2010年1月14日木曜日

Google 対 中国政府


2月に東京で開催される女子サッカーの東アジア選手権において北朝鮮女子代表チームの入国が危ぶまれる出来事がありました。

拉致問題担当相を兼務する中井国家公安委員長が対北朝鮮に対する制裁問題からチームの入国に反対したためです。

この時FIFAから国際大会を政治利用してはならないとのルールから、男子日本代表チームのワールドカップ締め出しが懸念され一騒動になりました。 結果日本政府は最終的に入国許可を出したのですが、北朝鮮側が「謝罪もない上に、今の状況では選手の安全が保たれない」との理由で不参加を決め、大きな問題にならずに済んでおります。

アルビン・トフラーはその著書「富の未来」において、第50章、「目に見えないゲームのゲーム」を予言しています。 そこでは各国政府は国民国家ゲーム盤とも呼べる領域で争っているが、これはどこの国にとっても勝てる望みの無い戦いになるとし、政府がどう思おうと国と言う制度は力を失う方向にあると語っています。何故ならば国が唯一の強力な要素では無くなってきているとして、新しいゲームはいくつもの小さなゲームで構成され、それぞれが相互に関連しあい、同時に戦われるのだ。とこれまでの国家中心の枠組みの変化を主張していました。

ジャック・アタリもハイパー(超)国家的な企業、NGOなどの存在がこれまでの枠組みを変えてしまうと予想していますが、上記のサッカーにおけるFIFAの存在は正にそれであるのでしょう。 チャベス大統領でも、アメリカからのプレッシャーには知らぬふりを決め込んでも、もし自国チームがワールド・カップに参加できないとなれば国民のストレスを管理できるかどうか分からないでしょう。 FIFAやオリンピック委員会などは一面で国家の力を凌いでしまっていると言えるでしょう。

今回のGoogleと中国政府のやり取りは一企業と国家との戦いと言えます。Googleから見れば人口10億人超の中国市場の喪失は大きな痛手に違いありませんが世界全体のパイから見れば致命的ではありません。 Googleは既にHyperな超国家な企業になってしまっており、中国から見れば世界的データベース(しかも未だ拡大している)からの隔離はもとより、国内に抱えるインターネット・ユーザー2億6千万人(色々とデータはあるようですが)の主に知識層からのフラストレーションは国家統治上大きな問題となる事は無視できません。

今回問題となったサイバー攻撃は電子情報担当中国人民解放軍総参謀本部第4部または電波情報担当同3部等の関与が疑われていますが、これまでの経済発展が情報取得の自由化に大きく依存していた事と得失関係を整理すれば中国政府は妥協点を見つけざるを得無いと思います。  

従って今回注目されるのは国家対企業、60年代に見られたITTをなどの多国籍企業、軍産複合体による帝国主義的なものでは無く、武力を行使できない一企業として、Googleが検閲なしのサイトの実現、あるいは中国政府の譲歩を獲得する事ができれば正に国家にコントロールされないハイパー(超)な企業と言うものの存在が認知される事になります。 この事態は私としてはかなりエポック・メーキングな出来事であると思います。

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