2010年2月12日金曜日

宝くじは愚者に課された税金?


公営ギャンブルである競馬ですら約75%が払戻金で、所謂テラ銭は25%なのに、宝くじときたら当選金は46%で、印刷手数料等で14%、お上に40%も巻き上げられてしまいます。従ってこうした最初から当選確率が既知であり、どうやっても最初からピンはねされてリスク・リターンの見合わないものにベットするのは合理的では無い、愚か者が何も手にしないのに税金を自ら払いに行っているようなものですよね。

ジャンボ宝くじの1ユニットは100,000番から199,999番までの10万通を1組として01組から100組まで、合計で1,000万通から成ります。1枚300円で、1ユニット30億円。13億5千万円が当選金として支払われる訳です。

もし資産家が1ユニットまるごと購入したとすれば、これは単なる愚か者。
しかし年収400万円、生涯賃金が2億円に満たないと予測される人から見ればどうでしょうか。


行動経済学でもこうした選好は説明されますが、頻度分布が既知で300円で1枚買ったとたんに135円(期待値)になってしまう宝くじも「楽しみ」や「夢」と言う「効用」と言う観点から考えるとあながち合理的では無いとは言い切れないでしょう。 それで現実に起こっている事は宝くじ販売は盛況であると言う事ではないでしょうか。

「宝くじを頻度主義に立てばまるで『正しい選択』では無い。しかし購入者は平均収益が40%に満たない事を気にしていない」と教えてくれるのは、小島寛之さんの「使える!確率的思考」です。

長い間金融の仕事をしてきた私は頻度主義確率の世界におりましたが、関連書籍も歴史的頻度主義(過去データ)ばかりを追いかけてきましたので、この本はとても新鮮でありました。

また同著者の「確率的発想法」では、フランク・ナイトの不確実性やベイズ理論を簡潔に示してくれています。
過去のデータから計算できる「測定可能なリスク」と「本当の不確実性」の違いを「足して1にならない確率」として説明しており、「リスク回避」と「不確実性回避」の違いを「薄商いで小動き」の心理を通して具体例が提示されています。



書籍のネーミングとは裏腹にハウトゥ本とは全く無縁で中身の濃い書籍となっていますが、最近の「使える!経済学の考え方
では「幸福」「公正」「平等」「自由」「正義」をどう考えるか等を数理を使って説明しようとしています。

日常言語は、感情をゆり動かしてしまう。 鳩山総理の所信表明演説では「いのちを守りたい」とおっしゃっていましたが、これは正に感情をゆり動かそうとしているのでしょう。 感情の影で合理的な本来取られるべき政策の選択がゆがめられてしまいかねません。 著者は数理を駆使する事によって冷静な思考を促すことを可能にするとしています。

私はたまたま駅の本屋で「使える!経済学の考え方」を手に取ったのですが、その中に参照されていた他の上記の2冊も結局イッキ読みさせられてしまいました。

市場から少し距離をおいて見る。とか考え方のバリュエーションを広げると言う意味でお奨めなのと、経済学、統計学の系譜が容易に得られると言う意味で(その分ハウトゥー本なのか?)価値のある3冊だと思います。


ちなみに競馬の収益金には一時所得として課税されますが、宝くじには課税されません。 今唐突におバカ・タレントかなんかに抜擢されて3億円稼ぐと50%は税金です、贈与税対策等で使われないように課税替わりに収益率が低いとも考えられますよね。 でも小遣い全部つぎ込んでも当選確率は100万分の1が10万分の1になるような話だし、勢い余って1ユニット全部買ってしまうなら本当の「愚か者」になる訳で、「ホドホド」にって言うのが正解でしょうか?


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