2010年5月6日木曜日

CDS市場 The Treasury Borrowing Advisory Committe


ギリシャを筆頭にユーロでソブリン債(国債等政府機関系債券)問題が燃え盛る中、5月4日に米国で 財務省借入諮問委員会(The Treasury Borrowing Advisory Committe)が開催され、米国政府債務の今後の見通しを始め、CDSの存在意義等について議論がなされています。 この委員会にはGS,JPM、ソロス、ムーア、ドイチェ、PIMCO、RBS、チューダー、バンカメ、ブラックロック、アライアンス・バーンスタイン等々が参加者として名を連ね、使用されたプレゼン資料はネットで見る事ができます。


ブルンバーグ・ニュース

そもそも国債は歴史的にリスク・フリーと考えられていたので、優良企業の無担保債と同じで担保設定がありません。従って委員会としてはCDSを通じてヘッジをする事はessential:必需品であり、ギリシャ危機に直面するユーロ首脳からのCDSと言う商品そのものに関する非難に対しては明確にソブリンCDS市場を擁護しています。

但しギリシャが2日前に同意した1100億ユーロの借款は無担保とは行きません、ギリシャ公務員の給料、年金カットおよび租税強化等が条件になっています。
国民がこうした条件を呑む事がいかに困難を伴うか、ギリシャでの流血反政府デモが示しています。

データでは約半分のソブリンCDSが金融機関による企業や政府などに対する潜在的なカウンター・パーティ・リスクのヘッジ目的で使用されています。

3月に主要金融機関がユーロの規制当局と会議を持ち、当局は投機的なCDSの使用の禁止を呼びかけましたが、この件に関しても今回の委員会は「CDS市場は国債価格に影響を及ぼすほど大きくは無いし、これまでもそのような事は無かった」と結論付けています。

市場規模として、バークレーズとDTC(Depository Trust & Clearing Corp)のデータからソブリンCDSの残高は2.3兆ドル、ネッティング後は2300億ドルだそうです。

歴史を紐解くと1904年に日本が日露戦役資金をロンドン市場で外貨建国債発行によって調達する際には、担保設定で揉めています。
日本として担保には税関収入を充当するのですが、前例として清国が資金調達した際に税関に債権国から係官を派遣して関税収入の管理にあたらせていた為に日本にも同じ形態が要求されました。 高橋是清は日本はかつて既発債で一度も不履行を起こしたことは無い事を理由にこの要求を突っぱねています。植民地に対する扱いですね。しかし今回のギリシャは同じような状況に陥ろうとしている訳ですからそもそもプライドが許しませんよね。

プレゼンの中身を少し紹介しておきます。クリックすると大きくなります。
図表はFRBのプレゼン資料からです。PDFの21ページ以降がCDSです。

CDSの概要
PIIGSが特に多く取引されている。
5年が主で、10年もある。
呼値は年間ベースで、支払いは四半期ベース。
デフォルト・イベントは別ページで詳しくあります。



銘柄別のネット残高。 一般企業も混じっています。

各国債務に対するCDSのネットの規模です。 ポルトガルで5%程度
CDS Net NotionalはCDSネットの金額規模、その下が政府債務の規模 

主要市場参加者

右のコラム、ナチュラルセラーは「はっきりしない」となっています。 この事が現物市場に対してCDSが限定的な流動性しかもてない原因となっている。


ディーラー以外の投資家のポジション
濃い線が投資家危機以前は買い手であっが、売り手に変化している。
薄い線は取引されているCDS相当分の現物債換算金額

CDSスプレッドと格付けの関係



西ヨーロッパ中心なので日本国債への言及はありませんが、そもそもこの資料は米国債務の問題を扱っていますので他にも興味ある資料が満載です。

時間をかけてゆっくり見たいと思いますが、先ずは紹介だけ。


0 件のコメント: