早い。

今週は「心臓を貫かれて」を入手したい。

実は、オードリーの映画「マイ・フェア・レディ」(ロンドンの高級住宅地メイフェアのコックニー読みでマイフェアらしいが、)を見た、これは放送大学の演劇入門でミュージカルとして教材になっていたものだが、3時間もある映画なのに冗長さが全く無く、改めて見ると、スケールの大きさに圧倒されてしまう。

当時で1700万ドルの制作費をかけたそうだが、DVDのおまけのメイキングを見ると、競馬場や舞踏会での衣装に大金がかけられている。 また歌の部分はオードリーでは無く、吹き替えになっており、オードリー自身もその事が気に入らなかったようなのだが、DVDでは彼女のオリジナルの歌声も入っており、吹き替えよりもずっと魅力的だ。

元々、ブロードウェイ・ミュージカルで成功したから映画化された訳だが、ミュージカルでは「メリー・ポピンズ」や「サウンド・オブ・ミュージック」のジュリー・アンドリュースがヒロインを演じてた。 ハリウッドは大枚をはたく為に失敗できないことから、主役をスター女優のオードリーに、脇役はミュージカルのオリジナルメンバーで固めて映画化した。   

「マイフェアレディ」の公開された1964年は、「メリー・ポピンズ」の年でもあり、アカデミー主演女優賞は皮肉にもメリー・ポピンズのジュリー・アンドリュースが貰う事になったそうだ。余談でした。


株屋は信用されていない


「やっぱり株屋は信用されていない」-。麻生太郎首相は21日、株価対策などをテーマとした有識者会合で、個人の株投資を促す必要性を訴えた松井道夫・松井証券社長の提言にこう応じた。企業経営者の経験をアピールする首相だが、株投資には冷ややかな姿勢を見せた格好。出席者からは「好ましいことではない」(安東俊夫・日本証券業協会会長)と困惑する声も出ており、不適切発言として新たな波紋を呼びそうだ。

 政府は個人マネーを株式市場に呼び込むため、「貯蓄から投資へ」とのスローガンを掲げている。この日のやりとりの中で、首相は「株をやっていると、地方だと何となく怪しい(と思われる)。私は地方出身だが間違いなくそうだ」とも発言した。 3月21日16時30分配信 時事通信


一体誰がこの人を日本国の宰相に選んだのだろう。少なくとも国民は選んではいない。解散すべきところを、議院内閣制の欠点とも言える形を提示しつつ居座っているだけの人だ。 もう良いから自民党の誰か大人の人に謝ってもらいたい。

多分僕なんかが言わなくても、沢山の人がこの言葉を取り上げるとは思うけれど、資質の面で合理的に考えても宰相として不適切な人であることに間違いあるまい。海外のマスコミも面白く取り扱うだろう。 そしてきっとアメリカならば1930年以前のような感覚の発言は奇異も通り越して、不思議の世界だろう。  今は株屋じゃなくてAIGだよって。

この「株をやっていると、」と言う場合のやっているとはどうのうな意味なのか?
まるで競馬、競輪のような捕らえ方なんだろう。 今時競輪や競馬でもこんな首相から軽蔑される覚えは無い。

株屋と言う軽蔑的なボキャブラリーの使用の仕方そのものにに彼の資本主義国家の宰相としての資質の不適切がはっきりと表現されている。
信用されていないのは松井道夫ではなく、具体的な報道機関によるアンケートによってどのくらい信用されていないのか明確に示されている彼自身ではないのか。

もう少し正確にに問題点を指摘すると彼自身の考え方そのものでは無く、こう言った発言の及ばす影響を思慮できないところに問題がある。 オバマ大統領が聞いたら暫くは何を言ったのか理解が出来ないだろう。

人口が減少し、工業が成熟しているこの国が世界の中で投資以外でどうやってこの先食べていくのか?
何か変だぞ自民党。 

2009年3月18日水曜日

価格統制


1960,70年代のNY市、ブロンクスでは40%の住宅が放火によって消滅したそうだ。

これは別に治安の悪化が原因では無く、この事が廃墟化をすすめ、人の住み難いエリアにしたのだと想像する。 放火の主は誰でも無い、家主自身だった。 賃貸価格の上限を制限(レント・コントロール)によって家主は賃貸住宅から利益を上げられなくなり、結果、損が垂れ流しになり且つ変な連中に住まれるよりは、燃やしてしまって保険金から住宅購入の借金を減らしたほうがマシだったからだ。

