2013年11月21日木曜日

忘れられた戦争『第一次世界大戦』


ここのところ満州事変、日中戦争、太平洋戦争と戦間期の本を読み資料集めをしてきたが、やはりどうしてもその起点たる第一次世界大戦の部分が気になってしまう。日本の人物や事件だけを追いかけていると、戦場から離れていた分だけどうしてもこの部分が手薄になってしまう。日本はこの戦争で「総力戦」に目覚めて「石原莞爾の発想」というような流れだ。

日本は独軍の山東半島青島要塞を攻略し、その時始めて航空機を兵器として使った。この辺りは東宝が昔、加山雄三を使って映画化しているので知っている人も多いが、Uボート対策で駆逐艦隊を地中海に派遣したことはあまり知られていないだろう。知っていたからどうということも無いのだが、実はこの派遣の対価として日本とイギリス、フランスとの間には裏取引がなされていた。

第一次世界大戦 忘れられた戦争 (講談社学術文庫) 山上正太郎著 を読んだ

第1次世界大戦で何か良い本は無いかと尋ねられれば、定番の「リデル・ハート」とか「八月の砲声」とか、日本を中心に論じた山室信一氏の「複合戦争と総力戦の断層―日本にとっての第一次世界大戦 (レクチャー第一次世界大戦を考える) 」とかいわずに日本人にはこの本が一番いいと思う。少し赤っぽいが(共産主義にページを割いているのは書かれた時代を反映しているのだろうか)、面白いことに戦闘場面が一切ない戦争の本である。理知的で知りたいことをうまく整理してくれている。今という時代が歴史を織り成す数々の糸を束ねた断片であるとするならば、それらの同じような糸が過去に似たような文様を描いたことがある。日本人はもう少しこの戦争を知るべきだと思う。


0 件のコメント: