2014年11月9日日曜日

烏賊と小芋の葛煮


僕がよく行く京割烹には「烏賊と小芋の葛煮」というメニューがあります。京都らしくないメニューですが日本酒と相性がよいし、あまりに美味しいので、函館のするめ烏賊も里芋もどちらも旬の11月頃には真似をして家でもたまに料理します。里芋の旬は9月以降春まで、するめ烏賊は日本では通年どこかしらで捕れます。

今関東地方の店頭に出ている烏賊は冬期発生系群で、昨年の冬に東シナ海から九州北部で生まれて黒潮にのってオホーツクまで旅をする群れなのだそうです。一度冬の1月に函館へ行って烏賊をたべようかと思ったら12月いっぱいで烏賊漁は終わりだと聞きました。その後は日本海側に漁場が移動するのだそうです。

恥ずかしながら僕は何故里芋を小芋と呼ぶのか最近まで知りませんでした。最近の子供はものを知らないなんて言えませんね。たしかに僕も最近までは「最近の子供」でした。店頭で親芋を見て質問して初めてそうなんだと理解した次第です。また所謂(いわゆる)「きぬかつぎ」は里芋ですが、関西地区の「石川早生」だと茹でると皮がつるりと剥けるのですが、関東地方の「土垂」ではそうはいかないようです。昨日はデパートで「たけのこいも」を見かけましたし、京割烹では「えびいも」は常連です。「セレベス」などというのも売っていました。

さて、本題の「烏賊と小芋の葛煮」は作るのに難しいことは何もないのですが、とにかく面倒くさい。烏賊をばらして、芋を剥いてぬめりを取る。それだけです。材料費は500円もあれば十分な量が作れますが、お惣菜コーナーではとても高価な料理になります。僕はキッコーマンのHPのレシピに葛をたして作っています。葛はいらないといえばいらない。写真をとろうかと思いましたが、夜日本酒を飲んだ時に残り物全部食べちゃいました。

http://www.tamaeiga.org/2012/program/008.html


降旗康男監督、高倉健主演の映画「駅 STATION」(1981)では北海道の増毛の雪に埋もれたカウンターだけの小さな居酒屋が登場します。ヒロインの倍賞千恵子がやっている店です。大晦日の夜に行き場のない四十がらみの男女が二人きり。小さなテレビには紅白歌合戦。八代亜紀が『舟唄』をうたっています。

お酒はぬるめの 燗がいい、肴はあぶった イカでいい

この場合のイカはするめではなくて、一夜干しなんでしょうね。生姜とお醤油で。

倍賞千恵子が「(私)イカ(を)煮たの。食べる?」と聞きます。醤油色に薄く染まった烏賊をみるたびにこのシーンを思い出してしまいます。じゃがいもとも相性はいいようです。


P.S.もう一度観ました。「イカ、食べる?」と聞くのですが、「煮たの」ではなくて、「炊いたの」でした。

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