2011年5月17日火曜日

大山鳴動東電スキーム


5月13日に原子力損害の賠償に関する「政府支援の枠組み」についてが発表された。
本来この発表は今月中に東京電力の決算を控え早期の枠組み決定が迫られており12日がデッド・ラインだったのだが、これが民主党内の反対に会い1日延期されたものだった。

内容はこれまで新聞にリークされていたアドバルーン記事と大差の無いものだ。
当ブログでも素案を扱った。
4月15日 原発賠償へ保険機構案
4月21日 東京電力支援スキーム

要するに原案が出来てから1ヶ月近くが経過していたわけだ。そして出てきた「枠組み」は本当に枠組みでしかなく機構から東京電力への資本注入の手法が何であるのか?とか、知りたい部分が明記されず極めて曖昧なものであった。

当然こうした曖昧な「枠組み」は記者会見ではつっこまれることになる。
「金融機関などが、東京電力に行った融資について、一切債権放棄をしない場合でも、東京電力に公的資金を注入することに国民の理解が得られると考えているか」と質問したのに対し、「震災発生後に福島第一原子力発電所の事故への対応などのために行われた融資については、別に考えないといけない。しかし、震災発生以前の融資について『国民の理解を得られるか』と問われれば、到底、得られることはないと私は思っている」と述べました。NHKニュース

これに株式市場は反応した。銀行株が下げて「枝野ショック」とか呼ばれたのだが、よくよく「枠組み」を見てみれば資本注入の条件など何も書いてはいない。あえて文言を探せば「原子力事業者を債務超過にさせない」とあるだけだ。「枝野は弁護士のくせに資本主義もわかっていない」とか「日本は資本主義の根幹もわからないのであれば外人はもう投資してこない。これは風評被害だ」などと騒ぎが大きくなるわけだが、機構(政府)による資本注入の条件に銀行団による債権の一部放棄が入っていても別に資本主義の根幹を揺るがしたりはしない。バブル時の不良債権処理に株式に手をつけず銀行団の債務免除などしょっちゅうやっていた。第一既存株主の保護なんて「枠組み」のどこにも書いてはいないし、一方で全てのステークホルダーに協力を求めるとはっきりと書いてある。資本注入で相当のダイリューションが発生する可能性も高いと僕は思う。

この枝野発言に対して15日玄葉政調会長(産経)は、「ちょっと言いすぎた感じだ。(東電が)融資を受けられなくなる」と指摘した。
枝野さんが何と言おうが、そもそも今時東電は政府保証無しで融資など受けられる理由がないでしょう。

そして17日野田財務相、(産経)
枝野幸男官房長官が東京電力への公的資金活用の前提として金融機関に債権放棄を求め、大手銀行がこれに反発していることについて、「具体的に政府で検討したということはない。東電と金融機関が『民・民』の関係でご協議いただくのが基本姿勢だ」と述べ、あくまで民間同士の議論に委ねる考えを強調した。
そう財務相は「具体的に政府で検討したことはない」とハッキリ言ってる。

当然のことだが枝野、野田両氏は「原子力発電所事故経済被害対応チーム 関係閣僚会合」の副チーム長、玄葉氏は閣僚だからメンバーである。
要するに何も決まっていなかっただけのこと。

結果として「賠償支援法案は今国会提出見送り」がオチとして準備してあった。

もしも今は立場上何も言えない東電清水社長を大阪弁で代弁すれば、
「あまえらええかげんにせいよ~、どうせ更迭されるワシらの給料が高いとか何とか細かいことばっかり言うてからに、肝心なことは何にも決めてくれへんやんか。ただでさえ事故処理で無茶苦茶忙しい東電に直ぐにリストラやれとか賠償金はお前が支払えとか。資金ショートしてまうど。第一原子力はうちが勝手にやったんと違うぞ。国策に協力してきただけや。何でもかんでも人のせいにしやがってからに。せめて賠償支援法案ぐらい今国会で決めてくれや。こんな政府もし普通の会社やったらとうに潰れてまっせ。」

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