2010年1月4日月曜日

委託報酬の高いファンドの方が低いファンドよりパフォーマンスがよいか?


日興ファィナンシャル・インテリジェンスから「ファンドの信託報酬についての考察」と言う興味深い論文が出ております。

ここではファンドの費用として、販売手数料や解約手数料の「直接費用」と信託報酬、監査報酬、売買委託手数料のように信託財産から差し引かれる「間接費用」に分類し、このうちの信託報酬について分析・考察されています。


信託報酬が意外と低下していない事や、パッシブとアクティブ手数料のレンジがグラフ化されており、統計的な意味においても貴重でしょう。


さらにここでは3つの仮説をたて検証が行われています。

(仮説1)委託報酬の高いファンドの方が低いファンドよりパフォーマンスがよいか。
高い委託報酬→高品質な調査→高いパーフォーマンス?

(仮説2)販売報酬の高いファンドの方がその資金流入が大きいか。
販売報酬は販売者のインセンティブとなっているか?

(仮説3)規模の大きい運用会社の方が委託報酬あるいは販売報酬は低く設定されているのではないか。
規模の利益が機能しているか?

結果は是非レポートを読んでいただくとして、仮説1に関してだけお話します。 1年のパーフォーマンス比較では委託報酬の高いファンドが良いリターンを残していますが、3年、5年では負けてしまっております。著者はこれらの期間における相場付きから、1年は上昇、3年は下降、5年はもみ合い局面と考えられますので、リスクの取り方が注目されるところだとしてリスクも集計しております。

リスクに関しては委託報酬の高いファンドが高いリスクを3年、5年で取っている事が検証されております。 これは何を意味するのでしょうか?

仮説にあった、高い委託報酬→高品質な調査→高いパーフォーマンス?は棄却されておりますが、運用者が信託報酬が高いと認識している場合、当然実質で他のファンドをそのコストの高い分をアウト・パーフォームする必要が出てきます。 従って高めのリスクを取らざるを得ないとも考えられますね。

レポートの印象としては検証期間がもう少し長ければ(数年におよんでいれば)色々な事が言えたのではないかと思いますが、取りあえず面白い論文でありました。

ではまた。


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