2011年6月29日水曜日

市場はギリシャ問題を楽観視しているのか?



結論から言えば、デイ・トレーダーを除いて市場関係者は誰もギリシャ問題を楽観視などしていない。

ギリシャ国債の指標銘柄は昨日(28日)、ブルンバーグの表現を借りると「前日比35ベーシスポイント低下の16.45%と、9日以来の低水準。一時は42bp下げ、17日以降で最大の下げとなった。同国債(表面利率6.25%、2020年6月償還)価格は1.03上げ53.795。ギリシャ2年債利回りは87bp低下の28.51%」である。つまり債券価格は額面の50%程度でしかないのである。

そもそも「デフォルト」を一切合切一文も何も支払わない事だと考えている人も多いようだが、歴史的にはそういった事例はロシア革命時にポルシェビキ政権がロシア帝国の債務を全て無効にしたぐらいであって、破綻国家も必ずいくらかは支払うものだ。何故なら復帰後の国際金融市場からの借入れが出来なくなってしまうからだ。

そうした意味でユーロが強烈なインフレ下ではないにもかかわらず国債価格が額面の50%をつけているのは。デフォルトという政治経済用語の定義を議論する以前に実際にはもう既に「死んでいる」のである。もしギリシャがユーロに加盟していないのであればドラクマの切り下げで対応していたはずなのだ。

であればギリシャ国債を買い入れた銀行団は時価評価しているはずだから、この件はもう問題はないではないかと考えるかもしれないが、実際には銀行は今も簿価で評価している。現在はそれを取り繕う作業をしていると考えて良いだろう。従ってショート・カバーこそあれユーロが大躍進などはするはずもない。問題は「デフォルト」という言葉の醸しだす脆弱な他国への影響の方だろう。

またこうした債権の評価をめぐりユーロの政府や銀行団が格闘する姿は我々日本人には既視感のあるものだが、だからと言って溜飲を下げている場合ではないことも確かなのだ。

下にギリシャ問題をめぐる本日現在の日程表を簡単にまとめておいた。
ギリシャ国内の政治問題も重要であるが、フランスの提案した民間銀行によるロール・オーバー案も懸念材料を抱えていることにも注意である。
また実際の「デフォルト」は8月20日の59億ユーロの5年物の償還がポイントになると予想されている。


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