2011年9月14日水曜日

担保には何を?


IMFのラガルト理事が新興国に対してリスクの高い欧州各国の国債購入を奨励している。もちろんこの新興国とは外貨準備だけで3兆2千億ドルを持つ中国を念頭においているのだろう。一方でフィナンシャル・タイムズはイタリア政府が中国に多額のイタリア国債を購入し援助してくれるように求めたという。これまでもギリシャやスペインも中国からの救いの手を求めていたが、実際に中国がこうした国債を購入したという報道はない。ギリシャの10年国債利回りは13日付ですでに25%である。もし中国が購入していたのであれば、すでにその損失がニュースになっているはずである。買わなかったのだろう。

今年はリーマン・ショックから3年、9・11から10年であると同時に中国の辛亥革命から100年目である。中国革命の父と呼ばれる孫文は日本を亡命先にしていた期間が長く多くの日本人支援者が存在した。今年はそうした人々にまつわる催し物も多いようで楽しみな事である。

19世紀中期、清朝末期の中国は当時の列強国によって文字通り「食い物」にされていた。もちろんこの列強にはイタリアも日本も含む。アロー戦争や義和団事件は有名だが、他にも列強国は賠償金目当てとしか思えないような事件を引き起こしその都度清国の借金として積み重ねていった。

特に関税収入を担保(支払原資)とした公債の場合、とりはぐれがないようにロバート・ハートのような徴税人を清国行政機構に派遣していた(正確に言えばそう単純ではないのだが)。高橋是清も日露戦争資金調達時には日本にも徴税人を派遣するぞと英国の業者から脅されている。

さて今フィンランドはギリシャ支援に担保を求めている。高税負担の国であるから国民負担を安易な融資に仕向けるわけにはいかないだろう。

では同じように中国がイタリアなど高債務国に融資する場合に担保を要求するのだろうか?

「君らの徴税は甘すぎる、我が国から徴税人を派遣しようか」

これは現代でこそ妄想でしかないが、実は100年前の中国ではそうではなかったのだ。


追記:本日からサンケイ・ビジネス・アイにコラムを書き始めました。週に一度程度書ければと思っています。今はプロの編集者に教わってばかりでカルチャーショックを受けながらも非常に勉強になっております。このブログも少しはマシになるのではないかと仄かに期待しておりますが、しばらくは更新等頻度が落ちると思います。宜しく。

1 件のコメント:

Shuji さんのコメント...

今回も面白かったです。一般紙に定期的に執筆されるとのこと、さすがですね。ご負担もかなりのものかと思いますが、現在は金融ネタがホットイシューなので(昔からそうかもしれませんが)、益々のご健筆をお祈り申し上げます。