2010年2月16日火曜日

日本株は上がるのか? ⑦ 効率的市場仮説とアロケーション


効率的市場仮説(EMH)に関してはちょっとググれば沢山出てきますし、どんな入門書にも出ていますから、ここで細かい解説はしないでおきます。
ただ、「資産価格はすべての情報を瞬時に織り込んで」とか言う表現には抵抗のある人もいるでしょうし、それは日々市場を見ていれば織り込んでないのも尤もな話しでもあります。

市場は効率的であるから、インデックス・ファンドを選択するのが賢明である。
これもちょっと調べた事のある人ならば、少々の異論はあっても納得の行くものです。

しかし効率的市場仮説が成立するのは何も株式市場に限定される訳ではありません。
債券も為替もそうであるし商品もそうでしょう。 大凡充分に流動性が確保されていれば効率的な市場として取り扱っても問題はないはずです。

さらに資産ミックスに関しても同じ事が言えます。

他の人に負けない投資とは、市場参加者達と同じもの、現状ありのままの尤も効率的と思われるアセット・ミックスを選択すれば良いはずです。国民金融資産の内訳もその一つです。
国民金融資産のミックスを見ると貯蓄ばかりですが、これも効率的市場仮説からいけば、様々な情報が織り込まれた結果と言えるでしょう。

実際に最近米国で頭角を著し始めた個人向けネット・資産運用アドバイサー会社であるFinancial Engine社では、特にどうこうしようと意志の無いパッシブな投資家には現状の全体アセット・ミックスをそのままにしたマネージド・アカウント(投信みたいなもの)を推奨しており、この商品こそが同社の成長の原動力となっております。当然ですがリバランス・コストも無いし、選択の対象となる投信に対しては厳しくコスト・コンシャスなスタンスです。  既存の証券会社や運用会社はさぞかし迷惑している事でしょう。

こうしたパッシブな動きにおいてはアロケーションのリバランスも発生しません。 そもそも株式や債券部分をインデックスにした上で、株式を30%債券に40%なんてものはスタンスが中途半端なのかもしれません。  勿論長い投資期間を得られる若い層にはリスクは高いがリターンの大きい株式の比率を高くすると言うのは正しいし、80歳の年金生活者は今回のような大暴落に会ってしまうと計画が大きく狂ってしまいますから、確定利付中心が良いのでしょう。 しかし以前のように定年時に退職一時金として全額預金にシフトする必要もありませんから、一時退職金も運用対象として考えて問題は無い訳で、そこからでも10年や15年は充分に視野に入れておく必要があります。 運用可能期間は長くなっているとも言えるでしょう。60歳でキャッシュと言う訳でもありません。

このリバランスはしないと言う考え方は、80年、90年代のグレート・モデレーションを経験し、株式資産が増え続けてきた米国においては納得のできる考え方でしょう。 

PORCO調べ

90年以降ボックス相場の日本ではGPIFがアロケーションの縛りから安値を買い、高値を売って相場がうまいなどと言う人もいますが、それは結果オーライでしかありません。パッシブであれば本来リバランスは必要がありません。尤も年金資産として株式占率の制御がリスクの制御にはなりますけれども。

生活資金を預金で確保して投資すると言うのはこうしたやり方と似ているかもしれませんね。

しかし日本の国民金融資産はお年寄りに偏在していますから、30代の人のパッシブなアセット・ミックスがこのままで良いか?と言う問題は残ります。
また、政府の国債の広告でも長期投資は国債が安心とか言うように、資産選択の際にバイアスがかけられてしまっている可能性もあります。 Financial Engine社では、米国国民金融資産がデフォルトでは無く、同社のデータを基準としているようです。  日本では401Kの資産構成が参考になるかもしれませんが、これも以前エントリーしたように選択時にバイアスがかかっている可能性があります。 細かい事言ってると何もできなくなっちゃいますよね。


年金情報よりPORCO調べ

続く、

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