2011年5月3日火曜日

裏技ニッポン


先日、何気にテレビを見ていたら中居正広がMCをして池上彰にチャレンジするような趣旨の番組をしていた。タレントや政治家をゲストに色々と複雑なものを解りやすく説明しようとする番組だった。

その中に「得するお金の話」というものがあって、「年金を多くもらう裏技」と「知って得する医療費の新常識」が取り上げられていた。小池百合子や片山さつきもゲストにいたように思う。

年金を多くもらう裏技

先ず、年金を多くもらう裏技は夫婦の年齢が離れていると得するという話だった。
仮にダンナが65歳の年金受給年齢に達した時に、奥さんの年齢が50歳ならば奥さんは受給年齢に達していないので本当は奥さんの分の国民年金が貰えないのだが、特別に奥さんが65歳になるまで国民年金の約半額が給付されるというものだった。

成程そういう制度があるのか。
しかしどうしてそれが裏技なんだ?

それは申請しなければ貰えないからだ。つまり申請する事が「裏技」なのだ。
普通に正道を歩いていると貰えないわけだ。


知って得する医療費の新常識

これは高額医療費制度の話だった。癌治療などで保険対象外の特別な治療法に対しては適用されないが、健康保険に加入している限り長期入院などで医療費が嵩んでも自己負担には上限が決められているという話だ。これは「高額な医療保険には本来加入するメリットが少ない」ことを説明するときによく根拠にになる制度である。

しかしこれがどうして「知って得する」なんだ?

それは申請しなければ貰えないからだ。つまり申請する事を知っていれば得をするのだ。
「ボーッ」としていれば貰えない。

どちらも視聴者アンケートによるこの制度の認知度は50%を割っていた。また高額医療費制度に関しては医療機関でも積極的にこの制度の説明はしないそうだ。多分手続きが面倒なのかも知れない。

しかしこれらの表現は間違っている。「知って得する」ではないのだ。「知らないと損をする」が正しい。何故ならば誰でも本来受給する権利を持っているからである。つまり厚生年金なり国民年金なり健康保険なり既に保険代金を支払っているからだ。未納の人は別の問題だが建前は国民皆保険で勤め人は給与から天引きされている。

これがもし民間の保険会社であればどうだろう。申請手続きが充分に周知されず、且つ面倒な申請手続きをしなければ貰えない保険なんて「保険金不払い問題」にでもなりそうではないか。しかし国がやっているからなかなか問題にはならない。かつての社会保険庁の仕事ぶりに国民は皆驚かされたものだったが今でも民間レベルにまで品質向上したわけではない。小池百合子も「お役所仕事ですかね」とコメントしていた。政治家があきらめてはいただけない。

長期療養の際には医療機関に保険証を提示するのであるから患者の属性は解っているはずだ。最初から療養費から引いておいてくれれば良いはずなのだ。申請を受ける人間がいて審査する人間、出金を管理する人間と人件費は膨らんでいくだろう。組織ができれば天下りの長も必要だろう。しかしこれは国民に対して何より不公平だ。保険料は強制的に天引きされるが、保険金は「請求主義」と非対称になっている。

確かに日本の財政赤字の根本問題はざっくりと社会保障費である。しかしながら電子政府など政府部門の合理化余地も相当残されているはずなのだ。考えさせられる番組だった。

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