この事に限らず、価格統制は機能せず、結果経済全般に非常に悪い影響をもたらすことは経済学では常識だ。

マンキュー教授もブログで取り上げている。

今アメリカでは、アラスカ州の石油、バーモントのミルク、NYやサンフランシスコのレント・コントロールと価格規制の議案が通過しようとしている。 殆ど全ての経済学者が反対しているにも係わらずだそうだ。

経済的なポピュリズムは、こうした不況下では票を集め易い。と言うか逆に反対すれば批難にさらされるだろう。  NYなどでは、州上院のマジョリティーが民主党であり、これまで何度と無く廃案にされてきたレント・コントロールも今回は通りそうだとの観測だ。

翻ってわが国、今日発表の朝日新聞の世論調査ではポピュリズム丸出しの各種バラマキ案にも係わらず、いまの政治に対する不満はややが31、大いにが60で合計91%が不満だそうだ。生活への不満は61%だから、これは政治不信でしかない。

色々面白い質問もあったので見ておくと良いかもしれない。



AIG 賞与問題


株式市場が反発を見せているが、米一般国民の間ではAIGのボーナス問題が槍玉に上がっており、政府や議会としては対処を誤ると一気に支持率を落としかねない。

CNBCなどでも株式コメンテーター、ジム・クレーマーらが煽っている。

1800億ドルの公的支援を受けている、AIGが1億6500万ドルの賞与を幹部に支払うのは額面どおりだと話に無理がある。これらのボーナスは2008年当初、問題が表面化する以前に在籍賞与としてコミットされた額なので、今更取り消しは契約違反なので、支払いを停止すると訴訟沙汰となり、政府としては対応しきれないし、勝ち目も無い。

オバマ大統領もこれは暴挙と指摘し、ガイトナー財務長官に「あらゆる法的手段を使っても阻止せよ。」と支持している。共和党も民主党もこの件では一致している。 当然だ。

NYTによると、そこで両党議員共同で、「政府からお金を受け取った企業の支払う1人当たり10万ドル以上のボーナス」に関しては100%の税率とする案が準備されているそうだ。 

追記:3月19日
[ワシントン 18日 ロイター] 米下院は、保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)(AIG.N: 株価, 企業情報, レポート)の幹部に支払われた賞与の大半を取り戻すための法案の採決を19日にも行う見通し。民主党指導部が18日明らかにした。法案は、所得が25万ドルを上回る幹部の賞与に90%の課税を行うもので、政府から少なくとも50億ドルの支援を受け取ったすべての企業の幹部を対象とする。AIGは政府から1800億ドルの支援を受けている。
下院のホイヤー民主党院内総務は、法案が圧倒的な賛成多数で可決されるとの見方を示した。同法案は優先審議事項とされており、可決には3分の2の賛成が必要となる。これには共和党の賛成票が必要となるが、同法案に関する共和党下院議員のコメントは、現段階で得られていない。

2009年3月17日火曜日

FASB 時価会計


アップ・ティック・ルールの復活と共に話題の多い時価会計、特にグループ3の評価の困難な部分についての話だ。上場有価証券の話では無い事に注意が必要だ。

[ワシントン 16日 ロイター] 米財務会計基準審議会(FASB)は16日、時価会計についての適用指針として、企業に対し、市場や取引状況についての判断に一段の自由裁量を与えることを提案した。
 審議会メンバーは、この指針により資産価値が押し上げられ、投資家に対する米銀の魅力が高まるとしている。
 FASBのハーツ会長は、指針を受けて各企業が資産査定で一段の判断能力を付与されることを望むと発言。企業は過度に低い価格ではなく、本来の秩序ある市場で取引されたとの仮定で資産評価を行うべきと述べた。
 会長によると、現時点では、市場の非流動性を証明できない場合、最近の取引価格を適用しなければならないことが前提となっており、しばしば、現在の低い流動性を反映した低価格での資産評価を余儀なくされている。今回の指針はその仮定を覆し、企業は、同様の資産が強制的な取引などで売却された際の価格以外の情報を用いて資産評価を行えるとしている。
FASBは15日間にわたり指針について意見を募り、4月第1週の発効を目指す。 以上

