2010年4月18日日曜日

週末雑感 100418


全体相場
今のマーケットを長期的に展望するならば、85年から始まったいわいるグレートモデレーションと呼ばれる長期強気相場の調整局面である事は何も変わってはいない。
ここでは企業も家計、特に米国の家計は債務を重ねレバレッジを上げ積極的な消費を行う事によって持続的で安定した経済成長を謳歌してきた。 それが2007年頃から変調をきたし、民間の債務を国家が肩代わりする事で急激なショックを和らげている。 PIMCOの言うところのニュー・ノーマルである。 その辺の事情は何も変わっていないし、ギリシャを代表する財務問題で、ここのところ一層顕著になってきたところだ。 米国で言えばケース・シラー住宅指数は9年4Q頃から戻りが悪くなってきているし、個人のクレジットカード債務の与信残高が減少し続けている事など傍証は揃っている。

以下はMSCI各国別インデックス
こうした景気の極端な落ち込みを緩和してきた中国やブラジル、インドも株価を見る限りでは09年4Q辺りで頭を打って、どちらかと言えば米国市場のみが元気であったと言う印象だ。

各国の製造業景況感指数を見るとそのあたりはもう少しはっきりと見てとれる。

日経ヴェリタスより、

底打ちの過程で戻しが期待を上回ったと言う感じでは無いだろうか。

一方東京市場の個別株式で見ると、今週の日経ヴェリタスの表紙は「脱危機宣言 企業競う 『リーマン』超え、攻めの経営で出口へ」とあるように、先行きの企業収益予想は強気の見通しを示し、株式市場のテクニカルインジケータ類が逼迫しそうな状況下にありながら強気なコメントも散見される。 投資銀行分野でも金額面では大型銀行増資のあった昨年程では無いにしろ、CDSの低下や一応の市場の底打ち等を捉え増資話しやIPOも件数は出てきそうな見通しだ。

したがってセンチメントが再び奈落のそこまでちる事は無いだろうが、適当な調整が必要なポイントにさしかかったと言えるだろう。  特に内需関連株に期待がシフトするようでは少々こころもとない感じがする。

ゴールドマン
ゴールドマンの提訴では内部での驕ったメールのやり取りが取りざたされ、会社は「訴えには根拠が無い」と反論しているが、これは常套文句でネットバブル時のメリルだって徹底抗戦の構えはしていた。 GS対政府と言うよりもGS対選挙民の戦いになる可能性が高い。 クルーグマン教授などもNYTのブログでアカロフの論文などを持ち出して、この手の話しではGSの味方は少ないのだろう。 問題はGSの当面の収益では無くインチキ臭い(少なくともそう見えてしまう)商品群への投資意欲の問題だろう。投資する機関投資家もそれがほんのしばらくの間であったとしてもマヌケにはなりたくないだろうから。 リーマンのいわいるレポ105に絡む破綻報告書の問題もこれをきっかけに再燃する可能性が高いだろう。今週のヴェリタスはフォーカスのコラムでこの問題を取り扱っている。



公募投信残高が3年ぶりに増加した。
2005年には株式投信の全体の残高に占める銀行経由の比率が一時50%を超えたが、07年9月の金商法改正以降銀行の投信販売が急減速、09年には証券経由がその他の2.7倍の規模を持つようになったそうで、メガによる個人向け投信販売における系列証券の位置関係に影響を及ぼすだろう。 但し長期投資と言うより回転率の高いトレーディングの様相も呈しているようだ。


1Q84 村上春樹
今や国民的第ブームとなって世代を問わず購入すると言う1Q84 BOOK 3だが、金曜日にアマゾンから届いた。 これは昔FF5やFF6が待ち遠しかったように、今では発売が毎回楽しみなものになってしまった。 私にとっては村上春樹の小説はどの作品も明確なメッセージを持っているのだが、今回は何らかの政治的メタファーは実はあまり感じない。 むしろ、今回の作品の印象を2つのキーワードで表すならば、「レトリック」であり、「オッカムの剃刀」。 小説の技法的な側面を読者として強く意識してしまう。 作品自体がまるでレトリックの辞書であるかのような様相を呈している。(そのクセ無駄が全く無い。) したがって登場人物を書き込むこれらの表現がページ毎に非常な楽しみとなっている。

高橋是清
一通り是清関係の小説、自伝、随想録、また、和文・英文日記を分析した「高橋是清と国際金融」なども通読したが、今は後の日銀総裁で欧米に同行した深井英五の「回顧七十年 (1948年)」を読んでいる。 これは時間がかかりそうだ。本物の良書だ。 松方正義関連も少し読む必要がありそうなので適当な本を探している。



今回はですます調を変えてみました。

0 件のコメント: