2013年9月26日木曜日

『愛国・革命・民主』三谷博を読んで


我々日本人はいわゆる「日本人論」が大好きだ。ウィハブクワイトディファレントカルチャーコンペア―ウィズウェスタンカントリーズ、アズユーノウ。確かに中国という巨大な防波堤を対岸に持ち、地球の東の端で育まれた文明や文化には世界的に見て極めて特殊なものがあるに違いない。歴史学者アンドリュー・ゴードンの『日本の二〇〇年』には市場開放に対する抵抗にもこうした「特殊性」の言い訳が使われてきたとある。有名なところではスキー用具の関税撤廃が議論となった際に、「湿度の高い日本の雪は特殊だから外国のスキー板は日本には適さない」と説明した時にも発揮された。

我々はイエに縛られた「たこつぼの住人説」はすでに聞き飽きたが、日本のたどってきた歴史、例えば明治維新も実は世界に向けて普遍化できるのではないだろうか。

三谷博氏の『愛国・革命・民主:日本史から世界を考える (筑摩選書) 』を読んだ。サブタイトルには「近代日本史を補助線にして、世界と東アジアを理解する」とある。

愛国・革命・民主の3つのテーマを追求し我々の隣国との関係について考察していく中で、マルクス史観の再検討や社会科学の中での予測可能性について、あるいは直近の金融論のテーマである、経済はグローバルな相互依存がすすんでいるのに、政治的決定は国々が行い、これを批判する人々の想像力も国民国家に閉じ込めらていることについて話が及んでいく。これほど知的好奇心を喚起する書物は久しぶりだった。統治システムと外交問題にひとことある人にはおすすめ。何より面白い。


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