経緯:
金融機関の評価損が金融システムに大きな影響を与える中、12日に開かれた米課下院融委員会・資本市場小委員会でFASB(財務会計基準審議会)のハーツ会長出席にもと、時価会計規則に関する公聴会が持たれた。
ここでFASBは議会から、

  • 3週間以内に新指針の策定。
  • 策定に当たっては市場の分類方法や例を示す。
  • FASBとSECが行動しなければ変わりに議会が行動-独自の法制化
  • 進展状況を見る為に4月中旬に再度委員会を開催

の要請と言うか恫喝と言うかを、約束をさせられた。

本来FASBは独立機関なので、政治的な干渉は受けないが議会と世論の強行な姿勢に押された形だ。

実は大恐慌時代にも時価会計に関しては撤廃された経緯がある、FRBは1938年に会計原則の撤廃を勧告、ルーズベルトは勧告に従い時価会計を撤廃している。

FRBのバーナンキ議長は10日のワシントンの講演で、基本的に時価評価を支持するが、非常時にはそれなりの指針が必要との認識だ。以下

会計規制
同議長は銀行に負担となっている恐れのある会計規制と資本規 制についても見直しを訴えた。「将来を適切に見据えた資本規制に なるよう見直すべきで、資本は好調なときには積み上げ、困難な時 期には取り崩すという緩衝材の役割を果たすべきだ」と主張した。
さらに「価値と損失引当金をめぐる会計基準を一段と見直すこ とは有用で、景気循環の影響を弱める会計規制に変化できる可能性 がある」と述べた。
時価評価会計について問われると、バーナンキ議長は「時価評 価会計の基本的な原理を強く支持する。それは金融機関のバランス シートの透明性と明確性をできるだけ高めることだ」と指摘。「時 価評価会計の停止はまったく支持しない」と付け加えた。
ただ、金融市場が緊張状態にあり、市場で値がつかない場合や 流動性が極度に低いような場合は、時価会計による「数値は誤解を 生んだり、あまり有益でなくなる恐れがある」と述べた。そのよう な場合、規制当局は資産評価において妥当な方法で指針を提供する ことが可能だと語った。(Bloomberg)

2009年3月16日月曜日

G20 船頭多くして船山に登る


20ヶ国財務省・中央銀行総裁会議のロイター・ジャパンのニュースの見出しだ。


4月2日にG20のサミットが予定されているので、山に登ってしまった船頭達ももう少し纏まりを見せるだろう。

ところで、この船頭は記事中の東海東京証券の斉藤チーフ・エコノミストのコメントからの借用なので、当然英語版にはこれに相当するものは無い。


Magic bulletは魔法の弾丸では無くて、特効薬だ。

とあるサイトを見ていたら、「船頭多くして船山に登る」を長い間勘違いしていた人がいて、船頭が沢山いるので、山に登るなんて凄い偉業が出来た。 と言う例え話と勘違いしていたと言う事だ。
つまり皆で知恵を出し合えば凄い事が出来る。 と言う解釈だ。素晴らしい。嫌味のかけらも無い。こんな方ばかりであればサイコパスも恐れをなすかもしれない。

因みに英語では、”Too many cooks spoil the broth.”だそうで、味気も何も無い。


話は変わって、高橋洋 x 長谷川幸洋 「百年に一度の危機から日本経済を救う会議」買いました。

付箋キーワードは以下、

物価連動国債、クルーグマン+バーナンキ、道州制における補完性原則、消費税を年金の財源にすると地方分権が危ない、マスコミの絶対的善、「財務省の更問い」、道路需要推計計算の間違い、SWF,為替介入における不胎化

しかし、こう言う本もハードカバーになるんですね。 1,400円は高い。 売るほうも売るほうなら買うほうも買うほうだ。の一冊。