2015年8月25日火曜日

パラダイム・シフト


日本のバブルがはじけた時には、国土の狭い日本の不動産は下がることが無いという神話が崩壊しました。土地担保で築き上げた信用構造の崩壊でした。レバレッジの効いた投資資金は融解してしまいました。

リーマン・ショックはアメリカの住宅価格は下がらないという神話をもとに土地担保債権によって幾重にも積み上げられた信用構造が一気に崩壊したことで危機を発生させました。

考えを整理するための枠組みとして、こうした相場の変わり目には、必ず何らかのパラダイム・シフトがあるという前提で今回の市場を考えると、これは間違いなく中国経済でしょう。

リーマン・ショック以降、2008年の4兆元の刺激策は世界経済の回復に貢献するとともに、低迷する先進国にかわって中国をはじめとする新興国群がこれからは世界経済をけん引するという実態が確かにありました。金融的には低金利なドルでファィナンスして金利が高く通貨も強い人民元に投資するようなキャリートレードがデフォみたいな状態が続いていました。金利も高く、通貨も強いというのは言い換えると中国経済の成長率は常に先進国を充分に上回り続けるに違いないというパラダイムです。

MSCIの本来の意図ではありませんでしたが、A株のインデックスへの組み入れを延期することで、これは先進国の投資家が思っているような「株」じゃないよと警告を発すると、無理が昂じていた上海株が暴落しました。これがミンスキー・モーメントだというのはその予兆の後に続く信用構造の崩壊を示す事象があるわけで、それは人民元の切り下げでした。人民元投資をサポートする外貨は停滞するでしょう。今回の切下げは投資家にとって中国の経済成長率が恒常的に先進国を凌駕する時代は終わったという証だったのではないかと思います。

従って体勢を立て直す間、中国が対応策をとって、パラダイム・シフトを認めたくはないがゆえに、それらが必ずしもうまくいかずに調整を繰り返す間、市場の揺らぎは長引くとおもいます。

グラフはリーマン・ショックを含めたSPとVIX.中国に助けてもらった相場でした。今回の下げが一過性かどうかはまだ判断は難しいが、大きなリスクが控えている可能性が残ります。




今後の投資対象は米国株と日本株。市場ごとアルファを取る戦術は、しばらくは困難。ゆっくりと個別銘柄の選定に集中するのが良いのではないでしょうか。今週中に底とか考えている人は、一度タイムをかけてキャッチャーと内野手に集まってもらうのが良いでしょう。


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