2010年3月22日月曜日

日本開国


しばらくブログの更新が滞ってしまいました。

前々回に書いた「谷のもの ドルの起源」に関して関係書籍を漁っているうちに、どうにも深みに嵌ってしまったようで、この3連休も関係図書を読み続けています。
昨日日本橋丸善で見つけた本、「日本開国 (アメリカがペリー艦隊を派遣した本当の理由)」渡辺惣樹 2009・12 は大変面白い本であったので、紹介しておきます。

本の帯には、米側資料を本格的に取り上げ、アメリカの東アジア戦略(対日・体中)の原型を示した「新・開国史」!とあり、さらに「捕鯨」はたんなる口実だったと印刷されています。 


つまり、米国は我々が、少なくとも私が、学校で習ったように、単純に捕鯨の補給基地を目的として日本に開国を迫った訳では無いようです。1803年のルイジアナ購入や1845年のテキサス併合、48年のカルフォルニア獲得等大西洋側から太平洋に至る当時の米国の国土拡張と英国覇権との競合などの過程で、既に市場となっていた中国、アジア地域への太平洋を通じたルートの確保が大きな目的であったと解説します。

当時未だ確立していなかった太平洋航路を日本と言う空白を埋める事によって安全なものにする事。 これを本文から引用させて貰えば「日本の海がハイウェイとなり、大動脈となった時アメリカの捕鯨船や商船だけでなく他の国も平和的な商業的な繁栄を享受できる。」という太平洋ハイウェイ構想が主目的であったとあります。 因みに括弧で囲まれた言葉はアメリカのロビイスト、アーロン・パーマーが文書中に使用した実際の言葉です。

米国の捕鯨は石油製品の発達で米国が日本に開国を迫った頃がピークであった事、それは鯨の売上内訳の約7割が鯨油であった事など米国サイドの細かい資料を用いて説明されています。 また米国も英国に劣らず中国でのアヘン貿易によって巨利を得た事から「中国には借りが、日本には開国の貸しが」あると言う米国指導者層の底流にある意識を文末で取り上げている点が私の読後感に余韻をもたらしました。 筆者はカナダ在住で、米国での歴史的な資料を細部に渡って調べ、さらに日本での出版物も相当丁寧に読みこなしているようですから、巻末の注および出典だけでも30ページも費やるなど、関連文書の検索には非常に役に立つことも本書のメリットでしょう。 幕末時代の解説書としては1級品だと思います。

また構成もあたかもブログ記事のように1章分を短くとり、200ページ程度の本文で33章を使用するなど工夫がなされ解説書とも小説とも言えるような非常に読みやすい文体となっています。細かい薀蓄が満載ですから飽きずに一気に読める事請け合いです。


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