2013年5月9日木曜日

信長と大河ドラマ


『金融の世界史』出版の24日までは読書スケジュールをたてずに、気ままに読書したり、ビデオを見たりしている。但し、前作を書いている時もいつか信長関連を調べてみたいと考えていたので、勢い今の読書は鉄砲だとかイエズス会宣教師だとか「堺」とかになってくる。

辻邦生が小説「安土往還記 (新潮文庫) 」を書いたようにこの時代の日本史と世界史の連携は密接だ。中国で発明された技術がパクス・イスラミカやパクス・モンゴリカによってルネサンス期の西洋社会に伝えられ、それが今度は大航海時代のポルトガルやスペイン、さらにイエズス会士でいうならばばイタリア人によって巡り巡って日本に伝えられる。

そこでは東シナ海で活躍した後期倭寇の介在も無視できない状態だ。多分天文学や数学などの基礎科学の他、医術や造船技術、大砲の薬室部分の構造だとか機械・冶金・化学関連などの分野に様々な技術移転があり一気に日本の戦争の仕方が変わってしまったのだろう。

昨日は城山三郎の「黄金の日日 」(1978年)のkindle版を読み、大河ドラマで視聴率歴代3位だったこの作品のビデオを何話か見た(NHKオンデマンド)。小説が先行したわけではなく、TVドラマと同時に打ち合わせをしながら書かれた小説なのだそうだ。主演は市川染五郎(現:松本幸四郎)、安土桃山時代の世界をまたにかけた豪商、呂宋 助左衛門(歴史的人物としての事跡は不明)の生涯を堺の街と織田信長、豊臣秀吉との絡み合いの中で描いていく。フィクションというよりファンタジーにより近い。「ブェネツィアもフィレンツエもアムステルダムも封建的な支配者はいない。自由な市場こそが栄えるのだ」と後の土光行革に繋がるようなセリフがTVの方にはちりばめられている。

前置きが長くなったが、このドラマはすこぶる面白い。もともと主人公のことはよくわかっていないので、朝倉攻めで浅井長政に裏切られた撤退作戦では主人公と秀吉が2人だけで谷川の水をすすって命をつないだり、登場する絵図の国友村の位置が間違っていたりとツッコミどころが満載なのだが、それでもそうした要素を加味しても何より面白さが勝っている。光秀が秀吉を助けるシーンなど1話ごとにホロッとくる挿話が用意されていて、ザッツ・エンターテイメント。これならば来週も見ようと思うのかもしれない。

最近の大河ドラマの視聴率は上がらないそうだ。そうした理由はネットの発達だとかTV離れだとかそう単純なものではないのだろうけれど、平清盛に汚すぎると地方自治体の長からクレームもついたとうり、時代考証に走るあまりドラマ性と歴史ドキュメントとの境目が少しブレていたのかもしれないと感じた次第。

NHKオンデマンドは今のところコスト・パーフォーマンス最高です。

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