2010年5月13日木曜日

高橋是清 ③


私が興味を持っているのは日露戦争時のファィナンスの部分なのですが、今日も是清レシピで質問を受けましたので、本職ではありませんが、株屋として是清レシピをどう受け止めているかを説明しておきたいと思います。

あいにく手元に原資料が無く、メモだけなのですが、昭和13年に元日銀総裁深井英五が京都大学経済学部に呼ばれ「日本銀行の国債引き受けと財政経済」と言う題目で特別講演をしています。聴衆は当然国債引き受けに批判的です。

  • 一般経済学では中央銀行による国債引き受けは財政規律の観点から宜しからぬことである事は充分にわかっている。
  • これら需要創造は供給力に合わせて(インフレに配慮して)充分に管理されながら行われている。
  • 昭和6年の国債発行残高は48億円、内日銀持分は2億円(4.16%)、これが昭和13年で国債発行残高132億円、日銀持分12億円(9%)である。
  • 政府債務の貨幣化をしている訳では無い。
是清による赤字公債引受は昭和7年3月から。
昭和13年の名目国民総生産は265億円

つまり実際には日銀が国債をガンガン引き受けて飲み込んだのでは無く、引受シ団等によって国債をいきなり市中売却する代わりに、一旦日銀口座に入れて資金供給し、市中に購買力が出た時点で買い取った国債をセカンダリーで売却すると言う手法を取っています。従ってこの講演の時点では日銀の国債保有残高はコントロールされていると言う風に理解してます。

最近よく言われる「国はドンドン借金してお金をバラマケ」と言う話しとは少し違います。 今ハヤリのバラマキ案「高橋財政を見習って」と言うのは私には違和感があるのです。

高橋是清と深井英五が天国で、

「深井君、世界の中央銀行は大変な事になってるね。」

「ええ、膨れ過ぎた民間債務を国債発行や買い入れで国が肩代わりしてショックを吸収すると言う手法ですよね。出口模索が難しいでしょう。」

「深井君、我が日本は民間の過剰債務などあったのかね?」

「いえ、今回の日本は危機以前から政府債務が問題でした。」

「では軍部が予算に圧力をかけていたのだな。実にけしからん奴らだな。」

「是清さん、今の日本には軍部はありませんよ。」

とか言ってるのではないでしょうかね。

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