2010年2月2日火曜日

トヨタ自動車ブリーフィング


2月2日(ブルームバーグ):トヨタ自動車株が一時、前日比5.8%高の3650円と大幅反発。同社は1日夜、アクセルペダルの不具合をめぐる米国での大規模リコール(無料の回収・修理)の対応策を公表したことで、問題の先行きに対する過度の不透明感が後退した。午前終値は5.5%高の3640円。



昨晩のトヨタの対応策発表でショート・カバーとボックス・レンジでの安値買いを狙う買いによってトヨタは反発したと考えています。

またトヨタは2月4日に第3Q決算発表を控えている為に、取り敢えずポジションをニュートラルにと言う考え方もあるでしょう。アナリスト達も現時点では判断を控えているように思います。

もちろん決算発表で今回の問題に対する説明、および対応策はアナリスト達の評価に晒される事になります。ブランド・イメージ毀損に対する対応策や認識が低ければ厳しい評価が待っているのではないかと思います。

しかしながら私には今回の件で日本でのトヨタ問題に対する報道と、米国での報道の格差が少々引っかかっています。 かなりの情報ギャップがあるように感じているのです。

日本の大手メディアにすれば最大のスポンサーですから逆キャンペーンになるような報道は避けているのは理解できますが、今回の問題は単なるリコール問題の範疇を超えてしまっているのではないかと言う疑問を持っております。

1月31日のNYTタイムスの記事です。

Lexus ES350に乗って走っている車内から、911(警察+消防)に電話が架かってきて、乗っているレクサスが止まらないと言う臨場感があふれる内容になっています。
「今、レクサスだ、、、、125号線を北に向かっている、アクセルが戻らない、、、、、大変な事になっている、、、、、ブレーキが効かない、、、、、インターチェンジに近づいている、、、、、しっかり掴まって、、、、しっかり掴まって、祈って、、、、、祈って、、、、、」 この後クラッシュ音と伴に電話は切れる。
ここで運転していたのは、警官でハイウェイパトロールのドライバーで運転のエキスパートでした。同乗していた奥さんと娘、甥の4名は死亡してしまったとあります。 昨年8月28日の事件でした。

まるで一見不買運動のキャンペーンのような記事の出だしですが、今回のリコール等に関連するトヨタによる説明不足は咎められても仕方の無いところでしょう。



1月29日のワシントン・ポストです、

これも私が見落としているだけかもしれませんが、少なくとも周囲の人間はしりませんでした。日本での報道では見かけないと思います。「トヨタ車はクレームにも関わらずブレーキ・オーバーライド・システムを装備していない。」と言う物です。

ブレーキ・オーバーライド・システムとは、
昔の車はアクセルはワイヤーでエンジンに繋がり、燃料の噴出量を直接的にコントロールしてましたし、ブレーキは油圧システムによって直接ブレーキに接続していました。 アクセルとブレーキを同時に踏んだ場合には両方とも踏まれた分だけ機能すると言う事です。
 しかし最近はTVゲームのコントローラーのように電子的に制御されているそうです。 つまりアクセルやブレーキは電子的なコントローラーでしか無いと言う事です。
例えばアクセルとブレーキを同時に踏んだ場合、どちらを優先させるかと言う問題があります。 ブレーキオーバーライドの場合、両方が踏まれた時にはブレーキを優先してアクセルをキャンセルします。 トヨタ車にはこのシステムが無かったと言われています。  

ではこのシステムが無かった事が欠陥であるか? と言うとそういう訳では無く、ホンダ車にもこのシステムは採用されてないそうです。 

左足でブレーキを踏みながら、右足でエンジンの回転を維持すると言うようなスポーツ・ドライブをするユーザーにはこのシステムは余分なシステムであるとも言えるのです。 しかしながら上記のNYTの記事のような事故では、あるいはトヨタが主張してきたフロアマットが挟まってアクセルが戻らなかったと言うような事故においても、もしこのシステムさえあれば助かったのではないか?と言うのがポイントなのです。

GM,フォルクス・ワーゲンやアウディ、BMW、メルセデス、はスポーツ・ドライブよりも安全性を重視してブレーキ・オーバードライブ・システムを採用していたのだそうです。(Speed Net アクセルペダルについて

トヨタ車からの乗り換えには特別割引をつけるなど、まるでかつての常勝巨人軍に対峙するかのように、アンチ・トヨタ・キャンペーンが繰り広げられているような気がします。

長い年月をかけて品質で築きあげたトヨタのブランド・イメージが危機に瀕している状態ではないでしょうか。 工場再開時期や目先の業績予想云々よりもブランド・イメージ毀損に対する危機管理が今トヨタに求められているものと思います。  そう言った意味で長期投資の観点からも、今回の決算発表は注目されます。 日本語の情報に依存している場合、今回の件はあまり軽く考え無い方が良いかもしれません。



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