2010年3月30日火曜日

ペリー艦隊日本遠征記




また幕末ネタかと言われてしまいそうですが、幕末期の貨幣問題を調べているうちに次から次へと読み進んでしまい3月は関係図書ばかり読んでいました。
開国関係では、米国サイドの貴重な一次資料、ペリー艦隊日本遠征記です。 今年は横浜開港一五〇年にあたりますので、それを記念して本来は百科事典一冊をさらに一回り大きくしたおおよそ電子出版に真っ向から抵抗しそうな重たい本なのですが、コンパクトなサイズで再刊されています。

私は重い方を図書館で借りて雨の中担いで帰るハメになったのですが、内容は苦行に報いて余りあるものでした。
ペリー提督の日誌と公式書簡の他随行者の報告書および日記をフランシス・ホークスと言う学者が編纂した合衆国の公式文書になっていますが、翻訳は現代文で平易な文章で書かれており非常に読みやすいものです。 

序論の部分で訪問前の日本に対する予備知識が纏められていますが、オランダや鎖国前のポルトガル、イギリス公館資料、それに漂流民からの聞き取りがあったのだとでしょう、かなりの程度に日本の事を理解していた様子が伺われます。



一方で日本側の最初の応対役、浦賀奉行香川三左衛門に船内蒸気機関、大砲などを見学させた折に、未開の地の人間のように驚いたりせずに、かなり正確に蒸気機関の仕組み、あるいは大砲に関しては「パクサンズ砲」と種類まで言い当てるなど幕府役人の知識には驚かされています。 特に科学の一般原理や世界地理の諸事実にも通じており建設中のパナマ鉄道に関しても知っていたとペリー一行は驚かされています。 黒船を見て腰を抜かしているばかりでは無かったのですね。  ここで浦賀奉行はご馳走になるのですが、ウィスキーとブランデー、それに何らかのリキュールが気に入っていたようだと記録が残っています。

以前紹介した、定本洋酒伝来:藤本義一ではこの時に桜実酒(マラスキーノ)で味付けたオランダ・ジンが初めて日本に紹介されたとあります。 またペリーは沖縄に訪問した際の記録にウィスキーはスコットランドとアメリカの物と列挙していますので、多分バーボンもこの時に日本初上陸だったのでは無いでしょうか?

この本にはリトグラフや木版による図版がたくさんついており当時の米国人の目を通じて江戸末期の風景や人物、事物を見る事できます。ゆっくり時間を掛けて読みたい物です。

と言う訳で買うのはどうか思いますが、是非図書館で重たいヤツを借りて担いでみるのも一興では無いでしょうか。


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