2012年5月12日土曜日

対数チャート FRED


このエントリーは前回の「FREDについて」の続きだ。

前回はCPI(消費者物価指数)のデータ対して、あっさりと対数グラフ(Log scale)を使ってしまったけれど、対数グラフとは一体何なのか?、それを使う意味は何なのだろうか?という問題を簡単にスルーしてしまった。実に悪いクセだ。

この問題は単純なようで、すごく大事なポイントである。ベテランのプロの株屋さんが作ったものでも、よく勘違いをしている資料を見かけることがある。特に分析期間の短い間はそう影響は無いのだけれど、長期の分析や予測をするときにはこの縦軸をどうするかは大きな問題になる。

この問題は金利の単利と複利について考えるとわかりやすいだろうと思う。

ある人が10万円を年利率20%で借りたとして、単利の場合と複利の場合を考えてみよう。

単利の場合は毎年元利の20%である2万円ずつ元利合計は増加する。
元利合計=10万円+2万円x年数 ・・・同額増加

複利の場合には、毎年、前年の元利合計に対して20%ずつ増加する。
元利合計=10万円x(1+20%)^年数・・・同率増加 「^2」は2乗の意味。



これは5年だからどうにか見れるものの、例えば20年になるとどうだろうか?


同額では無く、同率で増加する複利、つまり複利の場合にはグラフは立ち上がってくる。従って年率5%のGDP成長といった場合や長期の株価の場合にも、何年も累積するとグラフの最後は真上に向かって立ち上がってしまうことになる。

そこで、縦軸を対数軸にすると、


上のグラフの縦軸は、最初の目盛りが10、次が10の2乗の100、その次が10の3乗の1000.これが対数軸であり、対数グラフだ。複利が直線になって現れる。年率20%の角度だ。

では、実際何に使えるのか?
FREDに戻ってみよう。

グラフはWest Texas IntermediateのOil価格だ。データは1946年からある。
上は縦軸が普通のグラフだけれど。最近の価格変動が大きく出過ぎて見づらいだろうと思う。


これを縦軸を対数軸にすると、どのくらいの変化率で推移しているかがわかりやすいだろう。例えば40ドル抜けでターゲットを倍の80ドルとしたところで、対数チャートで見れば大したターゲットでは無かったことがわかるだろう。(勿論、そういった事は事前に言って欲しいところだが)

さて、下のグラフは青がアメリカの名目GDP(10億ドル)。それに加えて赤のダウ30(指数値)を何の工夫もなく同じグラフにプロットしたものだ。



残念ながらここからは何もわからないだろう。ただ両者とも右肩上がりで上昇しているだけだ。1987年のブラック・マンデーなんか大騒ぎしないで欲しい、たいした事ないじゃないか。GDPが増加すれば株も上がる?だけど大きく売られてしまうこともあるじゃないか。今の株式の水準は名目GDPに対して高いのか低いのか?さっぱりわからない。

次回はこのグラフの扱いについて考えてみる。



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