2010年8月3日火曜日

戦場からのラブレター


2週間程前に沢木耕太郎の「「愛」という言葉を口にできなかった二人のために」と言う本を貰って読みました。これは沢木さんが「暮らしの手帖」に連載している映画評論エッセーを本にまとめたもので、前作「世界は「使われなかった人生」であふれてる」に続くものです。

この中では34本の映画が取り上げられているのですが、いくつか気にかかる映画があったのでTUTAYAで取り寄せて見てみました。

その中のひとつ、「君に読む物語」、ニコラス・スパークスによる原作「 The Notebook」は56週間ニューヨーク・タイムズのベストセラー・リストにとどまり450万部も売れたそうです。おじいさんが、アルツハイマー病の施設に入っているおばあさんに物語を読んできかせてあげる。その物語は若い2人の恋愛物語なのですが、現在のおじいさんとおばあさんの物語と併行して話が展開されて行きます。

1940年代の南部の田舎町に都会の大金持ちの一家が高校生のお嬢さんアリーを連れて別荘に避暑にやってきます。そこでアリーは地元の貧しい(多分地元では普通の)青年ノアと一夏の恋に落ちてしまいます。そこには古いプランテーション時代の屋敷が湖畔に廃屋として残っていて、ノアはいつかその廃屋を買取り綺麗にレストアする夢を語り、アリーはそこで好きな絵を書いて暮らしたいとノアの夢に答えますが、2人の間には身分の差と言う障壁が待ち構えていました。やがて夏休みが終わりアリーは都会に帰り、ノアは毎日毎日ラブレターを出すのですがノアの母親に邪魔され1通の手紙もアリーには届きません。

そして戦争が始まりノアはヨーロッパ戦線に赴き、アリーは親も認めてくれるような立派な男性と知り合い結婚を決めます。ノアは大事な幼なじみを戦争で失い傷ついて帰ってきますが、父親がお金を残してくれたのと退役年金を合わせて古い屋敷を買取りレストアを始めます。

アリーの結婚式の前日、新聞に載ったノアのレストアした屋敷の写真をドレスの試着をしているアリーが見つけてしまうので大変です。おじいさんが誰でおばあさんが誰なのかの暗示は難しいものではありません。

この映画は画面も綺麗でストレスも溜まらない非常に好感度の高い映画ですが、観終わった後で私は少し違う事を考えてしまいました。それは、アメリカには戦争を挟んでのラブ・ロマンスは沢山あるのですが、日本ではあまり見かけないと言う事です。

日本は若い学生出身の軍人の死亡率が非常に高かった。玉砕や特別攻撃隊や原子爆弾などおおよそロマンスを超越してしまうようなインパクトの強い題材が多すぎた。自由恋愛が制限されていた。復員後は食料難でそれどころでは無かった。等々色々と原因を考えてみたのですが、それでももっとラブロマンスはあったのでは無いでしょうか。

今日のNHKクローズ・アップ現代、「戦場からのラブレター」は戦死された方のラブレターでしたが、きっと生還した人達にも彼等の子供達(多分団塊世代よりも上)も知らないような話が沢山あって埋もれてしまっているに違い無いと改めて思いました。

三兎を追ってしまいましたが、映画もテレビも本もお薦めです。

水曜日BSで再放送があります。

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