2010年3月24日水曜日

ファイナンシャル・エンジン Financial Engines



ノーベル賞受賞シャープ氏の投資顧問会社、取引初日は44%上昇

3月16日(ブルームバーグ):ノーベル経済学賞受賞者のウィリアム・シャープ氏が共同創業者の1人である投資顧問会社、米ファイナンシャル・エンジンズは16日、ナスダック市場で株取引が開始され、初日終値は新規株式公開(IPO)価格比で44%上昇した。同社のIPO価格は今年の米企業のIPOで初めて仮条件を上回っていた。


この会社に関しては当ブログ The Intelligent Portfolio で既に紹介してあります。

Twitterにおいても米国IPO関係のタグでは年初あたりから頻繁に投稿されておりました。

実はこの会社は個人投資家相手の証券ビジネスにおいては既存ビジネス・モデルの破壊者でもあります。 証券界にとってGoogleやAmazonのようなインパクトがあると言ってもきっと過言では無いでしょう

この会社を特徴づけるポイントを2つ上げるとすれば、

1。投資工学に沿って合理的に投資家を誘導する
2。投信会社、証券会社など投資家と利益相反する可能性のある企業とは全く無関係で中立である。

上記2つは不可分の関係にあります。

銀行にしろ証券会社にしろ、顧客に投資信託など金融商品を勧める場合、自社商品を一番にお奨めするバイアスがかかる事は言うまでもありません。
いくら商品選択に中立であると謳っても、同期入社がFMをしていたり、販社の商品部門から投信会社に移籍したりと人脈が出来、良い意味で内容が良く分かるから顧客にも奨められると言うような事もあるでしょう。 また販社はボランティアではありません、店舗を構え販売スタッフを維持しなければなりませんから当然販売手数料や信託報酬からコストを回収しなければなりません。従って販売される商品にはそのコスト+利益が上乗せされるのが自明なのです。 ネットを駆使して運用会社や市場情報を収集できる人達ばかりではありませんし、もっと言えばネット証券すら使えない人はお年寄りに限らず大勢います。 それは既存の対面型証券なり、銀行の窓販が一定の勢力を維持している事からも明らかです。

一方でアカデミックに明らかにされてきた事(もちろん反論は多くあります。)、
例えば市場は程度の差こそあれランダム・ウォークである事。
効率的市場仮説では現状のアセット・ミックスと全体市場代表をするインデックス・ファンドが効率的である事。それは、
市場平均を継続して上回れるアクティブファンドは数少ない事。そしてアクティブ・ファンドは市場平均に近いパッシブ・ファンド(インデックス・ファンド)に比較してどうしても運用コストがかさむ事。

もしもこうした理論に従って合理的に投資するのであれば、投資家全体のアセット・ミックスに沿って各アセット・クラスを代表するインデックス・ファンドに投資する事が一番合理的なのです。 そしてそれは既存の余分なコスト、手数料の高い販売会社等は省かれなければなりません。 だからこそ投資アドバイザーは投信会社や販売会社に対して中立でなければならないのです。

フィナンシャル・エンジン社はそれを追求します。 したがって簡単に言えば無駄に手数料の高い投資信託は相手にされません。

この会社は米国401Kと共に成長してきましたが、その過程で安価な投資信託商品を普及を促してきました。 そしてそれは401Kに限らずに勤務先の自社株購入の分析やプラン以外での株式購入の管理にも使用できるように変化を遂げています。 

FPに高い手数料を支払いたく無い人はこの会社と契約すればコールセンターでサービスを受ける事ができます。 その際もこの会社の提供するウェブ・サービスからポートフォリオのリスク等を見ながら保有資産に関するアドバイスを受ける事ができます。 これで知識が中途半端でコストばかりかかるようなFPは相当淘汰されているのではないかと思います。

日本市場に上陸するには未だ機が熟していないように思いますが、いずれ時間の問題でしょう。 この会社の成長段階である2003年以降の株式市場は好調であった為に既存証券への影響は軽微に見えがちですが、市場の低迷期には却ってその存在意義が大きくクローズ・アップされる事は間違いありません。

インパクトは相当大きいと思います。商品企画関係者は早めに研究される事をお奨めします。


PS The Intelligent Portfolioを購入すると1年間ウェブ・サービスを無料で受けられるオマケが付いています。私も半年程使用していますが、これが日本に入ってくると相当な驚異になると同時に投資信託商品の価格革命が始まるかもしれません。




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