2012年7月13日金曜日

出版の意図?


マンハッタンの6番街は現在アヴェニューオブアメリカと呼ばれていますが、かつては高架鉄道が走っていました。写真はメイシーズ百貨店の角、ブロードウェイと6番街の交わるところです。拙著でも高橋是清が始めてニューヨークを訪れたシーンで登場します。

この鉄道は映画「キングコング」にも登場しますが、第2次世界大戦直前の1938年に営業停止となり解体されスクラップとなりました。そしてそのスクラップは日本に売却されますが、年代的にみて戦艦「大和」、「武蔵」の鋼板となった可能性があります。そして、ニューヨークではそう言い伝えられていました。「どうして敵国に売ったのかと」

日本は石油やこうしたスクラップは全くアメリカ頼みでした。もちろんこうした物資の購入には「金(ゴールド)」が要求されたことは言うまでもありません。戦争になりそうな相手にツケ売りはできません。日本は戦争中に不要不急の鉄道やケーブルカーは廃線にされ、遊園地の飛行塔などもスクラップ化されました。お寺の鐘が持っていかれたのはご存知の方も多いでしょう。これは鉄の供出なのですが、実はこれよりずっと前、アメリカと一戦を交える前にすでに金の供出があったのです。

金時計を渡すと、金の部分を取られブリキみたいなものに取り替えられて帰ってきたそうです。この金はアメリカに支払われました。今から戦争をしようとする相手に払っていたのです。

昨日は経済誌の記者さんと長い時間話あっていました。僕がこの「日露戦争、資金調達の戦い」を出版した意図は何か?というのです。この本で僕が言いたかったことは、その記者さんが想像したように現在の日本が財政危機にあるということではありませんでした。

日露戦争に関する本はたくさん出されています。もちろん第2次世界大戦もそうですが、日中戦争もからむ第2次大戦は未だちゃんとまとめられていないと僕は思っています。僕にすればその前に日露戦争なのです。

徹底検証とか分析とかたくさんの本が出ていますが、どれも資金調達をまともに扱っていない。日本軍はロジスティクが弱いとか補給を軽視したとか色々分析され、もっと言えば常識化されているのに、軍資金という分析に踏み込んだ本が一冊も無かったのです。たまにあっても高橋是清自伝を鵜呑みにしたものであって間違っていました。金融業界で国際的な仕事をしていれば高橋是清自伝がオカシイ事はすぐにわかります。

山ほど日露戦争を分析した本があって、検証して反省して、それでももし、日本が今度戦争をやったらまた負けると思うのです。なぜなら肝心なことに未だに気がついていないからです。拙著の読者は日露戦争は一歩間違えば開戦早々に日本がデフォルトし負けていた可能性が随分高かったことを既に知っていると思います。

僕の出版意図は数多ある日露戦争本に対して戦争を分析する上でものすごく大事な部分がぽっかり抜けていますよと注意を促したかっただけです。

そして現在の日本の財政危機は根っこのところは同じで、国民は「坂の上の雲」を見ながら、いつか誰かがどうにかしてくれると考えているのではないでしょうか。

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