2010年3月5日金曜日

シミュレーション ③


MSCI Japan と KOKUSAI ex JAPAN

シミュレーション ②では都合よく、連続複利収益の期待収益率が5%、標準偏差20%とデータがあった訳ですが、現実の世界や金融の営業の世界でそんな数字はありませんよね。  銀行の窓口で「お利息は3%です」と言われて、「すみません、それは連続複利収益率でしょうか?」などと聴く人はいないでしょう。 金融業界にいてもたぶん就業人口の99%以上の人には関係の無い話しだと思います。 ですからこのブログを読んでもこの手の知識が使えるのはシミュレーションかマニアックにBSモデルを勉強するかぐらいなのかもしれません。

私も金融は長く働いていますが、所謂クォンツの研究者ではありません。 関係する仕事をしてきましたし、モデルの結果をプレゼンするような事をしてきましたが、こうして自力で探索していると色々と分からない不明瞭な事に遭遇します。 シミュレーションはそういった意味で私にとって様々な問題が浮かび上がってくると共に良い意味での知識の整理になります。従って「こうである」と断言している訳では無く、こう考えると言う意見表明でしかありませんから違う見解があってしかるべきです。指摘して戴くと勉強になります。

それとできるだけ注意はしていますが、仕事でやっている訳では無いので、チェックしてくれる人もいませんから、計算等は良く間違えてます。 そのあたりは考慮しておいて下さい。


では本題に、

ある投資家が、期待収益率が5%で、標準偏差が20%のポートフォリオを持っているとします。
ここでの期待収益率とは何でしょうか?またここでの標準偏差とはどう言う数字でしょうか?

算術平均収益率と幾何平均収益率は以前のブログ日本株は上がるのか?⑤幾何平均収益率で書きました。ここではグーグル・ドキュメンツと言う便利なツールがあるのでもう一度整理しておきましょう。

しかし折角面倒な計算をする訳ですから、抽象的なサンプルでは無く、少し実の有る実際のデータを使用しましょう。

ここではインデックス投資家の皆さんにはお馴染みかと思いますが、世界でインデックス投資のツールとして標準的に使用されデータも充実しているMSCIのトータル・リターン・インデックスを使用してみましょう。 MSCIはMorgan Stanley Capital International 、スイスにあったCI社をモルガン・スタンレーが資産運用が投資銀行ビジネスの柱になると睨んで買収してできた会社です。

データはMSCIのHPからダウンロードできます。 またここではUSD建てのインデックスになりますので、ドル円の為替レートはセントルイス連銀のHPから取得します。何故セントルイス連銀かと言うと使いやすいからです。

使用するインデックスは、MSCI JAPANとKOKUSAI ex Japanの年次データ。 つまり日本株と日本以外の株式で、特にStandard Coreと言う分類を使用しますので、大型+中型株の指数です。 トータル・リターン・インデックスですから配当も再投資されており、税金、取引コストは考慮されておりません。

ドル建ての指数に円を掛け合わせて円換算してます。さらにインデックスのスタートが100ですから為替360を掛け合わせると36,000と数字が大きくなりすぎるので100で割ってあります。従ってインデックスのスタートは360となります。

またデータは1969年12月から用意されていますが、1969年当時為替は未だ1ドル=360円の固定相場でした。 その後1971年12月スミソニアン協定でドルの切り下げが決められ、1ドル=308円、さらに1973年2月に変動相場制に移行して現在に至っています。

グラフは以下の通り、
スプレッド・シートはGoogle Documentsで見る事ができます。



日本の投資家から見ると、日本株が先に走って、それ以外の国の株式が追いかけてきて、今丁度追いついたところと見る事もできますね。 これらのデータを使って今後色々と計算してみましょう。
Google Documentsのデータはそのままスプレッド・シート上でも使えますし、ダウンロードしてエクセル等に取り込む事もできますよ。

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