2010年2月23日火曜日

市場は何を織り込むべきか?


内部留保に課税編


鳩山由紀夫首相は17日午後、共産党の志位和夫委員長と国会内で会談し、経済政策などについて意見交換した。同党によると、志位氏が「大企業の内部留保が日本経済の成長力を損なっている」と指摘したのに対し、首相は「内部留保に適正な課税を行うことも検討してみたい」との考えを示した。


[東京 18日 ロイター] 平野博文官房長官は18日午前の会見で、鳩山由紀夫首相が大企業の内部留保への課税見直しなどについて今後の税制改正で検討する意向を表明したとの報道について「総理は検討すると言い切ったとは思っていない」と述べ否定的な見方を示した。


考えてみれば民主党の支持母体、日教組、自治労、連合ですから、大企業組合の立場から考えれば内部留保に課税などと言うものは考えられないのでしょう。
内部留保からの課税と言うトンチンカンな部分を差し引ても元々ありえない話しだったようですね。


郵貯預入限度拡大編



郵貯の預金限度額を1000万円から3000万円に拡大すると言う亀井郵政担当大臣を通じての郵貯から依頼でしたが、こうなるとペイオフ:預金の政府保証の金額が3000万円になってしまいます。 そこで22日に亀井大臣は信金信組業界から意見聴取しました。 一律にメガや地銀も保証額を引き上げられると信金・信組などから預金流出が考えられますので、大臣に懸念を表明したようです。 そこで上限額引き上げ表明3日であっさり撤回。 これは郵貯の3000万円預入限度拡大にも黄色の信号が灯ったと言えるでしょう。

しかし預金流出を懸念する信金も、


90年代初頭に70数%つけて以降毎年着実に低下。 08年だけ前年度比微増だったのですね。

企業に回らないお金を郵貯が吸収し、国債を買うのではないか?と言う疑心暗鬼もありますが、郵貯も国債ばなれを検討していますから、世間一般で言われる国債への資金誘導とは考えられません。

郵政民営化編

昨年12月に郵政株売り出し凍結法案が可決され一時ペンディングとなっている民営化ですが、


原口一博総務相は21日、日本郵政が福岡市で開いた郵政民営化見直しに関する公聴会終了後の記者会見で、郵政再編後の日本郵政について「政府が(株式を)100%持つ選択肢はないだろう」と述べ、同社株式の一定割合を売却する考えをあらためて示した。一方で、株式上場後の政府の具体的な出資比率については明言を避けた。
 原口総務相は、ゆうちょ銀行とかんぽ生命保険の金融2社についても「将来的に(株式)公開を原則としている」と述べた。敵対的な買収防衛策や外資規制については「検討中」とした。

成程、ともかく上場はする訳だな。 と思ったら、


亀井静香郵政・金融担当相は23日の閣議後記者会見で、日本郵政グループの将来の株式公開について「まだ決めていない」と述べた。原口一博総務相が21日に「公開を原則とする」と明言したが、郵政相は慎重な姿勢をみせた格好だ。郵政見直しを巡っては郵政相と総務相の見解が微妙に食い違うケースが目立ち、調整の難しさを浮き彫りにしている。 (2/23 13:17)

方針を決めてから話してくれないと混乱するばかりですよね。市場は一体何を織り込めば良いのか?も分からなくなっている。


公開会社法編

これは民主党はこんな事を考えていたのかと、市場関係者を驚かせた話しですが、ふじすえ議員の論です。 株式至上主義との決別。 「日本は株主を向いていない」と言うのが外人投資家も含めての市場参加者の共通認識でしたし、議員の根拠である配当性向のグラフの読み方等があまりに稚拙であった為に本当にこんな事を考えて、さらに立法化する気なのか? と言う疑念が起こりました。
これも上記の例に漏れず、「どこまで本気か?」度が非常にわかりにくいので、市場として織り込むべきなのかどうか?がさっぱりわかりません。 新聞記事にもなりませんから、議員のTwitterやブログを見て情報収集して、どこまで心配して良いのか疑問が残ってしまいます。

唯一参考になるのは、山口利昭さんのブログ、ビジネス法務の部屋

(一部抜粋)
今朝(2月18日)の日経新聞のベタ記事で見つけましたが、2月24日に開かれる法制審議会に会社法制の見直しが諮問されるようであります。企業統治のあり方や親子会社に関するルールなどが検討課題となるそうでありますが、これって民主党が制定に意欲を持っておられる「公開会社法(仮称)」に関する諮問ということなんでしょうね。でも、周囲のいろんな方々とお話していても、新法が制定される現実味がないですよね。結局この記事にありますように会社法の一部改正、金商法と会社法の交通整理、あたりで十分有意義な審議ができそうですし、とくに公開会社法なる新しい法律の制定が審議の対象にはならないものと思われます。(あくまでも個人的な推測でありますが)  以下本文参照。

安心していても良いのでしょうかね?

と言う訳で、政府からのメッセージが市場にまともに届かない状況が続いております。
早く整理してくれる日を待つしかないのでしょう。

番外
日銀編

インフレ目標を設定してお札を刷ってばらまけとか新発国債を引き受けろとか何かと言われ放しのような日銀ですが、私から見ると白川総裁が一番説得力を持っています。
”ばらまけ”は金融政策では無く財政政策ですよね。



東京 23日 ロイター] 日銀の白川方明総裁は、23日午前に首相官邸で開かれた月例経済報告に関する関係閣僚会議で、日本経済について「将来の成長に対する期待が、このところ必ずしも十分ではない」と述べた。
 白川総裁は「政府の成長戦略などを通じて需要創出シナリオを示し、国民・企業が信頼していくプロセスが必要」との認識を示した。
 その上で日銀として「マネーの側面から緩和的な金融環境を当面続けて支えていきたい」と語った。会議終了後に津村啓介内閣府政務官が明らかにした。
 白川総裁は会議で、デフレの背景を問われ、足元の要因として、リーマンショック後の世界の主要国における需給ギャップの発生を指摘。中長期的な要因では、企業が賃金を引き下げて雇用を維持していることや、将来の成長に対する期待の低迷を挙げた。また、設備投資について白川総裁は「持ち直しているが、水準は依然として低い」とし、設備投資に対する資金需要も「企業は、その程度の設備投資であれば手元資金で賄っているケースが多い」と説明した。
 これに関連して「日銀の努力が企業の資金需要の増加につながっていない」との指摘に対しては「日銀として潤沢な資金供給を行っており、金融機関が資金調達に苦慮している状態にはない」と語った。

つまり規制緩和や構造改革が成長にはさらに必要と言う話しですよね。 ばらまいても90年以降繰り返した不採算なものに再び投資するのであれば意味がありません。
預貸率が低いのは先出の信金・信組だけではありません。 この際どうでしょう、地方自治体にすべて任せて公共事業をしてもらう。その際の資金は地方金融機関が貸し付ける。 あくまで貸付です。 政府はこれに対して80%程度(何%でもOKですが)の保証をつける。 国は国債を発行する替りに保証料が必要ですが実際に支払いは起きません。 各地方金融機関はデューデリをしっかりやる。 国民から見れば国債発行と同じ借金ですが、責任が多少明確になりますよね。つまり使う人なり団体は借金している意識を持ってもらおうと言う趣旨で単なる私の思いつきです。 


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