2010年1月19日火曜日

日本版IRA 年金⑫


今日の日経新聞「大機小機」は「1500兆円の金融資産を生かせ」がテーマで個人型年金非課税制度(日本版IRA)の提案でした。
年120万円と言う拠出限度額を設け、税引き後所得から拠出する。そして60歳など一定年齢以上に達し引き出す時には非課税とする制度です。

国債消化においても何かと引き合いに出される個人金融資産ですが、1999年に1400兆円に到達して以降、株価の上昇した2006年には増加したもののその趨勢は変わらず、金融資産の高齢者への偏在と、その彼らが貯蓄を下ろし始める時期となって、ここからの増加は望めないかと思います。 一方で融資先が国債に偏在した郵便貯金が預金限度額の上限引き上げに動くなど、これ以上金融資産の増加に歯止めがかかる(預金金利でしか増加しない)ような政策が目につきます。 老齢先進国である日本は安い労働力を提供できる訳でも無く、天然資源が豊富な訳でも無いので、世界の中においては資金提供者でなければならないはずですけれど、そこでは個人金融資産を育てる政策が欠かせないはずだと私は思っています。

一方でこのニュース、

公的年金を補完する企業年金の一つである企業型の確定拠出年金について、制度から脱退した後に運用が放棄されている資産額が400億円を突破した。前年と比べ80億円増えた。対象者数は19万人になり前年より5万人増えた。当該資産を転職先や個人型の年金に移すこともできるが、放棄額は膨らむ一方だ。厚生労働省は年度内にも、対応策を事業主に通知する。 【日本経済新聞】

退職年金のポータビリティが増すはずの確定拠出年金だったのですが、ようするに手続きが面倒くさくて放ったらかしになっている。
ここでは個人の金融リテラシーが低いと言う問題もあるでしょうが、制度がややこしいと言う問題の方が大きいような気がしています。
中学なり高校卒業時にきちんと卒業する人に社会のルールの一環として教えておくべき事だと思いますが、今の制度が普通の教師に教えられるのか?は定かではありませんね。

下の表は2005年時の確定拠出年金参加企業の従業員に提供している年金の組み合わせです。

ここでは、RB=退職一時金、DB=確定給付年金、DC=確定拠出年金、EPF=厚生年金基金、Cash=現金(給与時)、ARA=適格年金(廃止になります。)
ここでリストされている会社は厚労省の確定拠出年金連絡会議に参加していた先進的な企業達で、総てDCプランを選択している企業です。

厚生年金下にある3,457万人のサラリーマンのうち、企業型の確定拠出年金に加入している人はは270万しかいないのが実情です。  また450万人ほどの公務員には確定拠出はありません。ついでに言いますとサラリーマンではない個人型の確定拠出は9万人しかいないのが現状です。会社を移るとどうして良いかわからなくなるのは当たり前かもしれません。

これまでの経緯から年金制度の単純化は簡単では無い事はよくわかりますが、もう少し整理できないものでしょうか?確定拠出年金も途中引き出しができるようにするとかもう少し普及策をこうじなければならないのと同時に、「大機小機」のIRAのように原則国民全員に平等に年間120万円まで税引き後の積立プランを用意し、国民金融資産の積み上げを促すことは火急の案件であると思います。


ついでにもうひとつ、
確定拠出年金の特典に与った270万人のアセットアロケーションは、以下の通りです。 上のグラフを見てもわかる通り、退職一時金や、厚生年金基金、確定給付があるにも係わらず、この段階でも現金、保険商品が主流なんですね。 米国のDCプラン(確定拠出)と比較してあります。


常々思うのですがEMH(効率的市場仮説)では売り買いのマッチした現状の金融資産比率がもっとも効率的な資産の組み合わせであると。株式インデックス投資がそうですね。  日本は現金が一番なんでしょうね。 裏側は国債ですけどね。



3 件のコメント:

Ocelotto さんのコメント...

はじめまして。
401Kの移行手続きは面倒くさいですね。
特に厚生年金基金に加入している所への転職だと個人型401Kへ移行する意味があまりない(追加拠出不可で手数料分減り続ける可能性が高い)と判断して放棄してしまうケースも多々あろうかと思います。追加拠出可能な401Kへの移行でも転職先企業の手続きが必須ですが、無理解な企業もあったりするので何かと苦労しますね。

Porco さんのコメント...

Ocelottoさん、

コメント有難う御座います。
401Kは個人に枠を割り当てて、企業は個人の出資分まで補助できるとか、後は途中引き出しですよね。 お役所の仕事ばかり増やしているような感じがしています。

Ocelotto さんのコメント...

Porco様

同感です。途中引出の条件緩和して欲しいところですね。現行制度を使いやすく変えない限り、いくら導入企業が社員に説明をしても放棄者は減らないと個人的には感じています。