2010年3月5日金曜日

シミュレーション ④



期待収益率と標準偏差

日本株は上がるのか? シリーズが中途半端になっていますが、終わった訳ではありません。 このシミュレーション・シリーズは日本株を考える上で重要な役割をする事になります。

さて、前回シミュレーション③でMSCIのJAPANとKOKUSAIのデータを取得しましたが、ここではKOKUSAIのデータを使用してシミュレーションに入力すべきデータについて考えてみましょう。

期待収益率

期待収益率は、あなた自身でも良いし誰かプロの予測する予想収益率でも構いませんが、シミュレーションではその確率分布と言う意味になります。 つまり予想されるインデックスのピンポイントでは無く、そのピンポイントを中心にどのくらいの確率で分散した範囲を取ると予想されるか?と言う意味あいです。 ここでは予想収益率には誰かの予測した収益率では無く、過去から連綿と続く収益率トレンドの延長線上で考えてみましょう。 株式のリスク・プレミアム等を考える時にもヒストリカル・アプローチとして通常使用されるやり方です。

収益率の計算をする時にはどのように計算するでしょうか?
今期の資産価格 ÷ 前期の資産価格 - 1=収益率 ですよね。

以前にも説明しましたがここでは算術平均と幾何平均でMSCI KOKUSAI円換算を計算してみましょう。

1。算術平均
以下の収益率の平均値 
収益率(リターン)=今期の価格 ÷ 前期の価格 - 1

2。幾何平均収益率
以下の収益率の平均値を exp関数で対数関数から実数に戻す。
LN(価格変動率)=LN(今期の価格 ÷ 前期の価格)
=LN(今期の価格)-LN(前期の価格)

上記2つの方法で計算します。

スプレッド・シートはここですが、エクスプロラーでもグーグル・クロームでも良いですからWEBプラウザをもうひとつ開いておくと分かりやすいと思います。
Google Docsに入ると上のメニューにViewがあります。ここのShow formula barをクリックして戴くとセルの式を見る事ができます。

まずコラムAには年度、BにはKOKUSAIの円換算指数が入っています。
コラムCとDは後回しにして、コラムFを見て下さい。

コラムF は収益率(リターン)=今期の価格 ÷ 前期の価格 - 1
コラムG はLN(価格変動率)=LN(今期の価格 ÷ 前期の価格)

最後のロウにaverage関数で平均値を計算してあります。

コラムCはFの最後のロウにある平均値つまり算術平均、8.5%を (1+r)^年数 で計算してあります。
コラムDはGの最後のロウにある平均値つまり対数収益率をexp関数で実数に変換して、
exp( 0.061) - 1= 0.063  6.3%を(1+r)^年数 で計算してあります。

そしてそれをグラフ化したのがこれです。 Y軸は対数化してあります。
KOKUSAIの2009年末の円換算値は4,144.06、1969年末が360。
360 x ( 1 + 0.0629873) ^ 40年 = 4,144.056

このグラフのトレンドを継続したいのであれば、幾何平均、年率6.3%の期待収益率が相応しい事がわかると思います。そしてそれに対応するのが対数収益率であるセルG46の6.1%です。



標準偏差

セルF3は 1。の収益率の標準偏差をstdev関数で計算してあります。通常この方法でリスク計算するように教科書等では書いてあると思います。
セルG3は 2。のやり方で計算された対数収益率の標準偏差をstdev関数で計算してあります。 さらにコラムHはコラムBのKOKUSAIの数字をLN関数で対数化したものの差分を計算してあります。 単純にLN(今期KOKUSAI) -LN(前期KOKUSAI)です。 I3はこの差分をstdevで計算した標準偏差です。 これは対数収益率の標準偏差と一致します。

シミュレーションは対数収益率が正規分布を取る時、収益率は対数正規分布となる事を前提で考えます。 その時将来のKOKUSAIインデックスも対数正規分布に従います。従ってシミュレーションに入力する期待収益率は対数収益率、標準偏差は対数収益率の標準偏差です。

シミュレーションに入力すべき期待収益率はセルG46の対数収益率6.1%、グラフで使用した6.3%からでもLN(1+6.3%)で戻せます。

標準偏差(リスク)はセルG3の対数収益率の20.93%である事は自明です。

下のグラフはY軸を対数化していないグラフです。(実はGoogle Docsのグラフ機能では出きない)
右肩上がりのグラフから収益率が対数であり、インデックスが対数で分析した方が良い事が分かりやすいかと思います。





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