2011年12月16日金曜日

ユーロ問題111216


最近書かれたブログや記事等を見ていると12月9日のEU首脳会議の結果に対してポジティブな意見を持つ人もいらっしゃる。そうした人の根拠は、おおよそ①ECBによる期間3年の資金供給オペ、②ユーロ共同債発行の可能性の2つにあるようだ。

元々ユーロの「バズーカ砲」とは①の流動性供給処置に対して欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバー、フランス銀行(中銀)のノワイエ総裁が語ったものであって、欧州単一通貨ユーロ圏がIMFに拠出しようとしている2000億ユーロの話では無い。期間3年の低利の資金供給がユーロ圏の銀行に対してなされれば、「民間銀行の諸君もソブリン債券(国債)をどんどん買うことによって利鞘を充分に稼げるではないか」という話だろう。つまり銀行への資本注入ではなく、ゲルマン的に厳格な行動規範を持つECBに成り代わって国債を購入するスキームにも見えるわけだ。

しかしどうなのだろうか、FTも指摘していたが、今、ユーロの銀行は不良債権化しそうな国債のエクスポジャー(投資配分比率)をどんどん売却しているところである。財務状態の悪い国は長い償還期間の債券発行は困難であろうから満期償還による借り換えニーズに対しては短期の資金超調達に追われることになるだろう。それを民間銀行が繋いで時間稼ぎをしようということなのだろうか? これがノワイエ総裁のいう「バズーカ砲」なのだろうか。

②のユーロ共同債発行に関しても、具体的に触れられなかっただけで、来年6月に向けて継続協議というのが市場のコンセンサスだろう。要するに何も具体化はしていない。但しこれに関してよく解っていることは、共同債発行とは財政の統合を意味するものであって、問題のある諸国の中途半端な財政処置ではドイツ(メルケルではない)議会の了承は得られないということだろう。実績を見せて行く必要があるということだ。つまりは時間がかかる。その間にユーロ経済がボトムを打ち切り返すという可能性に関しては、いくら先のことはわからないにせよ、目先何かアクションを起こさねばならないほど至近距離にはないと私は考えている。

1 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

ありがとうございます。
自分はお金=信用とは何か、という疑問の答えを探しているのだと気付きました。
中央銀行に、輸血強心剤点滴がんがん入れるから、もっと毒饅頭食らいなさい、と言われて民間銀行がどう対応するのかがわかりませんでした。
又なんとかやり過ごせば毒饅頭が、虎屋の羊羹に変わるのかどうかも解りません。
金融機関は国家の金主なのか、国家の金蔓なのかも解りません。
FTの記事はあわや第三帝国復活か、の悪夢を振り払う英米のプロパガンダかと思いました、ちょっと話が飛びすぎでしょうか?
話が変わりますが、慈悲出版系の罠にこんな優秀な方がという人が嵌まったりするようで関係はないと思いますが、従前のハートウォームな文体期待しております。
もちろん金融関係の記事も期待しております。
失礼いたしました。