2010年5月17日月曜日

ブレトン・ウッズ


今から15年ほど前になるでしょうか。 私はニューハンプシャー州にあるブレトン・ウッズに旅行に行きました。

ここは第2時世界大戦末期に連合国通貨金融会議が開かれたところで、ブレトン・ウッズ協定の際に使われたホテルは15年前も現役でしたし、今も営業しているそうです。 当時は随分シャビーだったのですが(料金もとても安かった)、写真を見ると今では綺麗にリニューワルされているようです。

私の泊まった部屋のドアには「トリニダート・ドバコ代表」と書かれたネームプレートが貼りつけてありました。 その時は「フムフム」と納得していたのですが、今になって何となく引っかかるものがあったので調べてみるとこの国は英国自治領になったのが1956年ですからどうなんでしょうね?

このホテルは木造です。ゴルフ場、オールタイル貼りの室内プール。 ディナーは3種類くらいのプリフィクスのみでリブ・ステーキを食べた記憶があります。 美味しかったなあと言う記憶はありませんが、冴えないバンドがダンス・ミュージックを演奏して老夫婦カップルが何組か踊っていました。



ここに行った目的は特にブレトン・ウッズ・コンファレンスを偲ぶ為では無く、近くにあるマウント・ワシントンのコグ・レールウェイに乗る為でした。

1869年完成で1400メートルの頂上まで蒸気機関車で登ります。

傾斜も37度で世界で2番目に急なのだそうです。

調子にのって「月まで登れ」と言う開発秘話のビデオを買ってしまいましたが、それは今でも大切に保存してあります。

この鉄道の建設計画がニューハンプシャー州議会に提出された時には創始者シルベスター・マーシュは物笑いの種となり狂人扱いされましたが、この機関車は結局21世紀になっても未だ煙を吐いて山を登っています。 一方でボストンから麓の駅を繋いでいた常識的な鉄道はとうの昔に廃線となっていることは歴史の皮肉でしょう。

前振りが長過ぎました。

ブレトン・ウッズ協定では2つの国際機関が創設されます。国際通貨基金(IMF)、と国際復興開発銀行(IBRD)いわいる世界銀行です。 役割としてはIMFが短期、世界銀行が長期融資と言う性格ですが、この時人事に暗黙の了解がありました。 IMFは初代総裁がケインズ、以降ヨーロッパから総裁は選ばれますが、世界銀行はアメリカ人から選ばれると言う風に住み分けがなされました。


2010.5.17 19:31  産経ニュース
【ワシントン=渡辺浩生】ギリシャの財政危機に端を発した欧州の信用不安を防ぐために欧州連合(EU)が合意した総額7500億ユーロの安定化策をめぐり、国際通貨基金(IMF)が融資する2500億ユーロについて、IMF内部で不協和音が生じている。十分な事前調整がなされずに欧州主導でまとめられたという不満が新興国を中心にくすぶっているという。
 安定化策は、欧州発の金融危機の連鎖を阻止するために、EU財務相理事会が10日未明に合意内容を発表。EUが5000億ユーロの安定化基金を創設し、IMFが最大2500億ユーロを融資するとしている。2500億ユーロについては、ストラスカーン専務理事の主導で「IMFが全体の3分の1を担う」という了解をもとに積み上げられた金額という見方が濃厚だ。
 IMFはこの数字を公式に認めておらず、関係筋によると、EU財務相理事会に先立ち、9日にワシントンで開催されたIMF理事会でも言及されなかった。このため、中国やブラジル、インドなど新興国メンバーを中心に「事前の打診を受けていない」との不満がくすぶっているという。
 アジアや中南米諸国は90年代の経済危機でIMF融資を受けた際に厳格な融資条件をIMFに押しつけられた経験がある。このため、今回の欧州危機で、IMFの現行融資能力に匹敵する規模の支援が、条件などの十分な検討を経ないで打ち出されたことに、不公平感が一部にあるという。

ブレトン・ウッズは英国から米国への覇権国の交代儀式とも言われていますが、この記事はパックス・アメリカーナの基盤が具体的に変わりつつある事を示唆しており、とても興味深い記事です。

以前のエントリーでユーロ問題は金融政策が共通で財政政策が各国で別れている事が問題であると指摘しておきましたが、上記の安定化基金による国債買い付けやECBによる国債を担保として受け入れる際の適格要件の緩和等により、財政政策との境界が曖昧になりつつあります。

為替は相場ですから行ったきりと言う事はありませんから適当な水準を取り敢えず模索する事になりますが、ユーロの体制としての行方は以下の3つです。

1。財政政策も共同で行う。ユーロ圏がひとつの国になる。
2。ユーロを解散するか、参加国を絞り縮小する。
3。その中間。

しばらくは3しか選べないでしょうから不安定な状態は続く事になると思います。



PS  こんなものもありました。 Conway Scenic Railroad

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