2010年3月3日水曜日

シミュレーション ①


シミュレーションについて考え方を整理しておきたいと思います。

これまでにGPIFのシミュレーション等をブログで紹介してきましたが、私は途中で手法を変えています。
Twitter等で手法の変更等は紹介してきましたが、Twitterで見ていない方もいると思います。 当ブログの古い方のシミュレーターは訂正せずにそのまま残してありますが、それが正しいと考えている訳ではありません。 

正規分布と対数正規分布

証券関係のテキストの多くでは、収益率が正規分布すると言う前提で説明される事が一般的です。
これは正規確率分布の理解を促す為であることと、実務上これでも困らない事が理由であると思います。

ツヴィ・ボディの「証券投資」第4章基礎概念と問題点。 Part 1イントロダクション。井手正介の「ビジネスゼミナール 証券分析入門 」第3章、等々

しかし短い期間(演算が少ないと言う意味で)の確率分布による予想等では問題が少ないのですが、複利効果をみる為の長い期間のシミュレーション等では無視できない誤差になってしまいます。

そこでシミュレーションの場合には対数収益率は正規分布すると言う仮定で組み立てて行く事になります。
対数収益率は正規分布する=収益率は対数正規分布すると言う事です。

金融の場合には特に自然対数を使用します。
自然対数で表現される利率を連続複利と呼びます。

ここで対数正規分布とは、
変数xの対数をとったものが正規分布する時、xは対数正規分布に従うとする。

つまり実数値は対数に変換して正規確率分布の計算、、後に戻してやれば対数正規性を持つと言う事です。
対数正規分布の定義が対数の正規分布であると言う事が大事になります。
エクセルではLN( )関数が対数への変換、exp( )関数がその反対の機能を持っています。
幾何平均収益率の計算等でも活躍しますので、こちらの記事も参照下さい。




期待収益率(リターン)は実数なのか対数なのか?

期待収益率5%の場合を考えてみましょう。
ここで問題になるのは、この期待収益と標準偏差はどのような数字なのか?
つまり対数(連続複利)の数字なのか?それとも実数なのか?

10年複利で考えた場合、

実数であれば、
(1 + 5%) ^ 10 - 1 =62.89% 1.05 x 1.05 x 1.05 x 1.05 x .........)

対数であれば、積算が和算になるので、
5% x 10 = 50% (5% + 5% +5% +........)
これを実数に戻すと、
exp( 50% ) -1 =64.87%

大した差では無いと言えば大した差では無いのですが、長くなると差は大きく広がりますし、シミュレーションに耐えるものではありません。

実数を連続複利に変換して計算すれば、
LN( 1 + 5% )= 4.879%

exp( 4.879% x 10) -1 = 62.89% = (1 + 5%) ^ 10

と言う関係です。
従って与えられた期待収益率が実数であった場合には、連続複利に変換する必要があります。
演習問題などでは、そのままかもしれませんが、殆の場合変換する必要があります。


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