2010年2月13日土曜日

日本株は上がるのか? ⑤ 幾何平均収益率


「日本株は上がるのか」シリーズに入れるかどうか迷いましたが、今後幾何平均収益率が重要になりますので念のためエントリーしておきます。
幾何収益率に対応する収益率の単純な平均は算術平均収益率となります。

先ずは、自然対数から、
百万円に仮に年利100%の利子が付くと、1年後には2百万貰える事になります。
1,000,000 x (1+100%)=2,000,000.

これが半年複利であると、
1,000,000 x (1+100%/2)^2 = 2,250,000.
何故なら半年目に受け取った100%の半年分50万円が残り半年100%で付利されるために複利効果がでるからです。

同様に四半期、月、週と細分化していきますと、Day(日)ベース当たりから増加量が減少し、分と秒ではあまりかわらなくなります。

このどんどん細かくしてこれ以上増加しない限界の値は分かっていて、
2,718,281円になります。

そしてこれはこの数字と関係があります。
e = 2.71828 18284 59045 23536 02874 71352 …

ネイピア数とかオイラー数と呼ばれています。円周率みたいなもんだと考えておけば良いでしょうが、実際にはエクセル等で計算するので特に覚える必要はありません。

ベルヌーイは様々なところに登場しますが、このオイラー数を利子の複利計算に初めて使用したのも彼なのです。

このネイピア数の性質を利用して 自然対数と呼ばれる 2.71828...を底とする対数を連続複利収益率の計算に使用します。連続複利収益率はリミットまで細かく刻んだ場合の複利利率による収益率と言う事です。

ここでは
2.71828..=exp(1) 指数関数 エクセルでは =EXP()
ln(2.71828..)=1  自然対数 =LN()

ここではごちゃごちゃと考えるよりも、慣れた方が早いので計算してみましょう。
何に使えるのかがわかると思います。

下の表は実際のSP500の年足です。
収益率=今年の値÷去年の値-1
対数収益率= LN(今年の値÷去年の値)
LN(SP500)=そのままSP500の値をLN()関数に入力したものです。
問題は上段にあるAverageのコラムです。
平均収益率は8.52% これを算術平均収益率と言います。
対数収益率は6.40%になっています。
その上のコラムの6.61%が幾何平均収益率になります。
ここでは幾何平均収益率の計算方法を3通り示しておきました。 コラム番号が分からないのは簡便下さい。


算術平均と幾何平均はどう違うのか?
それは平均収益率を使って19年分の複利計算をすれば明らかになります。
330.22 x ( 1+ 8.52%)^ 19 = 1,560.3 算術平均
330.22 x ( 1+ 6.61%)^ 19 = 1,115.1 幾何平均

また連続複利収益率は収益率を加算できますので、
6.40% x 19年 =1.216
これをexp関数でもとに戻して、
330.22 x exp(1.216)=1,115.10 とも計算できます。

これらを原指数と共にグラフ化したのが下のグラフです。
算術平均(黄線)は幾何平均(赤線)よりも常に高く出てしまうのです。
幾何平均は直近の値と一致しますから、もしかしたら幾何平均の方が高く出そうな高値をつけた1999年も同様に計算しておきましたが、ここでも算術平均は高く出てしまいます。
リスクが高いほど両者の差は大きくなります。

一度ご自分で日経平均などで計算してみると良いと思います。
シュミレーションを作成したりする時には両者の差は大きくなってしまいますし、過去の収益率の表を見る時にも高く見えてしまいますので注意が必要です。

また四半期や月次の率が示されている指標類と株式リターンの比較計算等にも欠かせません。

ではまた、


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