2011年12月13日火曜日

ユーロ問題111213


一週間程前にサンケイ・ビジネス・アイに「ドイツはどこで折れるのだろうか?」というコラムを書いたが、結果からいえばドイツほとんど折れなかったようだ。12月9日以降一時的にユーロが強含む展開もあったが、今では欧州金融機関によるレパトリ、つまり海外資産の売却もしくは融資の貸し剥がしであったと市場では見られている。今以上の欧州金融機関の逼迫は中南米やアジアでのさらなる資金供給の先細りを意味するだろう。ユーロの問題は世界経済の成長に大きく影を落とす。

そもそも今回のユーロ危機を解決する上で市場で期待されていたものは、1.中長期的にはユーロ共同債を視野に入れた財政統合。2.短期的には欧州中央銀行(ECB)によるほぼ無制限なソブリン債の買い支えだったのである。言い換えれば1は財政規律の再構築であり、2は市場流動性の供給であった。

しかし予想されていたように共同債発行に関しては触れられず(触れられないことが反対に発行の可能性を匂わせてしまった程だ)、ECBが市場での買い支え規模を拡大する見通しは断たれてしまった。これはつまり燃え盛る火は鎮火されることもなく見て見ないふりをしたまま、ユーロ最大の強国ドイツの理想論に流されたまま燃え続けることになってしまったのだろう。

今回はさらにもうひとつ大きなイッシューを生み出してしまった。これも予想されていたことではあるがイギリスの離反である。正確にいうとユーロ圏の財政規律を強化する新しい欧州連合(EU)条約を拒否した。ドイツとフランスはEU条約改正に頼らずに賛同する国家だけで別の条約を結ぶべく動いたが、13日のFTでは法的側面からこの条約の実効性について疑義が提示されている。この条約下では共同債の発行すら困難ではないかというのだ。

アメリカがそうであったように格付け機関による格下げは国家が対象である場合にはまだしも、ユーロの個別金融機関に広がりを見せるようならばその影響は軽視できまい。ユーロの困難は年越しである。市場はどこまで大人しくしていられるか、財政的に脆弱と見られる国家の債権、個別金融機関は投機筋の絶好のターゲットとなりかねないだろう。

2 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

自分は金融素人であります。
何故かこの分野に興味があり、関連のブログを幾つか購読しております。
Porco Rossoさんのおつな人情話が読めなくなって、とても寂しいですが我慢しております。
他所のブログの引き写しで恐縮ですが、この方の解釈も面白く思いました。

”先週末、12月8日にはドラーギ新総裁の下でECB理事会が新しい金融政策を発表しました。 翌日9日には、EUサミット(EU首脳会議)が「ドイツを中心にした財政統合」へと、大きく前進しました。

こちら貞子ブログでも簡略に記していますが、 ドラーギECB新総裁は、明らかに「欧州版QE」を発動しました。

しかしながら、今のところ、内外のマーケットは、今回のECB理事会とEUサミットの決定内容に、「消化不良」を起こしています。
株式市場は、8日のECBの決定と9日のEUサミットの決定内容に、どう対応していいのか、困惑しているように見受けられるのです。 ”

ご無礼を致しました。

Porco さんのコメント...

人情話を是非書きたいなと思っているのですがなかなか忙しくって困っています。
明らかに欧州版QEと認識できる内容であれば市場はメディアなんぞ気にしませんよ。ドラギさんはバズーカ砲を実射する必要があるでしょう。